大好きな日本で、英語を活用したグローバルな仕事がしたい
SAPシステム導入プロジェクトを支援するコンサルタントとして、デジタルトランスフォーメーション(DX)を目指すお客様の課題をヒアリングし、業務に最適なシステムの構築を支援しています。
最初のキャリアは祖国ベトナムで、SAPエンジニアとしてスタートしました。やりがいを持って働いていたのですが、同僚のコンサルタントの方が活躍する姿を見ているうちに、コンサルタントという仕事に興味を持ち始めました。
当時の会社で日本語を学ぶ機会があったことをきっかけに、日本語を習得し、日本のお客様との案件にも関わるようになりました。何度か日本に出張しているうちに、気がついたら幼いころから興味のあった日本に渡り、就職していました(笑)。2018年のことです。
渡日後すぐはSAPエンジニアとして働いていましたが、いずれはコンサルタントとして働きたい、また、日本でも英語を活用してグローバルな仕事をしたいという想いがありました。ベトナムで最初に働いていた会社で、インドなど他国のメンバーと働く機会があり、そういった環境で自分は成長できると実感していたからです。この2点を実現できる企業を探している中でDXCに出会い、2020年にジョインしました。
入社してみると、DXCは上司や部下の上下関係や組織同士の壁がない、いわゆる風通しの良い社風で、自分のキャリアについての希望を、上司や周囲にしっかりと伝えていける場所でした。
結果、コンサルタントとして、さまざまな業界のお客様の案件に従事しつつ、DXCの日本のメンバーはもちろん、インドやポルトガルなど、他国のメンバーたちと一緒に仕事をする環境も実現しています。
失敗から学び、見つけられた、コンサルタントとしての軸
コンサルタントとしてプロジェクトに関わり始めたころは、先輩に教えてもらったことを実践したり、プロジェクトメンバーに頼ったりしてばかりでした。
しかし、経験を積んでからは、コンサルタントとして自分なりに、最も大切だと考えるものを見つけることができました。それは「コミュニケーション」です。
エンジニアだった経験を活かして、最初のうちは開発者目線、システムの観点から考えたことを、お客様に説明していました。ただ、そうやって進めていくと、「あれ、お客様が満足していないな?」「お客様との間に何かギャップがあるな」と、感じる場面が多く出てきました。
いったい何が問題なのか自問自答し、また先輩から学んでいくうちに気づいたのは、自分の目線に、開発者というフィルターが掛かっていることでした。エンジニアとして働いていたときは、お客様と接する機会が少なかったこともあり、まったく気づくことがなかった点です。
自分の開発者目線に気づいてからは、システムの観点からではなく、お客様の目線で、お客様の業務の観点から考えることを強く意識して、お客様とコミュニケーションをとるようになりました。
この意識を持つと、お客様の業務や懸念点を深く理解できるようになり、それまでは気づけなかった、DXCならではの「付加価値」についても考えられるようになりました。
新しいことにチャレンジすると、これまで経験したことがないこと、向き合ったことのない課題が出てきて、失敗することがありますよね。私が開発者目線でコミュケーションをしていたことも、その1つです。
でも、私はそういう課題に出会ったり失敗したりしたときには、「大きな成長のチャンスがきた!」と思うようにしています。失敗をひきずっていても仕方がありませんから、それをきっかけに反省と勉強を繰り返して、前に進みます。
ピンチはチャンス──私のモットーです。
グローバルプロジェクトで痛感した、社内メンバーとのコミュニケーションの大切さ
お客様だけでなく、社内メンバーとのコミュニケーションも、プロジェクトの成功のためにとても重要です。グローバルチームで挑んだあるプロジェクトは、それを痛感するものでした。
そのプロジェクトは、グローバルテンプレートを日本のお客様に展開するプロジェクトで、さまざまな難しい条件がある中、タイトなスケジュールが予定されていました。
グローバルテンプレートを担当するポルトガル、トルコ、そしてインドのメンバーが来日して、一緒にプロジェクトを進めていく予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の流行の影響を受けて来日できなくなり、やむなく、すべての工程をリモート会議で進めていくことになりました。
そこで起きたのが、時差の問題です。日本は、ポルトガルとは8時間、トルコとは6時間、インドとは3時間の時差があり、一同揃ってのリモート会議を設定するのに苦労しました。スケジュールがタイトだったため、あるときは日本が夜中の時間帯、あるときは他国のメンバーにとって深夜となる時間帯で会議を行うこともありました。
困難な状況でしたが、最終的には、メンバー全員がしっかりとしたコミュニケーションを通して足並みを揃え、目的に向かって同じ方向に進んでいくことで、プロジェクトは無事完了しました。コミュニケーションの重要さを痛感したプロジェクトでした。
コミュニケーションはまさにキャッチボール。相手が求めていることは何かを常に考え、相手の変化に寄り添うことが大事です。お客様や社内メンバーとのすべてのコミュニケーションで、常に意識するようにしています。
2022年10月現在は、医療業界のお客様のDXのプロジェクトに従事しています。現行システムのサービス業務を整理し、それをもとに業務フローのTo-Be(システム導入後の理想の姿)を描くのが私の担当です。
どうすればお客様の日々の負担が減り、効率よく業務が遂行できるようになるか。そしてそれを限られた期間とリソースでどう最適に構築できるか。これまでの経験をもとに、お客様目線で考えながら、社内のメンバーとも、お客様とも良いキャッチボールをして、プロジェクトを成功に導いていくために尽力しています。
新しいことにチャレンジして、常に学び、成長していきたい
20代でエンジニアからキャリアチェンジして、これまで未経験だったコンサルタントという世界に飛び込みましたが、これからの30代も、また何か新しいことにチャレンジしていきたいと思っています。
私は新しいことにチャレンジして学びたい、成長したいという気持ちが強いんです。成長できると楽しい。過去の自分を振り返ったときに「今の方が成長している!」と感じることが好きみたいです(笑)。
DXCには、個人の意見、やり方を尊重してくれる社風があります。「こういう新しいことをやってみたい」という意見に耳を傾けてくれるので、自分の力を発揮していける場所だと感じます。たとえば、上司にはフランクにそういった相談ができます。上司を友達のように感じることもあるくらいです(笑)。
最近は、プリセールスにも興味が湧いてきました。コンサルタントとしてお客様を深く知っていくと、自分の担当範囲外のことについても「こういった付加価値をお客様にご提案できるのでは?」という考えが浮かんできます。そういった全く新しい価値を、お客様に提案していけるようになりたいです。
まずはコンサルタントとしてもっと成長して、お客様から、そして社内メンバーから頼られる存在になることが一番の目標です。今はまだ社内メンバーに助けてもらってばかりですが(笑)。
この目標に向かう過程で、新しい課題にたくさん出会うと思います。でも、そういった課題は成長のチャンス、昨日より成長できるように、1つずつ乗り越えていきたいですね。
これから始まる30代、コンサルタントとして、そして父親として、たくさんの新しい経験を積み、どんな風に自分は成長していくのか。「こんなに成長できたぞ!」と振り返る日が楽しみです。