「わかる」と「できる」は違う。知識を実践に移す難しさを研修でサポート

2016年に大和ライフネクストに入社し、現在はコールセンター営業部で研修業務に従事する金井。自部門の電話対応の研修だけでなく、他部門のマナー研修も担当するなど、幅広いフィールドで活躍しています。

金井 「大和ライフネクストには、管理受託マンションにお住まいの方向けのコールセンター『ライフネクスト24』がありますが、私たち『コールセンター営業部』はそれとは別の、主に他の企業様からコールセンター業務を受託している部署です。お電話を受けた際はお客様の社名を名乗って応対をすることになります。

その中で私はQA(Quality Assurance。品質保証)を目的とした研修を担当しています。

コールセンター営業部だけでなく、当社の運営するカンファレンスホテルのフロント担当や、最近では協力会社の清掃担当や警備担当の方にマナー研修を行うような仕事も増えています」

「伝える」「教える」仕事に取り組みながら、金井がいつも業務の軸に置いているのは、コミュニケーションの大切さ。

金井 「人との対話では、伝え手が会話をリードしているように見えがちですが、実際は聞き手の応対次第でその場の雰囲気や空気が変わり、伝え手のテンションも内容も変わります。研修ではそうした“聴くというスタンス”の大切さを伝えています」

受講者が学んだことを実際に行動に移せるように後押しするのも、講師の大事な役割だといいます。

金井 「ビジネスマナーは、社会生活で誰もが一度は習っていたり、実業務で自然に身についていたりするため、私がお伝えする内容は、皆さんが既に知っていることばかりだと思います。でも“わかる”ことと“できる”ことは違います。頭では理解していても、それが実際に行動に移せているかというと、そうとも限らないんですね」

学んだ知識が実践の場で役立てられるようにサポートするまでが、金井の“生きた研修”の特徴。その姿勢の原点は、学生の頃から変わらない彼女のパーソナリティにありました。

もともと面倒見のよいタイプ。おもしろいこと、便利なことを伝えるのが好き

▲2009年、大阪府吹奏楽コンクールの楽屋にて(右が本人)。百貨店退職後も楽団の活動を続けた

面倒見のよい姉御肌の金井は、以前から自身がおもしろいと感じることや、便利だと思うことを人に伝えることが好きでした。高校時代には吹奏楽部の部長を務め、人から頼られ、相談される場面も多くありました。

金井 「卒業後、吹奏楽が続けられるという理由で百貨店に就職しました。当時、百貨店や銀行には社内に吹奏楽団があって、新店舗の開店時にファンファーレを吹いたり、球団があれば開幕式で演奏したりできたんです」

好きなことにまっすぐ突き進むパッションも金井の魅力の一つ。知識欲も旺盛で、仕事に有利な資格の取得にも積極的にチャレンジしてきました。

金井 「百貨店に勤めた後は結婚退職し、ブランクを経て社会復帰を試みました。でも、時代はワープロからパソコンに変わっていて、エクセルやワードなどのスキルがない私はできないことが多く、悔しい思いをしたんです」

悔しさを覚えたのもつかの間。2002年、一念発起してパソコン教室に通う決意をします。せっかく習うなら資格まで取ろうと、MOT(マイクロソフトオフィシャルトレーナー)を取得。悔しさをバネに、将来を見据えた決断がその後のキャリアを築いていく転機になりました。

資格取得後はシステム関連のインストラクターとして働く傍ら、コールセンターの仕事を兼任するようになっていきます。

金井 「大手企業の大規模なシステム入れ替えに伴い、新しいシステム導入のインストラクターとして働く機会が多かったです。ただ、システム導入は一時的な業務なので、その他の期間では求人の多いコールセンターのお仕事をしていました。

大和ハウスグループと出会ったのは40歳の頃ですね。契約社員として働いていた前職で配属されたプロジェクトが、大和ハウス工業情報システム部のヘルプデスクだったんです」

それまでの経験を生かし、大和ハウスグループ各社でシステム定着化支援業務に従事するようになった金井。システムの導入や入れ替え時のヘルプデスク立ち上げ、社員向け研修実施などを担当し、10年ほど働き続けました。その中で帰属意識が芽生え、大和ハウスグループの正社員として働きたいと考えるようになります。

