派遣スタッフとして始まり幾度のロールチェンジを経て18年。ライフもワークも楽しむ
2005年、派遣スタッフとして当時のデル(現:デル・テクノロジーズ)へ入社しました。
下の子どもはまだ9カ月で、子育ての真っ最中。保育園がすぐに決まり、慌てて就職先を探し始めたときに派遣会社から、デル・テクノロジーズがCFIサービス(※1)のプロジェクトアシスタントを募集していると紹介されました。前職の情報システム部門でCFIサービスを活用しており、しくみなどに大変興味を持っていたのですぐに応募したんです。それが運命の出会いでした。
派遣社員としてCFIのプロジェクトマネジメント(PM)のアシスタントに就きました。その後、正社員登用のお話をいただいたときは、2人の子育てと両立して責任が持てるか不安もありましたが、サポートしていただけるという言葉を受けて正社員になりました。
数年後、アメリカで展開されていたOEMビジネスが日本でも始まることになり、新規事業に携われるチャンスに異動を希望。OEM組織では日本、アジアパシフィック、グローバル……。と、さまざまなリージョンを担当しました。また、PMから営業へとコンバート(職種転換)する機会にも恵まれました。そしてまた、2022年にはアカウントマネージメントサービス部への異動希望をかなえました。
アカウントマネージメントサービス部の仕事は、私にとってキャリア初となるポストセールス領域へのチャレンジです。当社の製品およびサービスをご利用いただいているお客様に対して、デル・テクノロジーズへ投資して良かったと思っていただくために、システムの安定稼働に向けたプロアクティブなアドバイスやご提案・各所との調整を行います。知識と経験の幅広さ、そして柔軟なコミュニケーションスキルが求められます。
もうすぐ入社19年目を迎えますが、常に新しいことに取り組めるおかげで毎日お仕事が楽しくて仕方ありません(笑)。子育てを終え、今は孫育てをしながらライフもワークも楽しんでいます。いつまでもイキイキとした女性であり続けたいですね。
※CFIサービスとは:当社のパソコン生産工場にてお客様仕様のカスタマイズ設定を行った状態で、お客様へ製品をお届けするサービス。お客様側の作業やコストが削減できる。2023年4月現在はコンフィグレーションサービスと呼ばれている。
お世話になった会社への恩返し──悩める若手へライフワークアドバイス
長くお世話になった会社に対して、私ができることを返していきたい──
さまざまな経験をさせてもらい、そして50代を迎えた今、自然とそう感じるようになりました。私が経験したこと・学んだ知識を若い人たちへ伝えたい。彼ら彼女らの不安を少しでも自信に変えて、背中を押してあげたい。そう考えています。
周囲には、私はパワフルな人だと思われていますが、仕事を辞めたいと思うことは何度もありましたし、辞表をカバンに入れて渡す日をうかがっていたこともあるんですよ(笑)。
2000年代後半、フルタイムで働くママはまだまだ少なく、葛藤を抱いていました。フレキシブルな働き方が認められていたので、時間休を活用して子どもの授業参観に行ったり、朝は本の読み聞かせを行うボランティアを行ったり……。子どもたちと一緒に過ごす時間の総量は足りなくても、時間の質にはこだわっていましたが、それでも学校の先生から「もっとお子さんとの時間を作ってください」と指摘されて悩んでしまうことも。
仕事を辞めたほうが良いかと子どもたちに聞くと、「寂しくないよ」「仕事を辞めて家にいてほしいなんて思ってないよ」と言ってくれたので、「働くママの決断は間違えていないんだな。このまま頑張ろう!」と思えました。子どもたちの方から、仕事を続ける私の背中を押してくれたんです。
仕事と家庭・子育ての両立は、特別なことではないと思っています。
ただ、私が心がけていたことは、感謝すること。
子どもを持たせてもらうことへの感謝、お仕事をさせてもらうことへの感謝、その立場にいられることへの感謝です。誰しも望めばかなうということではありません。子どもがいたとしても、チャンスを与えてもらってポジションに就ける。サポートをもらいながら責任ある仕事ができ、わが子の成長も味わえるなんてありがたいお話です。
あとは、やりたい気持ちがあって動いてみれば、意外と成せるものなんです。はじめは戸惑うかもしれませんが、仕事だって子育てだって、完璧である必要はありません。頼れる場所が必ずありますから。上司やチーム、自治体の制度や保育園などをフル活用すれば良い。周りに頼っていけば、自分の中で最適なバランスも見つかるはず。子どもも、私も、楽しむ。それに尽きますね。
カルチャーコード「Customer(カスタマー)」の実践
