生涯現場でエンジニアと考えていた──はずが、30代に入った途端にマネージャーに

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山田のキャリアは、DXCテクノロジー(以下、DXC)の前身であるコンパックコンピュータ株式会社から始まります。

山田 「2000年に新卒でコンパックに入社しました。合併や分社を経て、会社名は次々と変わり、今は2017年に発足したDXCに在籍しています。会社が変わり変化はあるものの、自ら転職をしたわけではないので、勤続年数は20年以上と言えますね。

最初は、ITアウトソーシング部門のSAPエンジニアとしてキャリアをスタートしました。フィリピンの日本のお客様向けSAPオペレーションセンター立ち上げのチームリーダーを担当するなど、やりがいを持って過ごしていました」

31歳のとき、「マネージャーにならないか」と声を掛けられたことをきっかけに、山田はマネージャーの道へ進むことになります。

山田 「生涯現場のエンジニアとして、自分のキャリアを進めていこうと考えていたので、最初は断っていたものの、何度も誘ってもらううちに「チャレンジしてみようかな」と感じるようになり、引き受けました。周りのマネージャーは経験豊富な方ばかりで、若手マネージャーとして、その中で揉まれるのは非常に良い経験でした」

その後はマネージャーひと筋となり、インフラ部門全体のマネージャー、デジタルデリバリー推進マネージャー、OneCloud本部マネージャーと、複数のポジションを経験し、今に至ります。マネージャーとして、メンバーからの人望が厚いという声もよく聞かれます。

山田「思えば、私は昔から人に関わったり、チームをリードしたりするのが好きです。学生のときは、生徒会長や剣道部の部長をやっていました。人を巻き込んでいく力はあるのかなと思います。明るく楽しいムードメーカーのマネージャーとして、チームをリードできているかなと思っています(笑)」

フィリピン、マレーシア、海外での新しいプロジェクト立ち上げへのチャレンジ

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▲マレーシアのオペレーションセンターへの移行プロジェクトで、マレーシアのメンバーたちと

2022年11月現在は新規事業の立ち上げにチャレンジしている山田。これまでにも新しいプロジェクトの立ち上げにチャレンジしてきました。

山田 「フィリピンの日本のお客様向けSAPオペレーションセンターの立ち上げや、マレーシアの24時間365日のオペレーションセンター(お客様のITインフラ運用、それに関する問い合わせを受けるヘルプデスクサービスなどを提供するセンター)へ、日本のお客様へのサービス業務を移行するプロジェクトなどにチャレンジしてきました」

マレーシアのオペレーションセンターへの移行プロジェクトは、とくに印象に残っていると言います。

山田 「八王子にあった24時間365日のオペレーションセンターの業務を、マレーシアに全て移行するプロジェクトでした。

八王子のセンターでは、日本の複数のお客様にサービス提供していました。サービス提供を止めず、日本のお客様が求めるサービス品質も落とさず、かつ同時に複数案件をマレーシアに移行するというプロジェクトで、計画の時点から難易度の高さは明らかでした」

山田自身もマレーシアに数カ月滞在して、マレーシアのメンバーとタッグを組み、プロジェクトを進めました。

山田 「まず、人の採用からです。たとえばヘルプデスクでは、それまで電話で日本人が対応していた問い合わせなどに、マレーシア人が対応することになります。日本語が堪能で、かつ日本の文化を理解している現地の方を採用する必要がありました。

この難しい採用に始まり、八王子チームからマレーシアチームへの引継ぎ、現地でのオペレーションに向けた準備など、壮大なプロジェクトでした。マレーシアのメンバーと一体となって昼夜対応し、マレーシアへの完全移行を遂行しました」

山田はこのとき、DXCのグローバルにおける強さを肌で実感したと言います。

山田 「日本のお客様は、他国と比べると非常に高いサービス品質を要求される傾向があります。マレーシアのメンバーは、この自国とは異なる文化を持つ日本のお客様のことを理解し、サービスを提供しています。世界中どこからでも均一なサービスを提供できる力があることが、DXCの大きな強みです。

