人事本部長が語る、今のデル・テクノロジーズ

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デルはダイレクトモデルでビジネスをスタートさせ、拡大してきましたが、決してそれだけではありません。その後何度も変化しています。特に2000年以降はM&Aを通してポートフォリオの幅を広げ、今はITプラットフォームからソフトウェア、サービスまで提供する総合ITソリューションベンダー。現在はソリューション提供がビジネスの主軸となっています。

ビジネスの変革に伴い、社員に求めるコンピテンシー(行動特性)も変わりつつあります。非常におもしろいフェーズです。

デルの歴史をお話すると、創業時はパソコン分野で先駆者たちを追い越す夢から始まり、世界トップクラスのシェアを獲得。そしてハードウェア市場にとどまらず、ITサービス市場へ参入しました。サーバ、ストレージとネットワーク、ソフトウェアなどポートフォリオの幅を広げ、ソリューションとして企業に提供できるようになりました。

2016年には世界最大規模のストレージベンダーであるEMCと合併。現在は ハイブリッドクラウド、エッジ、5G、AI/ML、データマネジメント、セキュリティーの6つを重点領域として製品・ソリューションを開発しています。

そうした事業変革の中で、活躍する社員たちに共通することは、常に好奇心を持っていることです。テクノロジーという業界特性もありますが、新しいことにチャレンジする、新しいやり方にトライしてみるなど、学び続けることへの好奇心が必須です。私たちは社会に変革をもたらすリーディングカンパニーを目指しているので、個人としてもその姿勢が大事です。

次に関係を築くコミュニケーション力。お客様のニーズが多様化していることで、それぞれの課題を解決するためにはステークホルダーが増えます。社外ではクライアント企業内の複数部門やパートナー企業、社内ではチームメンバー以外にも技術のスペシャリストなど。誰と向き合うにせよ良い関係を築くコミュニケーション力は必須です。

あとはパッション(情熱)ですね。内勤・外勤営業、プリセールス、コンサルタント、テクニカルサポート、マーケティング、リクルーター……どの職種でも、その分野に対するパッションが強い人ほど自ら進んで道を切り拓ける。イニシアティブをとれる人、オーナーシップを持って物事を進められる人が抜きん出ていると感じます。

出身業界は関係ありません。経験のダイバーシティ、考え方のダイバーシティが大切。相対するお客様がIT担当者だけに留まらない今、お客様の真のパートナーになるためには「ビジネスそのもの」を考える力が求められるからです。


チャレンジを促すデルの仕組み

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デル・テクノロジーズでは、Job Showcaseという社内向けの職種説明会を定期開催しています。同じ会社であっても、部署が異なれば業務について詳しく知る機会は少ないですよね。世界中でビジネスを展開するデル・テクノロジーズの中に、どんな仕事があるのか?その部署でどんな技術を扱っているのか?まったく違う仕事もあれば、似ているけれどタイプが少し違う仕事など、さまざまな可能性があるわけです。

この説明会を通して、社員それぞれが自分の望むキャリアを描くきっかけとなるように現場主導で開催しています。すでに延べ1,000人が参加していますよ。話を聞いたりセッションへ参加したりしてみて、エントリーしないことも選択肢のひとつだと思います。こういった機会を活かし、自ら積極的に動ける人がデルという環境を楽しめる人ですね。

外資系企業の多くはポジション採用ですし、意外だと言われることも多いですが、Internal Promotion (社内異動/昇格)も活発です。現在は特に、ここ数年のなかでもInternal Promotionに注力しています。この下半期は転職による入社者よりも社内昇格者のほうが多かったほど。

ひと昔前までは、キャリアパスがない、社内異動できないといった声がありました。クチコミサイトなどでは、インサイドセールスから外勤営業にキャリアチェンジしにくいといった投稿も見られます。当時は、マネージャーが異動したい部下を引き留めてしまうことも散見されました。そうなるとメンバーが自分の希望を伝えられず、結果的に辞めてしまうという悪循環が起きてしまいます。

会社としてこの状況を深刻に受け止めました。組織単位で社員を捉えるのではなく、会社として活躍してもらうことを優先しようと。マネージャーであっても役員であっても、やりたいことがある個人を止める権利は誰にもないですから。

