学祭実行委員の経験から見えた軸──人の喜び事に寄り添える仕事がしたい

▲ステージ音響部の部長としてたくさんの人を楽しませた学祭ステージ

学生時代に精力的に取り組んでいたことは、大学祭の実行委員です。
中でも学祭のステージの設営や運営を4年間やった思い出が一番濃く残っていて、この経験は私がキャリアを選択する際に私の背中を後押しするものになりました。

1年に1回の学祭に向けて準備を行うのですが、どういうステージをつくるかという企画や、参加学生の募集・選考、それから設営に関わる業者さんとの打ち合わせなどを行っていました。

学祭当日にはステージで演奏することをずっと楽しみにしていた方たちがいらっしゃいます。
彼らが楽しんでパフォーマンスする姿を間近で観るのは、大きなやりがいにつながりましたし、自分が仕立てたもので人が楽しんでくれているところを見るのが幸せに感じるポイントだということをその時に気付きました。

大学2年の時、私はステージ音響部の部長をやっていました。私を入れて6人くらいの少人数なチームではあったものの、部長になると意識が変わり、人をどう動かすかを考えるようになりました。1メンバーだった時はただ与えられた仕事を精一杯こなしているだけでしたが、人を率いる立場になると、メンバーの適性と、やらなくてはいけないゴールとのバランスを見ながら誰に何を割り振るのかを考えなければなりませんでしたから。

こうした学祭実行委員での経験は、就職活動にも影響しました。
実はいろんな業界を見たのですが、これといってやりたい仕事が見つからなかったんです。

そこで、何をやっている時に自分が一番楽しいのかを考えた時に、学祭実行委員で自分が何かをやって人に喜んでもらうのがうれしかった瞬間だ、ということを思い出しました。

そういった、人の喜び事に寄り添える仕事がしたいというのが、まず就職活動の軸になりました。古い言い方にはなりますが、百貨店は元々“ハレの日”のお買い物の場ということで、幸せなショッピングの空間を提供しているため、この軸に合っているな、と。

また、当時はあまりto Bの仕事のイメージが湧いていなかったのも当社に入った理由のひとつです。to Cの仕事で人の喜びに寄り添いたいということと、やりたいことが決まっていなかったからこそ、入社後にあらゆる選択肢を持てる会社に勤めることが私の就活のポイントで、それが叶うのが大丸松坂屋百貨店でした。

裏方から地道な努力を重ね、間接的に喜びを感じられた広告担当時代

▲大丸東京店

入社後は、大丸東京店の紳士カバン売場・婦人洋品売場といった自主編集売場に配属され、販売業務を3年間担当していました。

そして4年目になった頃、就活時には思ってもみなかった後方部門で販促の仕事をすることになりました。世の中的にも紙からWebへ、という過渡期だったこともあり、異動した当初はカタログやチラシ、新聞折り込みなど紙媒体の企画制作が主な業務でした。後半からはホームページ、アプリのWebコンテンツを企画制作していました。

企画を考えるのは初めての機会だったので、うまくいくことばかりではありませんでしたね。

学生時代から人に喜んでもらえた時が一番うれしいと感じる瞬間だったので、店頭にいた3年間はダイレクトにお客様の反応が見られることにすごくやりがいを感じていたんです。

でも後方部門に行ってみると、なかなかお客様の反応が見られないので、どこにやりがいを感じたら良いのか悩んだ時期もありました。紙媒体だととくにそれが強かったです。お客様の声がダイレクトに聞けないので、意外と地道な努力が必要な部署なんです。

その後、広告の手法をWebへ移行した際、ページビューから誰がどのくらい閲覧しているのかという数値がわかるようになり、これがお客様の反応なんだと喜びを感じるように。また「このページを見て来たよ」というお客様の声を営業部からもらいながら、自らをモチベートしていきました。

間接的ではありますが、自分がつくったものによって人に影響を与えられ、お客様に喜んでいただき、それがお買い物につながるというのが嬉しいポイントでしたね。

担当した広告やWebの中で一番嬉しかったのは、大丸東京店のホームページの成長です。
担当した2年間で、東京店のホームページ閲覧数が全店中トップになりましたし、2019年下期には前年比125%まで閲覧数を伸長させました。これは大きな成功体験だと感じています。

この部署での経験を通して、目的を見失わず、「何のためにやっているのか」を常に念頭に置き、ブレずに仕事をしていく力を身につけました。
媒体をつくる際は、どうしてもその媒体を素敵に作ろうという方向ばかりに頭が行ってしまうんです。今はどんな仕事でも、「これは何のためにやるのか」という考えを頭から離さないよう気を付けています。

価値観と世の中が変化したとき、新たな挑戦を決意

広告・WEB担当として4年間仕事をした後、2020年にデジタル事業開発部に異動しました。

デジタル化を推進するために2020年9月に新設された部署で、同年6月に前もって社内公募がなされました。部内の1プロジェクトのメンバーを募集するもので、私も手を挙げて、6月中旬から携わることになりました。

社内公募に応募しようと思ったのは、同じ部署に5年近く在籍していたこともあり、そろそろ新しいことに挑戦してみたいという気持ちを抱いていたから。また、入社当時と比べて、洋服や物を所有することに対する価値観が変わったことも理由のひとつです。

