社会への貢献を実感!ITエンジニアとしてのやりがいの発見

article image 1

日下は大学卒業後の2012年4月、DXCテクノロジー・ジャパン(以下、DXC)の前身である、日本ヒューレット・パッカード(以下、HP)に新卒入社しました。

日下 「就職活動では、IT業界かつ、SEを軸に企業を探していました。大学は理系の学部に在籍していたので、研究室の先輩にはIT企業に就職した方も多く、ITが身近な存在だったのです。

また、ITに関わることで、社会を支える縁の下の力持ちのような役割を担えるといいな、とも思っていました。最終的には海外への憧れもあり、外資系のHPに入社しました」

入社後配属されたのは、「絶対止まらない」が売りのHPE NonStopサーバーを用いたシステムを構築する部署。そこで、クレジットカードシステムのプロジェクトに携わることになります。

日下 「クレジットカードは、24時間365日使えるのが当たり前ですよね。つまり、私は絶対に止めてはならないシステムに携わることになったんです。初めて商用システム上で作業を行ったときは、『私がこの作業をして、万が一何か起きてしまったらどうしよう』と、キーを打つことさえとても怖かったです」

絶対に止めてはならないシステムのため、ときには、お客様とDXCのプロジェクトメンバーとが緊迫した状況になる場面も。

しかし、その状況を目の前にすることで、日下は「自分が携わっているシステムが、重要な社会インフラの一部なんだ。自分は社会とつながっているんだ」と、1年目から強く実感するようになります。

日下 「また、クレジットカードは自分も日々利用しているものです。それも、自分の携わっているシステムが社会の一部として重要な役割を担っている、と実感できた理由のひとつです。

こうやって、ITエンジニアという職業にとてもやりがいを感じるようになりました。ときには残業で帰りが夜遅くなることもあるような中で、目の前の仕事を第一に過ごしていけたのは、そのやりがいがあったからだと思っています」

産休・育休への不安はゼロ。だけど不安は違うところに……

article image 2

2019年、入社7年目に日下は第一子を授かり、産休・育休を取得しました。産休・育休でキャリアが一時中断し、うまく復帰できるか……と悩む女性も多いですが、日下はそういった不安は感じなかったと振り返ります。

日下 「チームに、産休・育休後に復帰されている先輩がいました。復帰後もチームリーダーとして活躍されている方もいましたし、DXCで産休・育休後に復帰するのは、ごく当たり前と感じていたので、不安はありませんでした」

日下の不安は、少し違うところにありました。

日下 「私が携わっていたHPE NonStopサーバーは特殊な技術。このままNonStopサーバーに長く携わっていくと、他の技術を用いた仕事へのキャリアチェンジは難しくなるかもと感じていました。

他の技術に興味を引かれることもあり、『私は、NonStopサーバーの専門家としてずっと働いていきたいのか?』と、自分のキャリアに悩むようになっていたんです。それもひとつのきっかけとなり、このころから『エンジニアとしてずっと第一線で働いていくには、どうしていけばよいのか?』と、考えるようになりました」

約1年の産休・育休を経て、日下は2020年4月に、仕事に復帰します。

日下 「時短ではなく、フルタイムで復帰しました。フルタイムで最初から復帰している先輩がいましたし、小さな子どもを育てているメンバーへの理解があるチームなので、迷いはありませんでした」

しかし、実際に復帰してみると、育児をしながらこれまでと同じように働くことは難しいと痛感することになります。

日下 「以前はともかく目の前の仕事を優先にしてきましたが、当然ながらそのような働き方はできませんでした。勤務時間の中でどこまで何ができるか。残業するなら、どれだけ残業時間が取れて、どの範囲の仕事ならできるのか。そこをしっかり考えて働くようになりました。

そうやって、どうにかできる範囲の業務量で進めていけたのは、チームメンバーが子育てへの理解を持ち、私の業務量に気を配ってくれていたおかげでもあると思います。それだけでなく、私の成長のことも考えてくれて、『大変になるかもしれないけど、この業務もやってみる?』と相談してきてくれたときは、嬉しかったですね」

