研究職出身の自分だからこそ、できる採用がある
2021年現在、私は住友ファーマ(以下、当社)の人事部にて、理系人材(研究職、開発職、ファーマコビジランス職、生産技術職、データサイエンス職)の採用と新入社員研修をメインに担当しています。
人事部に配属になる前は、研究本部(現:リサーチディビジョン)で研究者として、細胞や動物をツールに薬の元となる化合物の体内動態や安全性を評価する仕事や、プロジェクトの推進、産官学連携の仕事をしていました。
高校生の時に、希少疾患に罹った患者さんのドキュメント番組を見て、「希少疾患の薬を作りたい」と思ったのが、製薬企業での研究を志すようになったきっかけです。自分の作った薬が、世界中の病気に苦しむ患者さんを救えることにロマンを感じました。
それに加えて、学生の頃に在籍していた研究室で脳に薬が運ばれるメカニズムに関する研究に携わっていたことから、精神神経疾患の薬づくりにも興味があったんです。そのため、希少疾患の治療薬を開発している製薬会社を探して、その中で精神神経領域に強みを持つ住友ファーマと出会い、入社を決めました。
入社後は、早いうちから、「いろいろな部署を経験して、広い視野で創薬の研究を学びたい」という思いが強くありました。そのため、自己申告制度(※)やリサーチディビジョン内の公募型の人事異動を活用し、ありがたいことに薬物動態、安全性、企画系の3つの部署で経験を積むことができました。
※自己申告制度;社員が自身の状況や事情、希望などを会社に伝える制度。自己申告書を会社に提出するだけでなく、上司との面談を通じて、自身の意思や関心、志向を見つめ直し、一人ひとりに合ったキャリアプランを描くことができる。
そのような中で、人事部への異動のお話をいただきました。
人事部に移ったことで、一旦は創薬開発の第一線から離れていますが、創薬に対する想いは今も変わりません。採用・育成担当として必要な能力、スキルを磨いて自分の成長を楽しみつつ、新しい立場で創薬開発に貢献することに情熱を燃やしています。
採用にあたっては、入社前にいかにミスマッチを防げるかが、双方にとっての幸せの鍵だと考えています。
創薬研究では、様々な部署のメンバーが集まってプロジェクトに取り組んでおり、答えのない複雑な課題に対し、議論を行っています。その際は、“相手の考えや立場を尊重した上で、本音で話し合うこと”を大切にしていました。
採用の仕事でも、大切にしていることは同じです。学生さんが住友ファーマのどんな情報を知りたいか、どうやったら当社での働き方がイメージしてもらえるか、お互い本音で話せる関係性をつくるにはどうすればいいのか、と常に考えています。
研究開発費比率No.1。日々“新しい”を生み出すことに挑戦できる環境
住友ファーマは、これまでの歴史の中で培った堅実な売上基盤を軸に、世の中で治療薬が望まれている領域に応えるために挑戦を続けています。具体的には、精神神経領域、がん領域、再生・細胞医薬分野が研究重点領域です。
特に、再生・細胞医薬分野に関しては、製薬会社の中でも最初に着手しており、自社だけでなく大学や企業との連携を積極的に行っています。再生・細胞医薬は国や当局からも信頼いただき、協議しながら製品化に向けたルールづくりなどを進めています。
当社は、内資系製薬会社の売上高上位10社中で研究開発費の比率がNo.1(*出典元)であり、新しいものを本気で生み出したい人にとっては魅力的な環境です。
というのも、アンメットメディカルニーズに応えるための研究は、費用がかかる上、成功が約束されているものではありません。そのため、研究開発のみ外部に任せるという選択肢もありますが、われわれは自分たちでつくったものを世の中に出していくという考えのもと、自社での研究開発を続けているんです。
また、グローバル化が進んでいることも当社の特徴です。海外売上比率は2021年現在、60%を超えており、この数値は内資系製薬会社の中でもトップ3(*出典元)に入ります。
*Answers News(各社決算短信、関連資料)を基に作成
海外拠点を拡大する上では、スピード感を重視し、同規模の製薬会社とのM&Aを行いました。通常は自社で海外拠点をつくり、少しずつ拡大をしていきます。
しかし、非定型抗精神病薬である「ラツーダ」に関しては、できるだけスピーディーに米国で広めていきたいと考え、ややリスキーではあるものの買収による拡大という手段を選びました。幸い「ラツーダ」はブロックバスター(※)に成長し、当時9%であった海外売上比率は急上昇していきました。
※ブロックバスター;従来の治療体系を覆す薬効を持ち、他を圧倒するシェアやまったく新しい市場の開拓により、利益を生み出す新薬を指す言葉。具体的には、1剤で年商10億ドル(約1000億円)を超える新薬に対して用いられることが多い。