私は元々、百貨店などのリアルな場でのお買い物が大好きでした。その気持ちは今も変わらず持ち続けていますが、最近では着なくなったお洋服をフリマアプリで販売したり、友人の結婚式で着るワンピースをレンタルしたり、シェアリングエコノミーを当たり前のように利用しています。

自分のマインドがここ数年で変わったように、これから近い将来シェア・リユースというのは今以上に当たり前の選択肢のひとつになるだろうと思っています。

そんな時に、新型コロナウイルスの影響で1カ月半お店が休業しました。お店が開けられないとなると、その期間は店舗に所属している人間は何もできません。それで「この会社は店頭にすごく依存しているな」というのをあらためて感じて、「これじゃまずいぞ」と思ったんです。

その3つがちょうどグルグルと自分の中で回っていた時に、社内公募があがりました。
プロジェクトの内容もシェアリングエコノミーに通じるもので、自分の価値観にもすごく合致していると感じました。そこで産み出すバリューにも共感できたので、挑戦してみたいと思って手を上げました。

また、今までやってきた仕事の経験からも貢献できるだろうと考えています。Webコンテンツの企画・制作をする上では、どういうポイントや言葉が人を惹きつけるのかを意識してきました。サービスの形は違っても、人の気持ちを集めるという点は変わらないと思っています。

2021年春のサービス立ち上げに向けて、現在はシステムの開発や、CRMを活用したデータ分析、UI、UX、サイトのデザインなど、あらゆることを同時進行で、かつミニマムな体制で進めているところです。

百貨店は今、厳しい産業だと思われていることでしょう。
実際その通りで、今のままで百貨店が生き残るのはとても難しいと感じています。ですから、現在の百貨店の新陳代謝をさらに上げつつ、次、その次とビジネスをつくっていくことが大事です。
その役割を担っているのがデジタル事業開発部だと考えています。

私が携わっている新たな事業も最初はミニマムスタートではあるのですが、10年後20年後にはこの会社の柱となれるような事業、分社化できるぐらいの勢いをもったビジネスに成長させていきたいです。

このままでは生き残れないから、新しい領域に挑戦し続ける

思えば、入社して以来、新しい領域のやったことがない業務に挑戦し続けてきました。
今までできなかったことが出来るようになる、自分の成長を感じる瞬間をモチベーションに、成長意欲を持って新しいことを学び続けています。

あとは大げさな言い方ですが、やはり人に喜んでもらえると、自分の存在意義を感じられる気がします。自分と他人、両方に向いているそのふたつがモチベーションとしてあるのかな、と。 

また当社の風土として、チャレンジ精神溢れる人が評価されることが多いというのも大きいです。とくに、若手からどんどんアイデアやビジネスの発想を吸い上げていこうとする流れがすごくあります。

公募制度や自己申告制度、節目ごとでの面談があるので、そこでやりたいことをはっきり発信できる人が、自分の挑戦したいことを実現しているように思います。
そのため、チャレンジしたい、改革したいと強く思っている人が社内には多いですし、会社もそういう人財を求めています。

今後の目標については、まずは取り組んでいるプロジェクトを成功させたいという気持ちが一番強いです。私の部署は今後の大丸松坂屋百貨店の変革の部分に一番携わることができる事業部だと思っています。新たな取り組みによって、多くのお客様に喜んでもらいたいという気持ちがありますし、それがゆくゆくは会社のためにもなると思っています。

そして個人としては、 立ち止まりたくない、という気持ちがすごくあります。

昨日より今日、今日より明日じゃないですが、毎年成長していたいという気持ちです。
それもあって、今回公募に手をあげました。自分で自分のキャリアをつくっていこうという意識が自然と芽生えているのを感じます。

大学生の頃を振り返れば、どうしても行きたい業界ややりたい仕事は私にはなかったんです。
周りの人はみんな、この業界に行きたいとかこの仕事がしたいということがはっきりしている中で、自分はこれで良いのかと、すごく不安に感じていた時期がありました。

そんな私でも縁あってこの会社に入り、今はやりたいことがはっきり持てています。
やりたいことがすぐに見つかることの方が奇跡だと思うんです。「どうしてもこれがやりたい!」というものがなくても、そんなに不安に思わなくても良いですよ、と学生の皆さんには伝えたいです。

百貨店といえば、店頭の販売業務をイメージしがちだと思うのですが、お店の空間づくりや、商品を仕入れるバイイングの仕事、企画系、販促系、と百貨店の中だけでも仕事は多岐に渡ります。
また、当社であれば、J.フロント リテイリンググループ各社で経験を積むことも出来るので、百貨店以外の仕事に挑戦することも出来るんです。ですから、百貨店が好きとか服が好きとか、何か好きな要素があったら、うちの会社もいいのではと思います。

私の変化の後押しになったのは、主体的に動く事の楽しさでした。
受け身でやっていても、どうしてもやらされている感がぬぐえないので、あまり良くありません。主体的に行動して、自分事として取り組むと結果が良くても悪くても気持ちが付いてきますし、成功したときに嬉しくなります。それが癖になるんです。

どんな些細な事でも一回自分で考えて、自分がどうしたいか、どうしたら物が動くのかという事を整理して、自らアクションするというのがすごく大事だと思います。