マネージャーの経験で芽生えた「人をサポートすること」へのやりがい

▼ラグビー部員との思い出の一枚。マネージャーとして部員を支える榎本(写真右)

大学では、マネージャーとしてラグビー部に所属していた榎本。自分の性格に合っているかを重視し、さまざまな部活動を見ていたと言います。

榎本 「高校時代は選手として運動部に所属していたので、大学では運動部のマネージャーをやってみたいと思いました。体育会の運動部をいくつか見学した中で、雰囲気が一番合っていたのがラグビー部でした。

マネージャーは、勝利に直接貢献することはできません。また、他のマネージャーは、テーピングが上手い子や、薬に詳しい子、コミュニケーション力の塊みたいな子など、みんな強みを持っていました。その中で、私は何ができるか考えたんです。そこで、私はマネージャーの中で一番ラグビーに詳しくなり、練習や試合時のビデオ撮影を強化しようと考えました。ラグビーを知ることで、引きで見たい場面やズームで見たい場面などがわかるようになりました。選手に『今回のビデオいいね』と言ってもらえた時は、とても嬉しかったです」

マネージャーの経験から、人を支える仕事がしたいと考え、就職活動では、バックヤード部門の職種を中心に探しました。業界も、社会の基盤を支えるITやインフラ業界に絞っていました。

榎本 「業界を絞った理由は、東日本大震災です。2011年、震災があった年の夏に、津波の被害を受けた岩手県陸前高田市へ行き、住み込みでボランティアをしました。ひしゃげた車が道端に山積みになっていて、街灯はなく、夜はようやくできたたった1つの信号の光だけが見える状況。私は被災しませんでしたが、ここでインフラは大事なんだなと思ったんです」

就職活動を進める中、縁あって出会ったIT企業が、クレスコでした。入社を決めた理由は社風だったと当時の心境をふりかえります。

榎本 「クレスコカフェという社員座談会に参加し、波長が合うと感じました。参加社員はSEの方々で、私はバックヤード部門希望。見ている職種が違うので、社員としては、何を話していいのか戸惑っていたと思います。でも、それを感じさせないくらい和やかに話をしてくれました。他の企業の社員座談会よりも、一番楽しい時間でした。自分の仕事が間接的にこの人たちのためになると思うと、やりがいを感じられそう──そう思いました」

こうして榎本は、2013年にクレスコへ入社を決めました。

「ほっこり」してもらうこと。社員の幸せのために自分ができることを

▲新卒採用イベントで後輩と一緒にオンライン配信に挑む榎本(写真左)

2013年に入社後、採用業務に従事してきた榎本は、多くの求職者や学校とのリレーションを通じてクレスコファンを増やしてきました。

榎本 「入社前から『社員のために何かしたい』という軸を持っていたので、採用活動ではマッチングを重視しました。せっかく入社してもらうなら、会社とその人の方向性がマッチした上で、やりがいを持って働いてほしいし、マッチしない人を入社させてしまうと、その人だけでなくその人に関わる社員にも苦労をかけてしまいます。

自分が採用に関わった人が入社して、楽しそうにしている姿をみたり、『今年入ったあの人、がんばってるよ』と聞くと、嬉しくなりますね。自分が褒められるより嬉しいです(笑)」

一方で、日々苦悩も感じていました。

榎本 「特に“会社”を知らない新卒採用応募の学生さんとマッチングするためには、SEとして働いている社員と直接話をしてもらい、学生さんに考え方や覚悟しておくことを知ってもらったり、雰囲気を直接感じてもらうことも重要だと感じています。実際に、社員の雰囲気が入社の決め手だと話してくれる学生さんも多くいました。

ただそのためには、社員に時間を割いてもらわないといけない。採用活動は会社にとっても社員にとっても重要とわかってはいるものの、『社員のためにと思っているのに、お願いごとばかり』といつも鼻血が出そうな思いでした。ただ、クレスコは本当にいい人が多く、快く協力を引き受けてくれる人ばかりです。その姿を見て、もっと頑張らなくちゃと何度も思いました」

