お菓子なら多くの人を笑顔にできる。自己分析で気づいた「本当の自分」

▲学生時代:渋谷ファッションウィーク2014

徳島出身の野崎は、子どもの頃から東京の華やかな世界への憧れを持っていました。大学進学のため上京すると、アパレルショップでのアルバイトや読者モデル、ECモデルなどを経験。2014年には渋谷ファッションウィークのSTREET RUNWAYにも出演しました。

野崎 「バイトをしているとき、私が着ていた服を欲しいといってくれたり、着ていた服がよく売れたという話を聞くとすごく嬉しかったですね。私が発信したものに対して、誰かが興味を持ってくれることに幸せを見出した学生時代でした」

そして2015年4月、大丸松坂屋百貨店に新卒入社した野崎。大学時代の活躍の場とは異なる百貨店業界を選んだ背景には、就職活動時の徹底的な自己分析がありました。

野崎 「自己分析をしていくと、小さいころから変わってない『本当の私』が求めているのは、モデルやファッション業界ではない、と気付いたのです。私は子どものころからサプライズを企画するのが好きで、お菓子が大好き。祖父が事業をしていたので、MDにも興味がありました。自分を見つめ直した結果、それにぴったり合うのは百貨店のバイヤーなんじゃないかなって」

業界のなかでも、大丸松坂屋百貨店は第一希望。それは、大丸梅田店のバレンタインイベント「イケメンショコラ隊」に衝撃を受けたのがきっかけでした。

野崎 「チョコレート売り場のブースで、イケメンが壁ドンしてくれるっていうかなりユニークな企画で(笑)。百貨店というと高級で富裕層が行くお店、というイメージがあったのですが、大丸松坂屋百貨店なら自由で斬新なことができるかもしれない。私も『イケメンショコラ隊』みたいに将来何か皆が驚くことをしてみたい、という想いがありました」

そしてもうひとつ、野崎を百貨店業界に進ませたのは、周囲も驚くほどの「お菓子愛」。

野崎 「自己分析するうちに、たくさんの人を笑顔にできる仕事に就きたい、と思うようになったんです。ファッションも大好きですが、老若男女問わず、より多くの人を笑顔にできるものっておいしい食べ物、特にお菓子なんじゃないかなって。私自身もお菓子が大好きだったので、百貨店でお菓子に関わる仕事がしたいなと考えました」

お客様の心をもっと揺さぶりたい。独自の発想力で企画したユニークな販促

▲大丸東京店での「シンデレラオーディション」の様子

入社した野崎の最初の配属先は、松坂屋静岡店。婦人洋品売場で半年働き、念願のお菓子売り場へ異動になりました。入社1年目のときに、公式Facebookの食品情報発信コーナー「ゴチパラ潜入レポート」を企画・運営し、全90回、週1回の投稿を続けました。

野崎 「『ゴチパラ潜入レポート』は、私が食品売り場のおすすめ商品をレポートするという企画で、今やっていることの原点です。当時の静岡店長が若手にチャンスを与えてくれる人で、発信が得意ならやってみたら、と後押ししてくれました。

通常業務の店頭販売をしながら、空き時間に写真を撮ったり、テキストを書いたりしていました。『フェイスブック見てるよ』と、会いに来てくれるお客様もいて楽しかったですね」

2017年9月には、念願だった大丸東京店の食品担当に異動。菓子イベント運営を担当し、新規ブランドの開拓やイベントの計画・運営、販売プロモーションの企画に携わります。

野崎 「東京店で食品を担当したい、という想いがずっとありました。大丸東京店の食品フロアは日本一といわれる規模ですし、そこで働いてみたい、経験を積んでチャンスを掴みたいと思っていました」

そして2020年8月、野崎は販促プロモーション「謎多き…シンデレラオーディション」を企画し、実行します。

野崎 「この企画は、お菓子の『新しい買い方』を提案したいと思ったのがきっかけでした。『芋栗フェア』や『さくらスイーツ』など、これまでのお菓子の販促ってすごくシンプルでダイレクトなものばかりだなと感じていて……。

『食べておいしい、見た目がすてき、もらって嬉しい』で終わらせたくなかった。売り方を工夫して、お客様の心をもっと揺さぶりたい、深く訴求したい、と入社したときから思っていました」

新しい買い方をしてもらうためには、斬新な提案が必要だと考えた野崎。考え抜いてひらめいたのは、常設ブランドのお菓子を女性アイドルのキャラに擬人化し、お客様に人気投票をしてもらうというアイデアでした。

野崎 「アイドルを応援するように、愛着を持ってお菓子を買ってもらいたいという想いがあって、キャラクターデザインやストーリー構成なども担当しました。目標だった『イケメンショコラ隊』のように、お客様をあっと驚かせて楽しませたかったのですが……。結果的には、思うような反響は得られなかったですね」

「お菓子は生きてる」だから、その背景にあるストーリーをもっと伝えたい!