金井 「50歳を目前にして、自分のキャリアを改めて考えました。そんなときにちょうど、大和ライフネクストのコールセンターでスーパーバイザー職を募集していたんです。それまで経験した業務領域での知識と経験が活かせると思い、入社を決めました」

「教える」は「学ぶ」の最短近道。常に学ぶ姿勢を貫くポジティブシンキング

▲電話応対技能検定(通称:もしもし検定)3級講座の様子。前で説明を行っているのが本人

現状に満足することなく、常に向上心を持つ金井は自身の道を切り開き、着実なキャリアアップを進めてきました。その原動力は、チャレンジすることを恐れないポジティブ精神と、日進月歩のIT分野に身を置いてきた経験にあります。

金井 「ITは常に学び続けないとついていけない分野なので、前職の10年間でも資格を取得し、この会社に入ってからも6〜7つほど取得しました。

たとえば『電話応対技能検定』という資格があります。当社では3級取得を必須としていますが、私が指導者級資格を取得することで、社内で指導や検定試験の実施ができるようになりました。他にも、水漏れやガスなどのお問い合わせにも対応できるように、マンションや建物設備関連の資格などを取りましたね」  

数ある資格の中でも、アンガーマネジメントファシリテーターの取得をきっかけに、コミュニケーションのとり方に変化があったといいます。

金井 「私自身、それまでは“べき論”が強かったんです。勉強をしたおかげで、人それぞれの考え方があるんだと理解できました。私自身の沸点も高くなりましたし、誰もがもっと心穏やかに過ごせるんじゃないかと思うようになりました」

「教える」ことが自身の「学び」の延長線にあるという考え方から、現在携わる研修の仕事を通じて学びを深める金井。その一方で、研修参加者とのコミュニケーションにやりがいを見出しているといいます。

金井 「研修では良いところを見つけて褒めること、できていないことに対してはどのような取り組みをすれば良いのか寄り添いながら一緒に考えるようにして、“一方的に教える”という形にならないようにしています。

その結果、『面白かった』『今後の業務に活かせそう』といった言葉をもらえると非常にうれしいですね。熱のこもった言葉をいただけるとやりがいを感じます」

もともとの面倒見の良さに加え、人に伝えることや人と関わることが好きで、「対人のプロ」として仕事に携わる金井。人との出会いや縁のめぐりあわせを大切に考えています。

金井 「入社初日の研修では『皆さんはご縁があってこうして今ここにいる』ことをお話しするんです。せっかく入ってこられたのだから、なるべく長く一緒に働いていきたいですからね」

プロとしてのスキルと情熱を掛け合わせ、さらなる応対品質の向上を

▲2018年、コールセンター営業部は「第22回企業電話応対コンテスト」にて最優秀に次ぐ「理事長賞」を受賞(前列左から2番目、賞状を持っているのが金井)

職務特有の課題にも真摯に向き合い、改善へと導いたのもまた、彼女の対人コミュニケーション力の高さ。そこには個人の資質に依存しない、どう応対するのが最適かを熟知したプロならではの姿勢も垣間見えます。

金井 「たとえばクレーム対応では、基本のフローに沿って応対を進めていきます。ここで大切なのは、個人の性格的なものではなく、手順を間違えずに進めるということです。そういった一定のスキルを皆さんが身に付けて実践できるようになると、お客様はもちろん私たちの負担も軽減できるはずです 」

人の悩みや成長をサポートする人間味あふれる一面と、プロらしいスタンスの貫き方をバランス良く持ち合わせている金井。その応対品質向上の取り組みにより、コールセンター営業部は「企業電話応対コンテスト」で3年連続受賞を果たし、2019年には「シルバーランク企業」に認定されました。そして今後は、より高みを目指していきたいと展望を語ります。

金井 「まだまだ品質向上が必要だと感じます。まずは自部門で、みんなが『応対品質を向上したい』と思えるような働きかけをしていきたいですね」

コールセンター部門の品質向上に加え、グループ全体でさらなる価値提供ができる未来を金井は見据えています。

金井 「大和ハウスグループで知り合えた仲間との縁を大切に、自分の会社に対して誇りを持ち、互いが力を出し合いグループ全体としての強みを出していく。そんな『想い』を皆さんと共有していきたいと思っています」

パッションと知識、経験を武器に、金井が邁進を続ければ、想いが現実になる日はそう遠くない未来かもしれません。