「何が起きているのか知りたい!」何気ない一言が今の道につながる

▲高校生の時の興味・関心が、現在の仕事に繋がっています!

私は大阪にある分析研究所で働いています。

研究の仕事に興味を持ったのは、高校3年生で生物の勉強をしていたときのことがきっかけです。細胞の中のある機能を勉強したとき、「あるタンパク質が働いている」と一言だけ書かれていました。教科書ではただの丸い図で表されているだけでしたが、「その丸いタンパク質の中で一体何が起きているのかを知りたい!」という想いを持ったんです。自分なりに調べた結果、そのタンパク質の細かい構造まで理解しなくてはいけないと気づきました。

「何が起きているのか知りたい」という欲求のもと調べていくと、そのタンパク質の構造研究をしている大学を見つけました。そして、その大学へ進学することを決めました。

こうして、「タンパク質の構造を知りたい」という欲求のままに進んでいたわけですが、そこから派生して「構造から現象を理解する」ということに興味を持っていることがわかりました。

またそれを仕事に活かせるという意味で、分析研究に興味を持ち、現在の仕事に就くこととなりました。

就職活動では、製薬だけに的を絞っていたわけではなく「構造を明らかにする」という研究ができる場所を中心に探していました。

当社に入社したのは、会社説明会で分析研究所の先輩社員の方に出会えたことが大きかったと思います。その方も大学時代に構造解析の研究をしていたので、「この会社でも構造解析の仕事ができる」、「構造解析をやっていた人が仕事で活躍できる場がある」と知りました。

また、自分の裁量が大きく、希望が出しやすい環境であるとも聞いた覚えがあります。

ほかにも、性格や雰囲気が自分に合う会社だなと感じました。入社して改めて感じましたが、優しく真面目で穏やかな方が多いです。また、やるべきことはちゃんとやりきる方が多いですね。

この会社に入ったら、ワークライフバランス良く働けるのではないかと思いました。

私は生まれも育ちもずっと北海道で、就職を機に関西へ行くことに不安はありました。ただ、この会社で研究したいという気持ちの方が強かったですね。

また、社宅制度が充実していることも大変ありがたいです(笑)。

効率の良いデータ活用が強み。限られたリソースの中で品質を担保する

▲さまざまな部署と協働することが、当社研究職の特徴です。

2021年現在は、治験薬の品質管理という仕事をしています。
具体的には、創薬後期段階から開発初期までの化合物について、物性評価や分析試験法開発を行ったり、GMPに則った治験薬の製造対応をしたりしています。また、他部門からの固体物性評価や構造解析などの依頼分析も担当していますね。

治験薬に関する仕事の具体的な例を挙げると、治験に使う薬の中に不純物がどれくらい入っているのか、溶けやすさはどうか、保存によってそれらがどう変化するのかを分析しています。それらに対してさまざまな分析技術を駆使して分析を行うことで、治験薬の品質が保たれているかを調べています。

私は治験の初期段階までを担当していますが、分析研究所では治験の後期段階から、商用化につながる承認申請段階にも関わります。また、他部署で品質上のトラブルがあった時に、分析研究所の持つさまざまな分析技術を利用し、原因究明のために支援をすることもありますね。

治験薬の品質管理をするという面では、限られたリソースの中で、行える実験量も限られています。そういった限られた環境の中では、いかに効率よくデータを取得して、治験薬の品質を担保していくかが重要になってきます。当所の強みはそういった部分をうまく工夫している点です。

また当社の分析研究所は、さまざまな部署と協働することも特徴です。

例えば私が所属するグループは、物性面から原薬形態を開発するため、有効性や安全性の面から薬理研究や薬物動態研究の方に相談することがあります。そのため、創薬初期段階のテーマにも関わる機会もあります。

また、開発化合物が選定されて治験の初期段階に進むと、創薬後期を担う、プロセス研究所・製剤研究所と協働します。

さらには、初期段階の開発では関わることのない生産本部や(海外子会社である)サノビオンからの依頼を担当することもあるのです。

また、再生医療を行っている企業が少ない中で、分析研究という立場から再生細胞医療に関わることができるというのは、当社の分析研究の大きな特徴かもしれません。

仕事の根底にはあるのは人の想い。「分析」を通して感じるやりがい

▲新たな分析手法を生み出す「分析研究者」が理想の姿

やりがいを感じるのは、「未知のモノがどういった性質を持っているのかを明らかにできたとき」ですね。また、分析をする上で、その化合物に特化した分析試験法を用意する必要があるため、「分析法をイチから創り出す」という楽しさもあります。