マレーシアに限らず、さまざまな国の人と働きますが、DXCは本当にいろいろと先進的なことをやっていて、いつも刺激を受けます。じつは、日本市場では、DXCのそういった部分が認知されていない現状があります。DXCのグローバルの強みを、もっと日本市場に発信していきたいと強く感じています」

新規事業へのチャレンジ──グローバルの力で戦い、成長のイネーブラーに

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▲趣味は広く浅くいろいろなことを。ゴルフもその1つです

2022年4月に新設された、テクノロジーコンサルティング事業部の立ち上げに取り組んでいる最中の山田。ゼロからの立ち上げで、社内外から人財を集めるところからのスタートです。山田は人財採用・育成からビジネス拡大まで、部門長として責任を持って活動しています。

山田 「DXCは世界最大級のITサービス事業者です。グローバルの先進的な知見を持ち、世界中のお客様にサービスを提供しています。その中で培った各ITサービス領域のノウハウやナレッジを集約し、サービス内容やサービスレベル、テクノロジーを標準化した『プラクティス』という、サービスの標準テンプレートを用意しています。

テクノロジーコンサルティング事業部は、クラウドやDXの領域について、このプラクティスを日本のお客様に普及していくことがミッションです」

日本のITシステムは、企業や組織毎に固有なものを開発し、そこに追加開発を重ねることで複雑化していることが多くあります。プラクティスを普及していくことで、この日本のガラパゴスIT環境からの脱却を促進していきたいと山田は言います。

山田 「テクノロジーコンサルティング事業部のアドバイザリコンサルタントが、コンサルティングを行い、お客様にとって必要なものを徹底的に見極め、最適な規模とコストで、本当に必要な機能を迅速に提供する、グローバル標準のITへの変革を支援します。

DXCの強みであるグローバルのケーパビリティを押し出して、戦っていく事業の立ち上げをリードすることに、わくわくしています。テクノロジーコンサルティング事業部が活躍して、日本におけるDXCのビジネスを大きく成長させるイネーブラーとなり、日本市場でもっと認知されていくことが、大きなビジョンですね」

「人」が財産。全社一丸となって取り組む人財育成の可能性

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▲チームミーティングでの1枚

マネージャーとして新しい部門を立ち上げ、「チームを作っていく」ことについては、どう考えているのでしょうか。

山田 「マネジメントの中で一番大事にしているのが、チームの一体感と透明性のあるコミュニケーションです。

DXCは、日本でもさまざまな国籍の方が在籍していたり、グローバルのチームと一緒に働いたり、いろいろなバックグラウンドを持っている方がいたりと、非常に多様性のある環境です。そのため、チームメンバーの一人ひとりと密にコミュニケーションをし、一体感あるチームの運営を心がけています。

たとえば、毎週のチームミーティングでは、チームのゴールとビジネス状況をシェアして、皆で認識を合わせます。また、メンバーの一人ひとりの状況もこの場で確認していきます。中途入社の方とは別途、毎週One on Oneを実施しています」

 人財育成も、山田が力を入れている分野です。

山田 「人財育成には会社全体で力を入れています。全社でのAmazon Web Services(AWS)やMicrosort Azureなどのクラウド関連の資格取得推進は、私が担当しています。2021年度では、資格取得者が44%増加しました。

人に関わることが好きという性格もあってか、人財育成には個人的にも非常に興味があります。全社でどのように人財育成を展開するか──会社全体のマス展開をしつつ、もっと小さいチームの単位では何をするのが効果的なのか。育成の方向も、資格取得者を増加する視点、案件を増加していく視点など、試行錯誤しながら進めています」

ITサービス事業者であるDXCにとっての一番の財産は「人」だと、山田は言葉を強めます。

山田 「サービス事業者の一番の財産は『人』、社員の皆さんです。その『人』に、十分に活躍できる環境を整えるのが、マネージャーの一番の仕事だと考えています。

これからもより良い人財が育っていく環境、そして働きやすい環境を作っていくことで、テクノロジーコンサルティング事業部が、そしてDXCテクノロジー・ジャパンが、社員の皆さんとともに、さらに大きく成長していけると信じています」