24年目で初めてのキャリアチェンジ。ひたむきに経験を重ねて得た、たしかな手ごたえ
大学時代は、工学部で情報システムを学びつつ、同時にパイロットになる夢を追いかけていた秋本。しかし、パイロットへの道は狭き門。やむなく諦めることになり、「ならばこれしかない」と飛び込んだ先は、ITの世界でした。
秋本 「新卒で入社したのは、日系のシステム会社です。粘り強さと前向きな姿勢、そして体育会で鍛え上げた根性を武器に、ITインフラ全般の設計・構築・運用を中心とした仕事に取り組みました。
当時の経験で今でも忘れられないのは、自分が担当しているシステムで大きな障害を起こしてしまい、数時間にわたりお客様のサービスを止めてしまったこと。肩を落とす私にお弁当を買ってきて慰めてくれた、当時そのお客様を担当していた営業さんの優しさもよく覚えています」
この会社では9年の経験を積んだ秋本。新しい領域での経験を求めて2006年に転職した先が、DXCの前身である当時のHewlett Packard(以下、HP)でした。
HP入社後は、通信、食品、金融といったさまざまな業界のお客様に対して、インフラのみならずアプリケーションの開発・更改・移行など幅広いサービスを提供。
そしてDXCへの転籍を経て、2021年の秋、20年以上にわたり務めてきたエンジニアを離れ、未経験だった営業に転身します。
秋本 「特定のお客様に対して技術的な観点から提案を行う、テクニカルセールスコンサルタント(以下、TSC)という職種が設置されることになり、自分から手を挙げました。
エンジニアとしてサービスデリバリーをしていたころから、お客様に対する提案活動に関わることに手ごたえを感じていたので、TSCのほうが自分の力を発揮できると思っていたのです」
こうして、秋本のTSCとしてのキャリアがスタートしました。
大切にしているのは、経験を活かした現実的な視点、そして情熱
キャリアチェンジして1年ほど経った2022年9月現在は、TSCとして金融業界のお客様を担当し、新たな領域でのご支援に向けたさまざまな提案を推進している秋本。日々奮闘する中で、主に2つのことを心がけています。
1つ目は、どんな内容の提案であっても、現実性を徹底的に確認すること。
秋本 「サービスプロバイダーとして、お客様の心に響く提案を行うためには、現実性を見失ってはいけません。ですから、どんな内容の提案であっても、具体的なリソースやテクノロジーを踏まえた現実性を徹底的に確認するようにしています。
その現実性を測る上では、エンジニアとして、プロジェクトの現場で数多くの成功と失敗を見てきた経験が役立っていますね。リソースについて、お客様の方から気にかけてくださる場合もありますが、基本的には、こちらの体制を正直かつ具体的に伝えるようにしています。あらかじめお客様と共有しておくことで、お互いにできる範囲の共通認識を持てるので、無理なく仕事を進められて信頼関係も築きやすくなるのです」
2つ目は、必ずやり遂げるという情熱を持ち続けること。
秋本 「お客様のご要望に応えたい、プロジェクトを成功させたいという情熱がないと、保身に傾いてリスクから逃げようとする意識が、どうしても提案内容やコミュニケーションに滲み出てしまいます。
目に見えるスキルだけでなく、潜在的な意識も間違いなくお客様に伝わります。ですから、自分のミッションを必ずやり遂げるという情熱を持って、仕事をリードしていくことを大事にしています。最終的には、この仕事に対するスタンスが決め手になります」
これら2つの心がけは、エンジニア時代から今にいたるまで、さまざまな現場で出会ったお客様や同僚に育ててもらう中で培われたものだと、秋本は感じています。
秋本 「強く印象に残っているのは、ある金融業界のお客様です。仕事に対する基本的なスタンスや説明の仕方など、1対1で指導してくださいました。また、他の案件では、同僚の営業からたくさんのアドバイスをもらったこともありました。今思い返しても、ありがたいことですし、心から感謝しています」
情熱がお客様に伝わった瞬間の喜びを、若い世代にも受け継いでいきたい
秋本にとって、経験と情熱で作り上げた提案がお客様に受け入れられたときの喜びが、仕事で一番のやりがいです。初めて、そのやりがいを感じたときのことを、秋本はこう振り返ります。
秋本 「お客様の基幹システムを運用する大きな体制の提案で、10社が競い合いました。複数のサービスをまたぐ複雑な内容でしたが、長くサービスデリバリーをやってきた経験があるからこそ、抜け漏れのない現実的な提案ができたと思います。自信と情熱がお客様に伝わって、『DXCさんにお願いしよう』といっていただけた瞬間は、これまでやってきて本当に良かったと思いました」
職種を転換してからはまだ間もない秋本ですが、成功体験を通して感じてきたやりがいや、それを支える確かなスキル、仕事に対する姿勢は、一貫しています。
秋本 「これからは、この仕事を続けながら、今の自分が持っているスキルや積み上げてきた経験などを、伝道師のように若手や他の中堅に伝えていきたいですね。
とくに、自分が得意としているプロジェクト推進のためのアプローチを、組織の枠を越えて広めていければと思います。サービスプロバイダーにとって最も大切なのは人材ですから、その育成にも貢献していきたいです」
社内外で出会った人たちに「育ててもらった」と感じている秋本だからこそ、これからは自身のミッションを達成するだけでなく、若い世代に受け継いでいきたいという強い意欲が湧いているのでしょう。
前向きな姿勢と情熱があれば、ビジネスの可能性は無限に広がる
秋本は、これから入社する人たちも含めて、DXCで一緒に働くメンバーには、どんなことを期待しているのでしょうか。
秋本 「お客様もわれわれも、システムについての絶対的な答えは持っていません。だからこそ、プロジェクトを進めるためには、目標の達成や課題の解決に向けて想像力を働かせ、『こうあるべき』という確固たる意志を持って取り組むことが大切です。指示を待つばかりではなく、情熱を持ってプロジェクトを前に進めようという姿勢で取り組める方と一緒に働きたいですね」
ここでも想像力や情熱の大切さを強調する秋本。お客様とのより良いコミュニケーションのために、DXCのメンバーに心掛けてほしいもう1つのポイントは、論理的思考です。
秋本 「お客様に納得していただくためには、スキルやテクノロジーだけでなく、論理的なコミュニケーションが必要です。
自分なりの論理でも良いので、論理立てて仕事を進められる人。今は苦手でも、学んでいこうという姿勢がある人。そういう人が、DXCでは成長できると思います」
そして秋本は、若い世代の成長や新しいメンバーの加入で、これまでのDXCではできなかったサービスが提供できるようになることに、強い期待を抱いています。
秋本 「情熱を持って1つのプロジェクトを成功させることで、お客様の信頼を勝ち取り、新たな提案につなげていくことができます。さらに新しいメンバーが加われば、より規模の大きなプロジェクトや、新しい領域のプロジェクトも進められるようになります。
世界的にIT人材が不足していますから、新しいメンバーと一緒にDXCのビジネスをどんどん広げていきたいです。すべての仕事に対して情熱を持って、楽しく前向きにやっていこうと思える方と、一緒に仕事ができることを楽しみにしています」