業務を超えたつながりとインパクトを生み出す── “ERG”(Employee Resource Group)
デル・テクノロジーズでは、ERG(Employee Resource Group)への参加と取り組みを推進しています。環境問題や異文化理解などのテーマごとにグループが存在し(※1)、世界で5万人以上の社員がなんらかのグループに所属しています。同じ興味関心をもつ者同士が集い、社内イベントや社外パートナーと連携したボランティア活動を行うことで、業務以外でも世の中へインパクトを与えていくことができます(詳しくはこちら)。
※1 Dell Technologies全体では13個、Dell Technologies Japanでは7個のグループが活動しています
クロスERGイベントで“多様性”を考える
2022年12月某日、複数のERGが集うコラボレーションイベントを開催しました。テーマは「“Discover Diversity” 多様性を認め合う職場環境を考える」。
キーノートスピーチは、発達障がい・知的障がいの当事者でもある、キャリアサポートセンターの新濃 彩花さん(※2)。
※2 障がい当事者向けの研修型雇用プログラム「キャリアサポートセンター」の東京開設1期生として入社し、1年間のプログラムを修了後、現在はそのプログラムのトレーナーとして、2期生への講座実施やOJT支援に携わっています
外見上、あるいは少し接しただけでは“障がい当事者”だとわからない新濃さんですが、だからこそ「障がい者に見えない」という“言葉そのもの”に疑問を抱くと課題提起してくれました。
「障害者だから」「女性だから」「若手だから」「日本人だから」……と、何の気なしに相手のことを属性(ラベリング)で捉えていませんか?
ラベリングで人を見ること・接することを変えていきたい──
たとえ自分が気にしなくても、周囲が気にすれば“制約”が生まれてしまう。
ひとりの意識では変えていけないから、みんなが多様性を認めあう環境をつくっていきたい──
そんな新濃さんのキーノートスピーチのあと、True Ability(障がい者支援)、Women In Action(女性支援)、Mosaic(異文化理解)、GenNext(次世代支援)の4つのグループのリーダーたちを交え、新濃さんの投げかけをテーマにディスカッションしました。
「新濃さんの問いかけで、自分の無意識の意識(アンコンシャスバイアス)に気づきました。仕事する上でも、プライベートでも、誰かと会うたびに相手のことをラベリングして見てしまっているように思います。ERGのグループだって、ひとつのラベリングが発生しているとも言えます。こういった機会を通して、無意識を知るきっかけを増やしたいです」(True Abilityリーダー)
「“ダイバーシティ”という言葉のトレンドも相まって、最近では“女性”という切り口に対する感覚も徐々にアップデートされている印象がありますが、職場や業務上で、『多様性は当たり前だ』という意識がもっともっと自然な形で醸成されてほしいと感じます」(Women In Actionリーダー)
次世代の育成・支援に取り組むGenNextからは、「年齢にとらわれず、個人の考えを生かして活動していく必要がある」といった話も出ました。
「“若者”を考える際、若者だけで構成される中で考えるのではなく、さまざまな年齢層が集まる集団のなかで“若者”というラベリングを考えることが大切かなと思います」(新濃さん)
「ダイバーシティが進んでるチームほど、個性豊かに、成果も出している」という実際の事例もシェアされました。
ディスカッション後半では、相手の感じ方を理解しようとする姿勢が多様性を認める原点ではといった意見が出ました。
「相手から反論を受けなければ、自分と同じ意見を持ってくれている・賛成してくれてると思いこみがち。はたして自分の意見を押し通していないか、改めて意識したい」(True Abilityリーダー)
言語、伝え方、受け取り方、は人それぞれ。得意なコミュニケーション手段も異なります。「相手に合わせた手段を選んであげることも必要だと考え、コミュニケーションを取る前段のコミュニケーション」を心がけているといった工夫もシェアされました。
“個”を大切にする中での「組織マネジメント」とは
IT業界全般に男性社員の比率が高く、特にその傾向が強いのがエンジニア職。チームメンバーが全て男性、30代以上、既婚者……といった共通項で括れる場合、つい、ひとつの箱に入れてしまてしまうことも。
たとえ共通項が多くても、一人ひとりを際立たせ、その人に合った働き方・パフォーマンスの発揮のさせ方や成長・個人の幸せを考えてマネジメントされることが、社員にとっては働く喜び、やりがいにつながってきます。
「ラベリングを課題として捉えると、“レッテルを張らないで”とも聞こえますが、あえてラベリングをポジティブに変換したい。パーソナルブランディングとして、ラベリングを武器に個性を輝かせることはできないでしょうか。分類に拒絶を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、“個性”として自分自身で認め、ポジティブに受け入れる。その上で『私は女性だからxxxです』といった形でアピールして周囲が認めあっていきたいですね」(Women In Action)
マネージャーが本人自身も気づいていない個性(強み)に気づき、メンバーひとりひとりの存在感を強めていくことは、チームの強さにもなります。
多様性を認めあえるワークプレイスについて考える今回のイベントは、ラベリングによる固定化した見方への気付きと、ラベリングを武器にしたセルフブランディングへの変換を誰もが実践した先に、個性が認められるワークプレイス(職場)が生まれるというお話で締めくくられました。
今後も、ERGの取り組みやクロスERGイベントを開催していきます。
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