役員会で話すトピックの半分以上は「社員の昇格」についてです。それくらい重きを置いています。ビジネスが変革する中で、どのように社員一人ひとりに一段上の仕事をやってもらうかは経営の重要課題です。

こういったことは、ポリシー策定やツール導入だけでは現場で機能しないこともありますが、私たちは役員レベルで変革を推進することにコミットしています。たとえば、Tell Dellと呼ばれる全社サーベイが年に1度あります。社員が回答し、会社とリーダーたちのスコアが可視化されます。結果によっては役員が現場に関与しますし、会社の改善点は全社向けに発表し、その後の活動報告も発信していきます。

サーベイ結果を見ると毎年、キャリアをテーマに挙げる社員が多くいます。成長意欲が高い人が多いなと感じます。会社としてもキャリアディベロップメント(キャリア開発)のための投資にコミットしています。人事の中にマネージャートレーニングを専任とするメンバーがいたり、営業組織の中にもセールストレーニングを担うチームが存在したりします。教育に投資している環境だから、IT知識がない未経験の中途入社者も活躍できています。

研修環境も整っています。Dell Technologies Learning Studioでカリキュラムを選び、オンラインでいつでも受講可能。業務や学びたいものに合わせて、必要なときに必要なものを自分で選択できる点が好評です。


「柔軟性が高い」環境で築く、自らのキャリア

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デルのカルチャーや社風を表すなら、まずは「柔軟性が高い」。例えば、昨年10月に大手町に本社が移転したのですが、担当業務の特性によっても異なるものの、出社は上司と相談の上で必要な回数だけ、というように柔軟な働き方を実践しています。決められたルールで縛りすぎるのではなく、個人の裁量に任せる文化があります。

日本法人は3,000名規模ですが、世界に180以上の拠点があり従業員も16.5万人以上います。まさに「ビックカンパニー」。デルの中に可能性がどこにでもあると言えます。人事システムを介して世界のあらゆる拠点のポジションが確認でき、応募できます。

会社都合で突然辞令が出たり、自分の意志とは無関係に突然キャリアが変わることも基本的にはありません。今の職務にいながら、他の分野に興味があれば自分でキャリアを探索してステップアップに挑戦できる。自分のキャリアは自分で作るんです。Drive your career。私たちがよく使うメッセージです。

当社が「キャリア公募制」ということもありますが、キャリアを築くためには、まずは自分が何をしたいのかを知ることが大事ですね。そのうえでマネージャーへ伝えれば、組織としてサポートしていく環境です。

他の外資系企業と比べて、デル・テクノロジーズはエシカル(倫理的)な企業だと感じます。「世界で最も倫理的な企業*」として9年連続で認定されている実績からも証明できます。カルチャーコードに「インテグリティ」(誠実さ)がありますが、誠実であることがデルのビジネスの基本とされていて、社員それぞれのコアコンピテンシーにもなっていると言えます。

*米国のシンクタンクEthisphere Institute(エシスフィア・インスティテュート)が 選ぶ、「World’s Most Ethical Companies®」

CEOやグローバルのボードメンバーが定めた方針がありますが、それを踏襲しつつ各地域に合わせた戦略を取るのも弊社の特徴です。特に今、日本は重要なマーケット。日本には日本に合ったやり方を採用する必要があります。いちばんお客様を知っているのは日本の現場です。デルのカルチャーコードに「カスタマー」(お客様)がありますが、カスタマーファーストも当社で求められる姿勢です。


「カスタマーダイバーシティ」に必要なのは「カスタマーファースト」の視点

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私たちのお客様は、個人事業主から日本を代表するビックカンパニーまで幅広い。いわばカスタマーダイバーシティに対応する必要があります。お客様のフェーズに応じて、課題も目指したい未来も異なります。最先端のテクノロジーで劇的な変化を求めるケースもあれば、一歩ずつ着実に変革を進めたいケースまでさまざま。やっぱり必要なのはカスタマーファーストの視点ですね。

売りたいものを売るのではなく、カスタマー起点でお客様と一緒に未来を描ける人が求められます。少しのストレッチの連続がボリュームを帯びてくれば、日本マーケット全体で大きな変革になると信じています。

そんなビジネス環境のなかで、デルという大きな場所を活かしてキャリアを作っていくことはとても楽しいと思います。