2023年4月、大和ライフプラスに新たに発足した「DTPチーム」
大和ライフプラスは、障がい者雇用の一層の安定および、一人ひとりの障がい特性を活かせる就業環境を叶えるため、2011年2月に設立された大和ライフネクストの特例子会社です。
主な事業内容は、あらゆる書類を電子データへと変換する「電子化業務」、アンケートなどの入力・集計を行う「入力業務」、そして印刷から加工、発送までをワンストップで行う「印刷業務」ですが、2023年4月より「DTPチーム」が発足し、新たに「動画・デザイン制作業務」を本格始動しています。
DTPとは日本語で「卓上出版」を意味し、大和ライフプラスのDTPチームでは、従来から行っていた請求書の発送業務や名刺の作成業務に加え、イラスト・広告物の作成、さらには動画制作まで、枠にとらわれないさまざまなクリエイティブ業務に挑戦し実績を積み上げています。
前田と吉田は、そんなDTPチームに立ち上げメンバーとして参画し、現在は動画・デザイン制作業務をリードしています。
前田:私たちはDTPチームに入る前まで、電子化チームに所属していました。そこでは資料をスキャンしデジタル化する作業が主でしたが、DTPチームでは自分たちでゼロからデザインを生み出す仕事が多く、そういう意味では環境も仕事内容も大きく変化したと思います。
吉田:DTPチームの事業は今まさに“種まき”をしているところです。会社としてこれまでに挑戦したことのない新たな領域なので、自分たちでできる範囲を定めずに、『こんなことができないか』といったリクエストにも積極的に向き合いながら、業務の幅を広げていこうとしています。
大和ライフプラスで見つけた、自分の強みを活かす喜び
2人に、大和ライフプラスとの出会いについて聞きました。
前田:前職では約15年間、雑誌を主にした紙媒体のエディトリアルデザインをやっていました、業務は長時間にわたることも多く、ワークライフバランスを見直したいと思っていたときに大和ライフプラスに出会いました。
大和ライフプラスの良いところは、さまざまなバックグラウンドを持つみんなが、それぞれ自分に合ったペースで成長していけるところだと思います。また、若い社員も多く、彼ら・彼女らの生き生きとした成長を間近で見ることができることも魅力に感じ、入社を決めました。
吉田:当初は、デザイン関連の特例子会社に入りたいと考えていました。私は文字だけでは情報が頭に入りにくいので、文字情報をパワーポイントで見やすくまとめることを自分のための習慣としていました。その作業を仕事でも活かしてみたいという想いがあったのですが、いくつかの特例子会社を見て回るうちに、大和ライフプラスの圧倒的な明るさに惹かれました。
事務所がカラフルで明るいのもありますが、みんな何かしらの障がいを抱えているけれども、元気でポジティブでとにかく事務所の雰囲気が良いんです。
また、大和ライフプラスの会社ホームページのデザインも入社の決め手の一つでした。自分にとって大切な「ぱっと見たときのわかりやすさ」を体現したホームページからは、「伝える」ということにとても力を入れている会社なのだと感じることができたからです。
前田はエディトリアルデザイン、吉田はパワーポイントを使った表現と、それぞれに大きな強みを持って入社した2人。入社当初はデザインなどの業務を専門で扱う部署はありませんでしたが、それでも得意を活かせるシーンがあったと振り返ります。
吉田:入社後、業務マニュアルをいつものように自分用のパワーポイントにまとめていたところ、『それ見やすいね!』と周りに褒めてもらえて。そこから、社内掲示用のサイネージのデザインなどを担当するようになっていきました。自分のためにやってきたことが人に喜んでもらえて、うれしかったですね。
前田:私はデザイン業界から来たということもあって、営業用のイラストなどの作成を依頼されることがありました。また別の機会では、上司に『絵が得意なんだよね、ちょっとやってみない?』と社長の似顔絵を頼まれ、自分の趣味でもある水彩画で描く、なんてこともありました。出来上がった作品は周りの人にすごく喜んでもらえて、やはりうれしかったですね。
新たな可能性を切り開く「動画・デザイン制作業務」への挑戦と課題
そんな2人に転機が訪れたきっかけは、親会社大和ライフネクストからの「社内報動画の制作依頼」でした。