マッチングのために、外部の人にもわかりやすい表現や言葉選びを意識し、実践してきた広報のような経験と、「社員のために」と常に考えてきたマインドを買われ、2020年に経営企画室に異動。
主なミッションは社内コミュニケーション活性化で、社内ブログでの情報共有や、部署を超えたオフサイトミーティングの企画運営をしています。

榎本 「会社から社員への情報発信は日々行われていますが、社内ポータルサイトやメールを用いた公式な情報は、量が多くて見落とされることもありますし、施策を説明・紹介する社内イベントでは、時間に限りがあるため、詳しく説明しきれないこともあります。それを補うのが社内ブログです。施策実施の背景や、その施策で社員は何がどう変わるかなど、社員という読者目線に立つことを意識しています」

そんな中、榎本は社員に“ほっこり”を感じてもらうことを大切にしています。
榎本にとっての“ほっこり”とは、その人の幸福度が上がるもの。嬉しさや楽しさ、面白さに加えて、やる気といった、その人にとって少しでもプラスになるものです。

榎本 「オフサイトミーティングでは、普段の業務で接点のない社員同士のコミュニケーションの場にするだけでなく、『自分がもっとポジティブに仕事をしている状態』を意識してもらうことで、ひとりひとりの毎日がより良くなればいいなと思っています。きれいごとかもしれませんが、改めて考えてみる時間があってもいいと思うんですよね」

榎本は、企画が独りよがりにならないよう、社員の情報を得るために、フットワーク軽く行動することを意識していると言います。

榎本 「他部署の部会で発表をしたり、社内の部活動では野球部に入っています。コロナ以前は、社内のラグビー好きな人に声をかけ、毎年トップリーグ観戦に行っていました。知り合いの社員が増えたら単純に私が嬉しいということも大いにありますが(笑)
“ほっこり”を届けるために、何かあったら、まず榎本に聞いてみようと思ってもらえるようになりたいですね。

社内の勉強会にも参加していますが、技術的な話になるとついていけないこともしばしば(笑)。ただ、勉強会に参加すると『今この人はこんな技術を使っているんだ』とわかります。そうすると、別の場で、その分野に興味がある社員に出会ったときに、『この技術はこの人に聞くと良いですよ』と紹介でき、“ほっこり”につながります。今後も色々なコミュニティに参加したいです」

成長のターニングポイントになった、社員との対話

▲ラグビー観戦後の懇親会にて、さまざまな社員と接点をつくる榎本(写真右)

榎本の成長を加速させた出来事として、価値観を大きく変えた2人の社員との出会いがあります。

1人が、2016年に異動してきた上司です。当時採用業務を担当していた榎本の新しい上司は、SE出身。業務知識は既存メンバーのほうが多く、上司は、メンバーの業務に対して「これ何でやってるの?」とよく聞いていました。

榎本 「『なんでそんなこと聞くの?』と、自分の業務が否定されたように感じたメンバーもいたようです。私も最初はそう思っていましたが、ふと『単純にわからないから聞いているんだ』と気づいたんです。それなら理由を説明しないと、と思ったときに、説明できないものがあったんです。

それからは、目的意識を強く持つようになりました。上司は、社内研修の一環でコーチングを時間をかけて学んでいたので、本当は業務内容をわからないからではなく、私たちが気付かないうちにコーチングをされていたのかもしれません。ただ、自分でも変わったなと思います。『本当にこれでいいの?』と、都度自分を疑っています。その影響なのか、『理系っぽいよね』と言われることが多くなりました。ド文系ですけどね(笑)」

もう1人が、メンターです。“人間中心”を経営理念の1つに掲げるクレスコでは、人財育成プログラムの一環として“メンター制度”があります。通常のOJTは同じ部門内のタテの関係性でつながりますが、クレスコのメンター制度では、他部門社員とナナメの関係性でつながり、メンター・メンティーが互いに刺激しあい、気づき・学びを得ています。