このように、役員の決断力から見ても、想像以上にチャレンジングな会社です。そういった背景から、採用活動においても挑戦心や自律心を大切にしています。職種に対する適合性も見ますが、これまでの経験や背景が通常と異なっている人でも、ポテンシャルを見て採用することがあるんです。
当社は「人」を見て採用する企業です。実績だけではなく、その方とお話をしていく中で感じられる想いを大切にしています。実際、内定者アンケート結果では、当社への入社の決め手は「社員の魅力」がNo.1です。当社も学生も「人」を基軸に入社しているため、入社後スムーズに職場になじんでいるのだと思います。
1年目からリーダーや企画を担当することも。重視するのはモチベーション
当社で働く人々は、医療に貢献したいという想いを持っています。また、人あたりがよく、優しい方が多いです。一方で、一本芯が通っていて、譲れないところを持っている印象があります。
挑戦を後押しする文化も根づいていますね。経営陣は社内報でことあるごとに「挑戦しないことは後退である」との想いを伝えています。会社として、役職や経験、年齢を問わず、モチベーションがある人には積極的に成長する機会を与えている点も特徴的です。
そうした文化は、さまざまな制度の中にも表れています。
たとえば、研究職には「プロジェクト制」といった制度があります。「プロジェクト制」は、入社年次を問わず、テーマの発案者がリーダーになれるという制度です。経験値ではなく、発案をした人の熱意や知識を重視し、リスペクトを持とうという考えに基づいています。
若手であってもリーダーとしてプロジェクトを牽引していくことができるよう、所長や課長は仕事やテーマの進め方といった、慣れない部分をフォローアップしています。
他にも、以前は、「20%ルール」を共通言語としていました。言葉の通り、業務の約20%を自由に研究活動として使ってよいという考え方です。現在は「20%ルール」という言葉を使っている人はほとんどいませんが、個々の研究員が日々、新しいことに挑戦する精神はしっかりと根付いています。
また、当社の開発職の特徴は、「若いうちから企画系の業務を担当できる」点にあります。
通常は、病院を回ってデータを集めることからはじめ、経験を積んだ上で開発計画を立てられるようになります。そして、時間をかけて、ようやくプロジェクトを担当するといった流れが多いです。当社の場合は、モチベーションと能力があれば、1年目から企画系の業務を担当することができます。
どちらも若いうちから挑戦できる社風を表した事例だと思いますね。
住友ファーマには、他社に先駆け挑戦できるフィールドがある
住友ファーマは「人々の健康で豊かな生活のために、研究開発を基盤とした新たな価値の創造により、広く社会に貢献する」という理念を持っています。
もともとの事業である医薬品に限らず、健康で豊かな生活を実現していくために非医薬品事業として「フロンティア事業」という新たな領域もスタートしています。
治療だけでなく、予防から診断、治療、介護、社会復帰まで、患者さんが病気を認識してから社会生活に戻るまでの一連の過程全てに貢献することを目指し、これまで製薬会社があまり取り組んでこなかった領域であるアプリやデバイスなどの開発に取り組んでいます。
このように、「自由度が高く、やりたいことがやれる」点が当社の強みです。採用活動の中でお会いする際には、どんなことをやってみたいか、挑戦していきたいか語ってもらえると嬉しいですね。
近年、科学技術の進化、日本国内の医療費削減の動き、デジタルトランスフォーメーション、ヘルスケア領域へのベンチャー・他業界の企業の参入などにより、製薬業界を取り巻く環境は日々、大きく変わっています。
そのような変化の激しい時代の中では、変化の流れを先読みし、柔軟な思考で自らを変革しながら挑戦することが必要だと私は考えています。
これまでお話しした通り、当社には挑戦を奨励、サポートする文化や制度があります。しかし、文化や制度だけがあっても意味がありません。当社のさらなる成長には、挑戦する人材が必要不可欠です。
ですので、私は採用担当として、住友ファーマで一緒に挑戦してくれる「仲間集め」をしていきたいと考えています。挑戦することには失敗への不安も付きまとうと思いますが、その不安を乗り越えて楽しむことができる方には、住友ファーマで活躍できるフィールドが数多くあります。
住友ファーマとともに成長しながら、世界中の病気に苦しむ患者さんやその周囲の方の健康と幸せのために、より良い未来を一緒に作っていきましょう!