吉田:この話をいただいたとき、実は私たちはどちらも動画制作に携わったことがありませんでした。それでも、参考書を片手にわからないことがあればすぐに調べるなどして、動画の企画者と何度もコミュニケーションを取りながら編集に挑戦しました。前田さんは、前職でデザイン系のソフトウェアを扱っていたこともあり、動画編集用のソフトウェアでの作業がとても速くて驚きました。
完成した動画はとても好評で、そこから定期的に依頼されるようになり、動画・デザイン制作業務を部門として独立させる動きにつながっていきました。
前田:吉田さんは、もともとパワーポイントが得意であることもあってデザインイメージが次々と湧き上がってくるようで、動画にする際の発想力が素晴らしく、いつも学ばせてもらっています。
そして、動画・デザイン制作を担う「DTPチーム」が発足してからは、これまで以上にいろいろな仕事に挑戦させてもらえるようになりました。たとえば、求人用パンフレットや社内報などの紙媒体、営業に使うパワーポイント資料、社内イベント用の動画、そしてそれらに活用するイラストの作成など。吉田さんも私も、それぞれの得意分野を活かしながら取り組めていると思います。
これまでのデザイン経験を活かしながら、順調に活躍の幅を広げる2人。一方で、新たな仕事の領域を開拓するにあたり、難しさを感じた場面もあったと語ります。
前田:デザイン業務というと、前職がそうであったように、納期に追われて業務が忙しくなりすぎるのではないかという不安がありました。大和ライフプラスの魅力である「無理なく自分のペースで働ける」こととの両立がかなうのか、最初は正直自信がなかったんです。
でも実際には、リーダーがいつも業務を可視化して整理してくれるので、メンバー全員がお互いの業務の進捗状況や優先順位を把握しながら、助け合って働くことができています。動画やデザインを作る仕事はもちろん大変なことも多いですが、カタチになったときのやりがいが大きいですね。
今はまだ試行錯誤の段階ですが、今後は他のチームと同様に業務を工程ごとに分けて、誰かが急に休んでも別の人がスムーズにカバーできる体制に整えていきたいと思っていますし、今のメンバーならそれが実現できると確信しています。
誰もが無理なく働ける「持続可能な」DTPチームを創るために
現在のDTPチーム(発足メンバー)はリーダーを含め全5名。前田、吉田のほかにも、エクセルが得意なメンバーなどがいて、それぞれに個性を最大限に発揮しながら働いているのだと言います。
前田:新たな業務、チームを作るということは、働き方を自分たちで考えて作っていくということです。「こうやったらもっと効率的になるんじゃないか」などとアイデアを出し合いながら、トライ&エラーを繰り返して業務をブラッシュアップをしていく作業はとてもやりがいがあります。
吉田:DTPチームを結成することができたのは、大和ライフプラスの仲間たちのおかげなんです。私たちの得意に気づいて、その力を活かそうと言ってくれる上司がいる。他のチームが安定稼働で大和ライフプラスを支えてくれるから、新しい仕事に挑戦できる。
何より、みんなが「得意を活かせてよかったね」「頑張ってね」と背中を押してくれるんです。そんな懐の深い大和ライフプラスだからこそDTPチームが成り立っているのだと思います。
最後に、2人の今後の目標について聞きました。
吉田:私は、自分のデザインの力を社内における相互理解にも活かしていきたいと考えています。当社にはさまざまな障がいのある仲間がいますが、人は自らが経験していないことを理解することは難しいですよね。だから、「こういった障がいがあって、こういう人です」というのを、デザインを活かしてもっとスムーズに伝えられたらすてきだな、と思っています。
前田:私は動画制作の技術をもっと身につけたいと考えています。まったく知識がないところからのスタートでしたが、今後はもっといろいろな種類の動画に挑戦して自らのスキルアップにもつなげていきたいですね。
それぞれの得意を業務に取り入れながらも、働きやすい環境づくりとチームワークへの意識を欠かさない前田と吉田。大和ライフプラスの新たな可能性を切り開く2人の今後に注目です。
※ 記載内容は2023年8月時点のものです