▲撮影の様子

初めて任された大きなプロモーションが、悔しい結果となった野崎。就職活動時の自己分析のように、改めて自分がやりたいこと、強みは何なのかを考え直しました。

野崎 「食品部門で行う企画やイベントは、あくまでも食品を売るためのプロモーション。たとえば『シンデレラオーディション』のキャラの世界観を崩さずにWEBサイトを作りたいと思っても、必ず販売するためのリンクボタンを入れなくてはいけないんです。

自分の強みだと思っている発想力を活かして、縛りや枠組みに捕らわれずにゼロから何かを作る仕事はないか。そう考えていた時、社内にDX推進部が新設され、メンバーを公募しているのを見つけたんです」

DX推進部は、デジタル関連を中心とした新規事業を担う部署。2021年3月に異動した野崎は、新規デジタル事業開発担当として、インフルエンサー事業戦略に携わっています。インフルエンサープロジェクトのPoCとして力を入れているのは、食領域のインフルエンサー「大丸松坂屋の野崎さん」として、YouTubeやInstagram、TikTokでスイーツの魅力を発信する業務。

野崎 「これまで見たことがない、独自の世界観でお菓子を紹介したくて、イラストや衣装デザインなども工夫しています。今はまだテスト段階で、フォロワーも数百人しかいないのですが、今後何千人規模に増やしていきたいですね」

そんな野崎がお客様に伝えたいのは、スイーツの味や見た目の美しさだけでなく、その背景にあるストーリーだと語ります。

野崎 「実は私、『お菓子は生きてる』という持論を持っていまして(笑)。『シンデレラオーディション』の時に感じたのは、お菓子一つひとつにストーリーがあって、生産者やメーカーにもたくさんの苦労があってやっと世に出される、ということでした。なのに、お客様に届くときは、味や見た目だけがフォーカスされますよね。

すごく素敵なスイーツブランドがあったとして、その世界観は味や見た目だけじゃなく、もっといろんな要素が絡み合って作られているはずなんです。SNSでは、私がその部分をしっかり伝えて、お菓子の価値を高めていきたいですね」

自由にチャレンジできる会社だからこそ、自ら行動することで道が開ける

野崎は大丸松坂屋百貨店に入社して以来、失敗をバネにしながら、絶えず挑戦を続けています。その原動力は、どこから来るのでしょうか。

野崎 「周りのサポートがすごく大きいと思います。私は安定よりも刺激を求めるタイプで、自由な社風がマッチしています。大丸松坂屋百貨店は、やりたいという思いを持ち、失敗しても次に活かすという姿勢があれば、チャレンジさせてくれる会社です」

学生時代に徹底した自己分析を行った結果、本当の自分を見つけ、百貨店で働く道を選んだ野崎。就職活動中の学生に向けて、こんなメッセージを贈ります。

野崎 「待っていてもチャンスは訪れない、行動することで道は開ける、ということを伝えたいです。私が今まで希望通りに異動できたのも、自分のやりたいことを周りに伝え、そのために何をやるべきかを考えて行動した結果だと思っています。やりたい気持ちを持つだけでなく、行動することが大切です」

豊かな発想力や企画力、発信力を武器に、DX推進部で新たな挑戦を続ける野崎。将来の目標は、プロジェクトマネジャーになることだと語ります。

野崎 「今の目標は、テスト段階にあるインフルエンサープロジェクトを事業化して成功させること。それをステップにして、将来は新しいプロジェクトのマネジャーになりたいと思っています。何か新しいもの、ゼロから考えたものを世に出して、みんなを驚かせたい気持ちは今も変わりません。今この事業でしっかり経験を積んで成功させて、次のステップに進みたいと思います」

「お菓子愛」を語る野崎は、外見からは想像もつかないほどのエネルギーに溢れています。その熱量と行動力で、今後も大丸松坂屋百貨店の新たな魅力や可能性を発信し続けます。