ダイバーシティを受け入れる土台を作った留学生活

▲卒業式とキャンパス。また、一時期お世話になったホストファミリーと姉との1シーン

──海外大学進学の背景と、アメリカ生活を経てどんな変化があったかを教えてください。

小野 「通っていた高校に交換留学のプログラムがあり、留学生との交流や、留学へ行った同級生の影響を受けて、自然と海外大学への進学を意識するようになりました。手に職をつけたくて、コンピューターサイエンスを専門に選びました

大きな変化は、多様性を受け入れるようになったことと、他人の目を気にしなくなったこと。“空気を読む”という言葉がありますが、誰にどう思われるか気にしないことは心地よく、楽だと気づいたんです。過度に他人の目を気にせず、時にはうまく流すことで良い関係性を築ける場合もあります。このコツを覚えてからは、バックグラウンドが異なる人たちが集まるコミュティに属しても、円滑な人間関係が築けているように思います。また、離れた場所にいるからこそ、日本社会の在り方や文化への誇らしさも感じることができました」

──日本へ帰国したきかっけは?

小野 「ボストンキャリアフォーラムで外資のハードウェアベンダーと出会い、その日本法人へ就職しました。日系企業も受けましたが、外資企業のほうが合っていると感じたんです。アメリカには誰がどんな意見を持っていても尊重する文化があり、そういうカルチャーや、ダイバーシティが理解されている環境が心地良かったんです。

システムエンジニア(SE)として就職したSI事業部の仕事はとてもハードワーク!クライアントの期待値も高く、拘束時間も長い。システムの導入フェーズで3日間徹夜になり、もう無理だと思ったことも(笑)。SEとして2年働いた後、テクニカルセールスサポート部門へ異動しました。現在のデルでの職種・テクニカルセールス(通称TSR)とも似ていますが、このときは完全にバックオフィスの仕事。柔軟な働き方ができ、産休に入るまでテクニカルセールスサポートとして9年働きました」

働きやすさでデルを選んだ。子育てを通じて感じた、次の世代にかける想い

▲親族の結婚式にて(余興でダンスをした娘と)

──働きやすい環境だったにも関わらず、どうして退職されたのですか?

小野 「実は産休中に所属先事業部の一部が他社へ売却され、部門が縮小。復帰後はどこか違う部署へ異動しなければならない状況になったんです。SEとしてフロントの最前線に立つ可能性もあり、子育てをしながら以前のようにハードワークをこなせるかどうか……。また、私自身がそこまでしたいかどうかという点を考え、育児に専念することを決めて退職しました。

当初は子どもが幼稚園に入ったら働き始めようと思っていて、がっつり休むつもりはなかったんです。でも、幼稚園に入っても手が離れるわけではありません。行事が豊富な幼稚園だったこともあり、ここはもう少し育児のときだと決めて、仕事再開の時期を遅らせたんです。小学校入学のタイミングでキャリアを再開することにしました」

──なぜデル・テクノロジーズを選んだのですか。

小野 「子育てしながらであれば、外資企業のほうが働きやすいだろうなと。また、前職と同じアメリカ企業が馴染みやすいだろうとも思いました。ソフトウェアの企業や情報システム部門のポジションなど、複数のオファーをもらいましたが、同じハードウェアメーカーへの復帰が最も早くキャッチアップできるとも感じました」

──再就職後、仕事はすぐに慣れましたか。

小野 「不安もありましたが、いざ働き始めるとすぐ慣れました。前職とは担当製品(領域)が異なるので、新しい知識の習得は必要ですが、基礎的な知識は持っていましたし、『そうそう、働くってこんな感じだったな~!』と(笑)。自然と思い出すものですね」

──外資IT企業を2社経験し、デルの特徴は何だと感じますか。

小野 「一番の特徴は、『女性が働きやすい環境づくり』に注力している会社だということ。ときに女性社員向けのメッセージは、(女性を)特別視してほしいようにも感じられるときがありますが、デルでは、発信する側の女性も役職者に限らず現場社員が多いので、自分事化しやすいんです。

出産・育児を経て、また、この年齢になって変化したことも重なり、会社としてがんばっている環境づくりに今は私自身が後輩世代のために貢献したいと感じているところです。ERG(従業員リソースグループ)のひとつであるWomen In Actionにも参加しています」

キャリア再開で変わる価値観。大切なのは、相手の立場に立つこと

──仕事を再開されてから、何か変化はありましたか?

小野 「昔から私はバリバリの上昇志向を持つタイプではなく、現状を大切にしたいタイプでした。機会があればプロモーションにもチャレンジしたいですが、まずは今いる場所でやれることをがんばりたい。復帰した当初も実は、細く長く続けられれば良いなと思っていたのが本音です。でも、そんな考えも変化しました

普段から上司との1on1が多く、社員同士の接点も多い環境。周りのメンバーを見ていて、『せっかく1日の内8~9時間を費やすなら、私も長期的な目標を持ってやりたいな』という気持ちに変わったんです。

具体的に決めきってはいないですが、グローバル案件にもっと携わりたいと思っています。APJ各国のメンバーから刺激を受け、視野を広げて、新しい出会いを大切にしたい。現在のTSRのポジションを続けるにせよ、他のロールに異動するにせよ、自分がやりたい仕事にチャレンジしていきたいですね」

──入社1年目でTop Sales Performerを受賞されていますが、仕事で大切にしているのはどんなことですか?

小野 「相手の立場に立つことを大切にしています。それは対お客様でも、対社内であっても、です。TSRの仕事は個人ワークではなく、お客様の課題に対してワンチームで取り組む仕事。自分がやることをやっていればOK、というスタンスでは成り立ちません。チームメンバーに、私がチームの一員で良かったと思ってもらえるように努めています」

仕事も子育てもどちらも諦めない。若い世代には「欲張り」な人生を歩んでほしい

──再就職した今、チームにいる若いメンバーに向けて感じることや伝えたいことはありますか?

小野 「人生の岐路に立ったとき、これかあれかというどちらか一方の選択ではなく、両方手に入れることを目指してほしい。欲張りになってほしいと思います。どちらかを諦める必要はないですから。

育児であれば、会社の制度・行政の制度など使えるものは使って……(笑)。家族や友人、地域社会など頼れる人には頼りながら、欲張りな人生を歩んでほしいです。私自身、仕事から数年離れても、今またこうして復帰できています好きなこと、やりたいことに素直であることが大切だと思いますね。

会社を辞める際、また戻ってこられるのかと不安もありました。でも、悩みながらの状態だと結局中途半端になってしまうそのときどきで一生懸命でいたからこそ、6年間、子どものために全力でいられました

まだ起きていない出来事まで杞憂すると、気力も体力も消耗して大変(笑)。まだその段階になければ考えたってわからないことも多い。考えすぎないことが大事!

いざそのときが来れば、選択肢も、自分の状況だって変化していることもありますよね。無計画はいけませんが、悩んでいたことって意外となんとかなることもある。悩みながらしがみつくことだけが正解ではないとも感じます。『今は〇〇のとき!』と決めて進むほうが、すっきり前に進めることも

たとえブランクがあっても、また働くことはできます。宣伝になってしまいますが、当社はブランクがある方も採用していますし、フレキシブルな働き方ができるので働くママにはおすすめ。私も今は小学校で委員を務めているため、日中に時間調整して働くこともあります。キャリアか家庭か……。と悩んでいる方がいれば、どちらも叶えられるよう欲張りになってほしいと伝えたいです」