大切なのは「新しく建物を建てる」ではなく「すでにある建物をどうしていくか」
2014年に大和ライフネクストに新卒で入社し、現在はリノベーション課で課長を務める眞鍋。これまで歩んできたキャリアには一貫して「まちづくり」への想いがあります。
「私はもともと人と話すことが好きで、学生時代には商店街のイベントで毎年かき氷作りを手伝うなど、 幅広い年代の人と関わることができる地域のコミュニティや空間に魅力を感じていました。そこから自然と『まちづくり』の分野に興味を持つようになり、大学から大学院まで空き家・空き店舗などの地域にすでに存在する資源を活用して町おこしをする『リノベーションまちづくり』をテーマに勉強・研究を行いました。
就職活動の際には、『新しく建物を建てる』ことではなく『すでにある建物をどうしていくか』に携わることが地域をより良くしていくことにつながるという考えが軸にあったので、新築ではなく既存の建物に関わる仕事がしたいと考えていました。そこで出会ったのが、不動産管理会社の大和ライフネクストです。『リノベーションまちづくり』の考え方に欠かせない、不動産の維持や管理の知識を身につけられることと、選考で出会った社員の人柄の良さに惹かれ、入社を決めました」
入社後、工事企画推進課での勤務を経て、2021年に現在のリノベーション課に配属された眞鍋。2022年からは課長を務めています。
「工事企画担当としての5年間の勤務を経て、リノベーション課への異動が決まりました。 不動産の維持・管理に関わる知識のベースが身につけられたと感じていたタイミングだったこともあり、学生時代からずっと意識してきた『まちづくり』にもう一歩近づけるチャンスだと思いました」
立場を超えた「ワンチーム」で、良いものを作り上げていく喜び
大和ライフネクストのリノベーション課では、主に建物の修繕、バリューアップを狙ったリノベーションの企画・設計、オフィスの内装設計を行っています。
「基本的な流れとして、まずクライアントと一緒に要件の洗い出しを行い、ご要望に応えられるような設計を行います。その後、専用のソフトフェアを活用して3Dモデルを作り、デザインを可視化していきます。建物は用途や建てられた年代、規模によって設備がまったく異なるので、求められる知識量の多さに最初は驚きました。課長になった今も、日々勉強が欠かせません」
そして2023年9月現在、眞鍋は課長としてマネジメントを行いながら、自らもプレーヤーとして多くのリノベーション案件に関わり続けています。
「最近では、オフィスの移転・レイアウト変更のご相談が多く寄せられています。その中でもとくに印象に残っているのが、私がリノベーション課に配属されて1年目に担当したとある企業の案件です。かなり大規模な改修の案件で、工事は2期に分けて2年がかりで行いました。そこで働く社員の皆さまに『オフィスを改修して良かった』と言っていただける工事となるように、先方の担当者とは何度も打ち合わせを重ねました。その甲斐もあってか、無事終わるころには、自分の3歳の息子を連れて先方の事務所を訪れるくらいの親密な関係になっていました。
お客様と管理会社、発注側と受注側という立場の違いはもちろんありますが、『より良い環境をつくる』という同じゴールに向き合い続けるうちに、当社、お客様、そして工事などを行う協力会社も含めて“ワンチーム”で戦っていくような感覚になるのが、この仕事のおもしろさでもあります」
また、2023年5月にオープンしたばかりの大和ライフネクスト 大宮事務所は、眞鍋のチームが移転を担当しました。
「同じ会社内のオフィスということで、実際に使うシーンが想像しやすかったり、社員から率直な意見が取りやすかったりと、経済的観点以上にさまざまなメリットがあったと思います。大和ライフネクストには『モチベーションオフィス』(従業員のやる気が出るようなオフィス環境を整備する)という考え方があるので、使いやすさとデザイン性の両立をめざしました。チームみんなでこだわり抜いて作り上げた新オフィスは社内で好評で、その反響がうれしかったですね」
