新薬を創り、自身の研究を社会に還元したい

▲「創薬研究を通して患者さんたちの生活に貢献したい」という想いで日々仕事をしています!

大学では農学部に所属していました。さまざまな講義を受ける中で生命現象の奥深さに心惹かれて、生命がどのような仕組みで維持されているのかを解き明かしたいと思うようになりました。

そこで、分子生物学や生化学中心の研究室に所属し、コレステロールなどの脂質恒常性維持に関わるトランスポーターの研究をしていました。

製薬会社を意識するようになったきっかけは、小児の神経系難病を研究されている先生との出会いです。ある学会でその先生との議論が盛り上がり、「君の研究が薬につながったら彼らの生活を変えるかもしれない」と目を輝かせながら語ってくださりました。

その姿に心を動かされ、薬のない疾患に対する新薬を創り、自身の研究を社会に還元したいと思うようになりました。

このときから、精神神経疾患に注力している会社に興味を持ちました。その中でも研究開発に力を入れており、最新の研究技術を取り入れているという大日本住友製薬に魅力を感じました。また、就職活動中に何人かの社員さんとお話ししましたが、穏やかながら芯の強い方が多く、会社の雰囲気が良いなと感じました。

入社してから現在に至るまで、精神神経系の薬理研究部門に所属しています。
薬の候補となる化合物を評価するために、病態モデル細胞や動物を用いた評価系を構築して化合物の作用を検討し、作用機序解明にも取り組んでいます。

薬理研究は、薬の有効性や適応疾患の決定に直結しますので、どのように進めることで担当テーマの魅力を広げられるか、日々考えながら研究を進めています。また、学会や論文情報などから新しい創薬テーマを立案することも重要な仕事です。

入社3年目までは、先輩社員とともにある希少疾患に対する創薬テーマの薬理研究を進めていました。特に印象深かったのは、入社直後に患者さんやご家族が参加されるシンポジウムに行かせてもらい、実際に薬を届ける方々と交流できたことです。

それまでは「新薬につながる研究をしたい」という意識でしたが、「創薬研究を通して患者さんたちの生活に貢献したい」という意識に変わりました。

20代でプロジェクトリーダーに。コミュニケーションを武器にチームを導く

▲当社では年齢や経験を問わず、熱意あるプロジェクトリーダーが多数います。

当社では、新薬創出を加速するためにプロジェクト制という研究開発体制を採用しています。

プロジェクトリーダーは、担当するプロジェクトに所属するメンバーを部門横断的に牽引し、プロジェクトを推進していくことが大きな役目です。

私は、ある神経変性疾患のプロジェクトリーダーを担当しています。

入社4年目に興味のある創薬テーマに携われるチャンスがありましたので、ぜひやりたいと上司に申し出ました。そこから薬理担当となって研究を進めていき、2019年からプロジェクトリーダーを担当しています。

社内のプロジェクトメンバーは15名ほどいます。私の所属する薬理部門以外に、化合物を合成する化学部門、化合物の体内動態や安全性を調べる前臨床部門、臨床試験をデザインする開発部門など、さまざまな専門性を持つ方々が集まっています。

プロジェクトリーダーとしては、ありとあらゆるデータをもとに日々メンバーと進め方を議論し、プロジェクト全体の方向性を考えつつ進めています。また、本プロジェクトは他社との共同研究で進めていますので、社外とのやり取りや議論も重要な役目です。

プロジェクトを進めていくとさまざまな課題が出てきます。各部門が自身の専門性に誇りを持って進めていますので、ときには意見が衝突することもあります。正解がない中でどのように舵を取っていくかは難しいところでもあり、やりがいのあるおもしろい部分でもあると感じていますね。

課題解決のためには、積極的にメンバーとコミュニケーションを取り、意見をもらうようにしています。そして、最終的には自分でしっかり考えて方針を発信するよう心がけています。

この経験を通して、年齢や経験を問わず、プロジェクトを前に進めたいという熱意を当社は大切にしていると感じています。
チームの中でも最年少ではありますが、20代のうちからリーダーを任され、自分の裁量で研究を進めることができるのはとてもありがたいです。また、メンバーや他社との議論を通じて日々さまざまな刺激を受けており、自身の成長にもつながっていると感じています。

研究者にとって非常に魅力的な環境が整っており、多くの方とともに研究を進めることができて、とても楽しいですね。

多様な考えを創薬に結びつける。オープンイノベーションの取り組み

▲研究者間のネットワークがオープンイノベーションには不可欠です!