「分析の仕事」に対するイメージは、決まりきった分析をして、決まりきったものの割合を出すというものが多いかもしれません。しかし、実際の仕事は「どうすればそれが検出できるのかわからない」という状態から始まります。

その「よくわからないもの」を検出するために、どのような実験系を組んだら良いか、どのような装置を使い、どのように実験を行ったら良いかを考える仕事です。
つまり、新たな分析手法を生み出すわけですから、「分析者」ではなく「分析研究者」になるんです。

基本的には、既存の技術の組み合わせや、条件を変えて創り出すことが主になります。それでもうまくいかない場合は、何か新しい技術を開発することも必要になるので、発想力も重要です。

治験薬の分析研究では、大学でやってきた研究活動と比較すると、とても幅広い種類の分析技術を使っています。ですから、それらを一つひとつ学ぶことで、新たな知見を広げることができるのです。

そして、できたら良いなと思っていたことに対して、「こういうのを使うとできる」、「これを組み合わせたら良いのではないか」というアイディアにつなげていくことができます。

新しい分析手法を作り出すことは簡単なことではありません。

しかし根底にあるのは、分析研究をしている人たちの「もっとこういうことができたら良いのにな」という想いや、製造部門の方たちの「こういうものが分析できたら良いな」というニーズに応えたいという想いです。日々勉強をしながら新しい技術を考え、創り出しています。

自分の工夫により分析できた瞬間にはやりがいを感じますね。それが依頼されたものであればなおのこと、「誰かに貢献できた」という想いを持つことができます。

若手を信頼してくれる環境、「なんでもできる人」を目指し努力を続ける

▲「なんでもできる人」を目指して、「自分で考えて動く」ことで成長していきます!

治験薬の分析研究を行う上で、もちろん大変なこともあります。それは、GMPという医薬品を作る上でのルールをきちんと遵守しながら実験を行い、資料作成をすることです。学生時代の研究業務では、なかなか経験してこなかった部分ですね。

また、医薬品の開発段階では、化合物の性質に関して十分な情報がありません。限られた情報の中で科学的見地から考察し、いかにして品質を担保できるか考え、実施することを心掛けています。これは、初期段階の治験薬の品質管理を担う立場だからこそ、非常に重要なことだと思っています。

今後の目標は、「なんでもできる人」ですね。

私が入社した時に、チューターだった先輩がロールモデルです。その方は私より10歳ほど年上ながら、現役で実験を熱心にこなし、かつ治験薬の製造対応などの書類業務も真摯に行っていました。まさに、両輪駆動型タイプの方なんです。

その方のように、分析研究所のメイン業務である治験薬の品質管理をしながら、新しい技術の開発などのチャレンジングな研究も並行してできる人になりたいと思っています。

さらに上の目標としては、社内の評価だけでなく社外からも、「大日本住友製薬の奈良井は構造解析が非常に強い」と言われるような研究者になりたいです。

そのためには、チャレンジする努力を厭わない、とにかくやってみることが大切だと思っています。常に新しいことを受け入れ、自分のできる範囲を広げるよう絶えず努力を続けていきたいと思います。

新しいことを知ることで新しい発想が生まれ、そこから良いアイディアが生まれるきっかけになると思いますし、自分のキャパシティを広げることで、数多くの業務をこなせる「なんでもできる人」になれると考えています。

これは私の中で5年10年先の目標と捉えています。会社生活は何十年もありますので、最終ゴールはまだ見えていませんが、まずは5年10年後の目標を達成していきたいです。

加えて、この会社の環境は私に非常に適していると思っています。とくに部署の上司は、私の自主性を尊重してくださいます。もちろん、私がいきすぎたときや間違えた時はアドバイスをくださるのですが、基本的には若手を信頼して任せてくれる風土があるんです。

非常に丁度良い塩梅で仕事をすることができています。私自身、自分で考えて動くことが好きなため、自分の肌に合った環境で仕事ができていると思っています。

この環境の中で自分の目標を達成し、より良い医薬品の開発に貢献していけるよう、努力を続けていきたいと思います。