総合大学からデザイナーの道へ──真ににユーザーと向き合うために

学生劇団の公演ポスターを制作

総合大学からデザイナーになったことによく驚かれます。確かに小さい頃からデザイナーになりたいと思っていたわけではありませんでした。ただ、もともと絵を描くのは好きで、文化祭のポスターだったり、大学でも部活でお揃いのパーカーのロゴや自己紹介冊子だったり、そういう作品をつくることが好きだったんです。

そこで初めは、自分の興味や好きなことに近い仕事ができたらいいなと思い、広告系などのデザインに近そうな業界を目指していました。また、人と向き合って課題解決がしたいという理由から教育系や人材系なども見ていましたね。

あるとき、実際に広告業界の総合職のインターンに参加したんです。そこで行なったのは、客数が少ない施設に対して客足を増やすための宣伝内容を考えるワークでした。ユーザーの調査データをもとに考えたのですが、それはあくまでネット上のデータ。

さらに、広告の特性上、困っているユーザーを助けることから少し離れてしまうのではないか、本当にユーザーの趣向や行動に向き合えているのかという違和感が私の中に生まれてしまったんです。また総合職として関わったとき、そのワークで考えた宣伝内容を「どうビジュアルデザインに落とし込むか」までは手が付けられないもどかしさもありましたね。

教育やコンサル職は直接人と向き合って課題解決が行えると思っていましたが、ビジュアルデザインでの視点を生かしにくく、なんとなく物足りなさを感じていました。そうやって数ある業界や職業の中で、そのような違和感を取り除いていったとき、自分の中では夢のまた夢、遠い憧れの存在だったデザイナーという職業が将来の選択肢のひとつに並ぶようになったんです。

そしてふと、自分の人生を考えて見たとき「死ぬまでにデザイナーという仕事は経験しておきたい」と思ったんですよ。それだったらわざわざ後回しにする必要はないなと吹っ切れて、デザイナーになろうと決めたんです。

大学の先輩でデザイナーになった方から、デザイナーを目指すのであればデザインのスクールに通ったというのを聞き、4回生のとき大学とデザインスクールのダブルスクールをすることにしました。

やりたかったユーザー目線のデザインをキュービックで

部活動にて大学生活最後の英語のスピーチを行う

スクールでは自分と同じ大学生から社会人の方、子供のいるママさんなどいろんな方がいて、ツールの使い方を教わったり、課題制作を行なったりしました。数ある授業の中で印象に残っているのが、チームで行うアプリ設計の課題です。

自分ひとりでデザインをする際は、実現できたらおもしろいなくらいのアイデアで、実際に実装できるのか、どういうお金の流れになるのか、など現実的な解決策を考えたことがありませんでした。

しかしチームで課題制作した際は、チームメンバーに経営者の方がいて、その方の考え方を盗みながら、現実的に実装・運用できそうなアプリの設計を行いました。

キュービックとの出会いは、デザインスクールの方からの紹介です。興味を持ったきっかけは主にふたつありました。ひとつ目はやりたいと思っていたデザインの仕事ができるんだなというところ。ふたつ目はユーザー目線のものづくりができると思ったところです。

実際に参加した短期インターンは本当に楽しかったです。内容は5日間かけて社内の日報サイトをリデザインするというものでした。まず、ユーザーである社員の方々に直接ヒアリングを行なってインサイトとコンセプトの設定をします。そこからカスタマージャーニーマップというプロセスを視覚化したものをつくり、どういう機能が課題解決のために必要かを考えて最終的なプロトタイプまで作成しました。

アイデアが詰まっていたり、いろんな方向にアイデアが出たりしてまとまらないときには、一緒に進めていたインターンメンバーたち(今は同期)がお互いでアイデアを引き出しました。また、弊社のCDO篠原 健からのフィードバックをもらう場では「木田さんは論理的に軸を持って考えられているのがいいね」と言ってもらえたんです。

得意なことや良いところをお互いに見つけて、それぞれの持ち味を磨こうとしている、それをどんどん高め合えていける雰囲気がいいなと思いました。そういう雰囲気の人が集まりやすい会社なのかなというのが実感できましたね。

在宅勤務と、はじめてのプロジェクト参加

語学研修で行ったオーストラリアの美術館にて

入社してからは2ヵ月間ずっと在宅勤務だったのですが、リモートワークの良さを感じていました。6月からは出社が再開され、ちょっとした話も聞こえてきたり、コミュニケーションがとりやすかったりといったメリットもありましたが、入社後まもない時期は在宅のほうが自分の時間が取りやすく私自身には合っているなと。

入社して1ヶ月半ほど経ったころから、新卒研修の他に、急遽プロジェクトの一貫でLPサイト制作に新卒デザイナー3人で参加しました。ワイヤーフレームというwebページの設計図の後から実装前までのデザインの制作です。ディレクターの方が引いたワイヤーフレームを元に、まずTOPページのデザインを制作。その後TOPページのデザインをもとにTOPページ以外の下層ページのデザインを制作しました。制作期間も5日間ほどで、一般的なものよりかなりタイトでした。

他のプロジェクトメンバーの方はベテランの人も多く、足を引っ張らないようにしようという気持ちが大きかったです。それでも迷惑を掛けてしまうことがあり、ディレクターの方や先輩デザイナーの方に教えてもらったことがたくさんありました。工数の見積もりを見誤って遅れてしまったり、情報共有の際に誤った解釈をしていたり。

他の職業の方と連携するときに気をつけなければいけないことがたくさんあることを学んだのと同時に、学生のときにはなかったデザイナーとしての厳しさも痛感しました。

プロジェクトの最中は正直目の前のことに追われていて、記憶に残っていないところもありますが、プロジェクトメンバーの方々、一緒に駆け抜けた同期のふたりには本当に感謝しています。

自分のペースで、幅を広げていく──デザイナーとしてのビジョン

私のデザイナーとしての目標は、ユーザーにときめきを与えることです。そのためには、自分からもっと提案できるようになる必要があるなと感じています。

これまでは、自分で上流部分から考えたいと言いながらも、結局、依頼内容に沿った機能やビジュアルデザイン制作を行っているところがありました。でも、期待を超えるデザインや、本当の意味でのユーザーのためにつくるデザインは、そういう意識ではつくれないなと、入社後に参加したプロジェクトで気づいたんです。

いい意味で守りに入っている自分らしさも大事にしたいけれど、もっと考え方やデザインの見えない枠を超えて共感できる幅を広げていきたいと思っています。枠を広げていくためには、今までの自分がしなかったようなものを経験したり、いつも読まないような本を読んでみたり。自分と違うなと思っている人と話してみるとか、異国の地を訪れてみるとか。

自身のペースでやっていこうと考えています。加えて、「枠をはみ出してもいいのだ」という意識も大事だと思うので忘れないようにしたいですね。

今(2020年6月現在)は入社1年目で、これからやってみたいイメージは沸いていない部分もあります。でもぼんやりとメンバーの憩いの場をつくれたらと思っています。たとえば、ひとりの時間を大事にできるスペースや時間帯を設けること。そして、ユーザーにとっても使いやすいものをデザインとしてつくり、みんなを引きつけられたらいいなと考えていますよ。

入社から2ヶ月間経験した在宅勤務で、ひとりの時間の大切さと心地よさを実感したので、その良さをオフィス勤務でも残せたら、よりみんなが働きやすくなるのかなと考えています。