仕事と育児のストレスが大爆発!しかし、それがターニングポイントに

article image 3
▲コロナ禍の影響もあり、現在業務はリモートワークがメイン

復帰後しばらくしてから、日下は新しいプロジェクトに携わるようになりました。しかし、そのプロジェクトでの人間関係に悩むことがあり、ストレスを感じ始めるように。そこに育児のストレスも重なり、あるとき大爆発してしまいます。

日下 「ある日、仕事の悩みについて夫に相談していたのですが、なかなか理解してもらえず……。家事や育児も私の方に負担が大きな状況だったので、何かがぷつんと切れて大爆発してしまって、冷蔵庫にあった卵をすべて投げつけてしまいました(笑)。きっと、限界だったんですね」

この大爆発は、日下の悩みとストレスの大きさを、パートナーが肌で理解するきっかけとなりました。2人で話し合い、数週間仕事を休んで休養をとることを決断します。マネージャーにも相談し、社内異動をする決断もしました。

日下 「マネージャーは状況を理解してくれました。今後のキャリア形成に不安を感じていた点も相談し、社内公募に応募して、新たに他の部門の仕事にチャレンジする道を選ぶことにしました。

また、夫も育児や家事を以前よりやるようになり、今はとてもいい感じで分担し合えています。今振り返ると、いいきっかけだったなと思います」

2021年9月に、日下は製薬業界のお客様を担当する部署に異動。2023年1月現在は、DXCのIP製品である、医薬品の安全性情報管理ソフトウェアClinicalWorks/ADRを担当しています。

このソフトウェアは、医薬品の副作用に代表される安全性情報の評価、伝達などを担う安全管理基盤の1つ。最近では、新型コロナウイルス用のワクチンの副反応管理にも、そのノウハウを活用しました。

日下 「ClinicalWorks/ADRも、社会を支えている縁の下の力持ちの技術なので、非常にやりがいを感じています。製薬業界の知識を身につけていけることも、魅力ですね」

ずっとエンジニアとして、第一線で活躍していくために──コツコツと勉強を続けていく

article image 4

子育てをしながら働く中、日下の心の内部で強くなっているのは、「一生仕事を続けたい」という想いです。

日下 「実際に子育てをしたことで、私は、家庭に入ってずっと子どもと過ごすのは苦手なタイプだとわかったんです。子育てをしながら、エンジニアとして第一線でずっと活躍していきたいと強く思っています。

そのためにも、子どもが寝た後のわずかな時間を使って、DXCの社内トレーニングのプラットフォームを活用し、最新技術についての勉強をしています。現在は、今の部署に異動してから初めて触れた、クラウド技術の勉強を進めています」

社内のトレーニングプラットフォームでは、英語でしか提供されていないトレーニングも。それがきっかけで、日下は英語の勉強も始めました。

日下 「英語がわかれば、もっとたくさん学べるのに……と悔しくなることがあって。だったら英語を勉強してしまおうと思い、英語の勉強も始めました。そしたら、英語を勉強するのがとても楽しくなってしまいました(笑)」

時間を見つけて少しずつ勉強を進めるうちに、日下は働き続けるために必要なことと、具体的な目標にも思い至りました。

日下 「『業界の知識』 『何かしらのIT技術の専門的な知識』 『英語力』、この3つがあれば、私はエンジニアとして自信を持って、ずっと働いていけるのではと考えるようになりました。

今関わっている製薬業界の知識、そしてクラウドの知識と英語力をしっかりつけて、自分に自信を持っていくことが、当面の目標です」

2人目の子どもについても考え始めている日下。産休・育休を取ってまた復帰して、DXCで働いていきたいと言います。

日下 「1人目のとき以上に、不安はありません。今よりもさらに忙しくなると思いますが、勉強する時間をどうにか見つけて、ずっと第一線で働いていきたいです。

正直、仕事や勉強ができる時間を思うように取れず、焦ることもあります。でも、できるところから着実に、日々一歩ずつ進んでいきたいと思っています」

育児も仕事も勉強も、日々やることだらけ。毎日時間が足りない。そんな中でも、日下は、コツコツと成長を続けていくはずです。

エンジニアとして第一線で活躍し続けている未来が、その毎日の先に待っていると心躍らせながら。