デル・テクノロジーズ生活を一言でまとめるなら、“なせば成る なさねば成らぬ なにごとも”ですね。
どのロール(職種)にいたとしても、納得いかないことには意見してきましたし、社内のルールや方針に対して「どうしてこうなんだっけ?」「こうした方がもっと良くなるのに!」と、気づいたことはいつも改善してきました。納得できないことはお客様に対しても説明がつかないですし、自分が抱く不満や疑問は、案外みんな持っているものです。
お客様も、チームメンバーも、そして自分も、みんながハッピーに働いてほしいと思いませんか?だったら腰を上げてアクションした方が良いですし、デル・テクノロジーズではそれが奨励されています。
当社がすばらしいと思う点のひとつに、リーダーたちがメンバーのアイデアをサポートしてくれる点が挙げられます。その提案や改善によって市場全体へどんなインパクトが生み出されるのか、デル・テクノロジーズにとってどんなメリットがあるかなど、取組みによる影響範囲の大きさは問われますが、メンバー発信を起点に全体を改善していくことができます。
入社間もないころにUS本社と掛け合って日本発でCFIサービスの改善を実現させたり、海外の工場に出向いて直接交渉して日本のお客様向けにOEM製品の品質改善を行ったり、その後もいくつものプロジェクトを立ち上げてきました。
当社のカルチャーコードにCustomer(お客様)がありますが、私自身、このカスタマー視点でデル・テクノロジーズの仕事がより一層楽しくなったように思います。
PM時代から、お客様には「〇〇をやってほしいと思っていないですか?」「△△もやったほうが良いですよ!」と、提案型のコミュニケーションを取っていましたし、いざ営業になってからは、パートナーというスタンスを意識していました。半分はデル・テクノロジーズの社員で、もう半分は担当するお客様の会社の社員のような、中立的な立場です。ご要望をなんでも受け入れるのではなく、ワンチームとしてときには反発も恐れず、お互いに納得するまで議論し合い、お互いに適切に要望する。
「今までとは違うスタイルの担当営業がやってきたぞ」と、感じられたお客様もいらっしゃったかもしれません(笑)。ですが、だからこそ強固な信頼関係が築けたと思っていますし、担当を離れた今でも、当時のお客様のことは苦労や喜びを共有した同士のように感じています。
グローバルスケールで楽しみの軸を増やし、やりたいことをつなげていく
当社には向上心ある人たちが集まっているので、新しい組織へ移るたびにパワーがあって情熱溢れる人たちと出会い、モチベーションにもつながっています。プロフェッショナルだからこそ、自ら提案・改善できる人が多いです。
また、国を横断する立場やプロジェクトに就いて学んだことは、グローバルカンパニーで働くことの味わい深さ。日本にいるとつい、私たち(日本)がスタンダードだと思ってしまいませんか? でも、商慣習や意思決定のプロセスなど、グローバルな視点で見ると日本はとてもユニークな存在なんです。
自分たちを外から見つめ、捉え直すクセを日常生活から身につければ、この環境はもっとおもしろくなると思います。国をまたぐ異動のチャンスもありますし、自分の視野や可能性を広げる上でも他国の動向や情報をつかむことを意識することをおすすめします。そんな姿勢で仕事をすると、チャンスとチャンスがつながって、もう一段上の楽しさがきっと訪れるんです。
「キャリアを楽しむ」とは、楽しめる軸が増えていくことではないでしょうか。自分のできることが増え、お客様との関係性が深まっていく。情報をシェアして誰かの役に立ったり、メンバーの新たな門出やチャレンジする姿を見たりと、楽しい瞬間はどんどん増えていくのです。
そして、昔は気になっていたことが気にならなくなる(笑)。自分に対しても、誰かに対しても、「大丈夫だよ!」と言えるから。積み重ねてきた経験から「それくらいだったら大丈夫」とわかるんです。“それくらい”の幅が、経験とともに広がっていく感覚です。
私自身、30代前半まではとにかくいろんなことを吸収したくて必死に仕事をしていたように思います。30代後半から40代後半へなるにつれ、物事の向き合い方も変化し、同時に楽しみ方も刻々と変化していきました。次はどう変わっていくのか楽しみです。
仕事では若手育成や私自身の知識の還元といった形で会社へ恩返しをし、プライベートではNPO法人を立ち上げて社会に貢献していきたいとも考えています。どの年代の人たちもライフもワークも楽しんでほしいです。
今抱えている悩みやストレスをずっと抱え続けることはありませんし、「あのときは若かったな……(笑)」なんて言える日が必ずやってきます。失敗や葛藤を懐かしむ日が来るまで、チャレンジそのものを楽しめばいいんですよ。