管理・運営までを見据えたリノベーションで、お客様の暮らしを支え続ける
「リノベーション」においては常に「管理」の目線が欠かせないのだと語る眞鍋。その背景には、2018年に経験した“ある出来事”がありました。
「当時私は大阪の工事部にいたのですが、8月に大阪府北部地震が、そして同年9月には大型の台風21号に見舞われました。自然災害が重なり、当社が管理するマンションの多くに被害が出ました。こういった緊急事態でまず最初にお客様が頼りにするのは、日頃から付き合いのある私たち管理会社でした。
次々と寄せられる被災状況の知らせを受けて、チーム一丸となって必死に対応していったのですが、それまでに経験のないくらい多くの感謝の声をいただきました。管理とは、そこに住むお客様の生活基盤を支える仕事なんだと改めて認識させられる出来事でした」
そして、リノベーション課に異動してきた今も、その考えは変わっていないと言います。
「リノベーションを行う会社は当社以外にも山ほどありますし、デザイン性や設計だけを競うのであれば、選択肢はいくらでもあります。ただ、デザイン会社や設計会社とは違い、私たちは管理会社だからこそ『作った後』まで責任を持つことができます。建物が生まれ変わった後の管理・運営まで一貫したサービスを提供でき、お客様の暮らしを支え続けられるところに、最大の強みがあると感じています。
また当社には、分譲マンションで言えば約27万戸の管理実績があり、そのほかにもさまざまなタイプの建物の管理・運営をしてきた技術やノウハウがあります。リノベーションを依頼されるお客様のほとんどがなんらかの課題やお困り事をお持ちでいらっしゃいますが、私たちは建物のみらいを見据え、その場しのぎの対症療法ではなく『次そうならないようにどうするか』を常に考え提案を行います。リノベーションを通じてお客様の抱える課題を解決できたときが、この仕事の存在意義を最も強く感じる瞬間ですね」
建物のみらいに責任を持ちながら、まちづくりに貢献していきたい
眞鍋は現在、それぞれ経験値や年代の異なる11人のチームを取りまとめています。
「大和ライフネクストの仕事全体にも言えることかもしれませんが、リノベーションの仕事に1人でできることはほとんどありません。膨大かつ専門的な知識が必要になるので、社内・社外問わずさまざまな分野のエキスパートの力を借りながら、チーム力で成果を出していくことが求められます。課長という立場になったからには、個々の技術力を引き上げるだけでなく、各プロジェクトの進捗状況をしっかりと管理し、チーム全体の力を高めていきたいですね。
また、この仕事にはプロジェクトを進めていく過程で次々と見つかる課題を1つずつ紐解いていく忍耐力も必要です。だからこそメンバーが『余計なストレス』を感じずに集中できる環境を整えることを常に意識しています。たとえば、上下関係で煩わしさを感じることや、非効率な作業などが発生しないように気をつけています」
最後に、眞鍋が個人として思い描く今後のビジョンについて聞きました。
「私は現在、課長を務めるリノベーション課のほかに、リノベーション企画課という部署を兼務しています。名前は似ていますが、後者では“企画”という言葉の通り『建物の可能性をどう活かし、広げるか』の大枠を企画する、つまりリノベーション課が行う仕事の一歩手前の役割を担っています。
キャリアを通じて『まちづくり』をずっと念頭に置いてきた自分としては、使われなくなった建物をどういった方向性で生まれ変わらせ、どういったコンテンツを入れていくのかをイチから企画する仕事は、まさに関わってみたかった領域でもあります。この分野でもっといろいろな仕事に携わり、人々を笑顔にするまちづくりにどう貢献していけるのか、追求していきたいです」
建物の抱える課題に向き合う「リノベーション」という仕事を通じてまちづくりに貢献し、人々を笑顔にしたいと語る眞鍋。そのひたむきさと勤勉さが、建物のみらいをより良い方向へと導いていくのです。
※ 記載内容は2023年9月時点のものです