私はプロジェクトリーダーの仕事と並行して、オープンイノベーション活動の一つであるPRISMで大学の先生方と新しい創薬標的を探索する共同研究を担当しています。

今進めている共同研究は「若手研究者共創型」というものです。一つの研究テーマに対して大学の若手の先生複数名と当社の若手研究者複数名で、実験や議論をしながら研究を進めています。

本研究は、脳内のある特定の細胞が神経変性疾患の病態にどのように関わっているのかを解明し、治療薬の創製へつなげることが目的です。私の大学時代の研究内容と近いところがあり、もともと創薬標的として興味を持っていたのですが、基礎的な知見が不足しているため、創薬標的として進めるには課題が多数ありました。

そこで、産学連携により基礎研究を加速させることで、病態改善に寄与する細胞の性質やターゲットを明らかにし、その壁を突破できないかと考えて進めています。

今までにない新しい創薬標的を探すことに主眼を置いていまして、得られた知見から新たな仮説を考えて検証していくプロセスに、研究者としてワクワクしながら進めています。

社内の創薬研究では効率やスピードに意識をおきますが、基礎研究では予期せぬ発見があり、そこから新しい展開へ広がることも多々ありますので、とても刺激を受けます。先生方との研究成果を創薬に結びつけられるよう、私も貢献していきたいと思っています。

また、一人の先生ではなく、複数の先生方と共同研究を進めていますので、いろいろな角度からの知識を吸収でき、研究者間のネットワーク構築などにも貢献していると感じています。先生方同士の議論は勉強になる点が多く、さまざまな学びを得ています。

比較的世代が近い先生方ですので、率直な意見が言いやすく活発な議論ができる点も良いなと感じています。

このように、当社は外部との共同研究を積極的に進めています。基礎研究の重要性を強く意識しながら創薬をしていますので、魅力のある新規テーマにもつながりやすいですね。

創薬の先を見据える。全ての研究は患者さんのために。

▲研究が好きという熱意と、ものごとを俯瞰的に捉える冷静さ、いずれも大切にしています。

もともと研究がとても好きで、実は就職活動中も会社に入るか大学に残るか悩んでいました。
しかし、一度会社で働いてみてから考えようと思い、入社を選びました。

入社して感じたこととしては、当社は想像以上に自由度高く研究を進めることができるという点、そしてさまざまな専門性やバックグラウンドを持つ方々と関わることのおもしろさに気づけた点があります。

今も研究は好きで、日々の実験や仮説を考え検証するプロセスをとても楽しんでいます。それに加えて、会社での創薬研究や他社、大学との共同研究を通して、多様な方々とコミュニケーションを取りながら、大きなことを成し遂げていく過程がおもしろいと感じるようになりました。

社内外の異なる専門性を持つ方と連携しながら仕事を進めることができるようになると、一人では実現不可能だったことが達成できるようになります。

入社を選んだ一つの理由もそこにあります。新薬を届けるという観点だと、会社に入って多くの方を巻き込みながら研究を進めていく方が実現に近くなるのではと考えていました。

特にプロジェクトリーダーの経験を通して、一人ではできないことが本当にたくさんあるんだなと痛感しました。私自身未熟な点は多いのですが、多くの人と連携し、支えあうことで、おもしろいプロジェクトを進められています。何度も議論して課題解決への道筋が見えてきて、メンバーで同じ方向を向けた瞬間は、何ものにも代え難い達成感を感じます。

また、私は仕事をするうえで、俯瞰的に捉えることを意識しています。目の前の問題に集中しがちになるのですが、一歩引いて「本当の課題はどこにあるのか」、「患者さんのことを考えるとどうするのがよいか」と考えるようにしています。

入社してから進めていたテーマは課題も多かったのですが、どうしても患者さんやご家族に届けたいという想いがありました。そこで多くの部門に相談させていただいた結果、課題解決の糸口が見つかり進めることができました。

今取り組んでいるプロジェクトに関しても、患者さんやご家族が行かれるシンポジウムには参加しており、常に創薬の先を意識するようにしています。そうすることで何か大きな課題があったとしても、最終的に届けたいという熱意を持ち、挑戦し続けることができるのではないかと考えています。