2017年にメンティーとしてメンター制度の対象者となった榎本は、SEのメンターとの対話の中で大事な気づきを得ました。

榎本 「印象的だったのは、メンターの業務経歴の話です。数カ月単位の短期の開発が多かったと教えてもらいました。そのとき、最初から終了時期がわかっている、短期の案件では、モチベーションが上がらないこともあるのではと聞いたら、『逆にこの期間しかここに居られないとわかっているからこそ、持ち帰れるものは何でも持ち帰ってやろうと思い、自分と違うチームの人と話して知識の幅を広げた』という答えが返ってきたんです」

それまで「何事も自分の学びにつながる」という考えを持っていた榎本は、その学びが何かを経験した結果の副産物でしかなく、自分から能動的に学んだ結果ではないことに気付き、はっとさせられたと言います。

榎本 「もっと主体的に、こだわりを持って取り組もうという意識が高まりました。新規で業務を担当するときに、事前にインプットする量を格段に増やしたのはその一環です。

メンティーの期間終了後の2018年から2年間、コーチング研修事務局を担当しましたが、このとき事前にコーチングの前提知識をつけることで、新しくコーチングを学ぶ人への質疑応答もしっかりとできるようになりました。コーチング研修業者の方に『コーチングを学ばれていたんですか?』と聞かれたときは、心の中でニヤつきました(笑)」

上司との出会いで身についた目的意識と、メンターとの出会いで気付いた主体性。その2つが“ほっこり”を届けるための大きなポイントになっています。


双方向コミュニケーションの次なるステージへ、「成長」に込めた思い

▲経営戦略統括部 経営企画室 榎本 悠

榎本は、経営企画室着任後に新しく企画した社内ラジオ“くれらじ”の企画運営を任されています。コロナ禍で在宅勤務の社員も多い中、くれらじは、会社の今を“声”で届ける新しい配信コンテンツです。

榎本 「在宅勤務者が増えて、『雑談が減っちゃったね』という声を多くの社員から聞いていたので、会話ではないけれど、“声”を届けられるラジオは良いのではと思いました。そこから、ラジオをテーマにした漫画を読んだり、大好きなPerfumeのラジオを聴き直したりと、勉強しながら形にしていきました」

くれらじの内容は、“リスナーからのメール”と称した社員アンケートが元になっています。「自分が社長だったらクレスコをどうするか」「テレワークあるある」などの企画コーナーがありますが、その内容も全てリスナーの声を反映したものです。

榎本 「できるだけ双方向感を出せるように意識しています。ラジオは初めての試みで、リスナーからのメールが来るか不安でしたが、予想より多くのメールが来て、とても嬉しく思っています。“ほっこり”感を出すために、あえてゆるいトーンで配信しているのですが、その雰囲気も好評でした。

印象的なメールは、社歴が浅いであろうリスナーからの『創業時の想いを聞きたい』という内容です。このメールをきっかけに、創業時の社長である岩﨑会長にゲスト出演を依頼したところ、二つ返事でOKをいただきました。経営者と距離が近いところも、クレスコの良い点だと思います」

「ラジオ聞きました」など、社員から直接反応をもらえることもあり、くれらじにやりがいを感じている榎本ですが、目的意識はしっかりと持ち続けています。

榎本 「社員にとって、ラジオではなく他の媒体が適しているのであれば、ラジオはやめてより適している媒体にパワーをかけるべきだと考えていました。なので、くれらじを数回配信してみて、続行するかをリスナーに投票してもらいました。結果、続行することになったので、本腰を入れてパワーアップを図っているところです。企画を増やして、品質改善もしたいです。 ずっと『音質イマイチですね』と言われていたので(笑)

こうした活動が、社員の幸せにつながればいいなと思っているんです。人によって嬉しいと思うことは違いますし、千人を超える社員に対して、私一人ができることは少ないと思います。ただ、せっかく仕事をするならば、より楽しく、よりやりがいを持ってる、よりポジティブな状態になってもらえるようにしていきたいんです。そうすれば社員が成長して、もっと良い状態になる、好循環ができると思っています」

クレスコの社名の由来はラテン語で“成長”を意味します。社員の成長、社員の幸せのために、少しでも力になりたい。

そのために自分も成長していく。

そんな大きな野望を抱えながら、今日も榎本は走り続けます。