テレビビジネスの軸である、営業職。スポンサーの理想に沿った番組を企画
大亀が所属している東京オフィス営業部は、ABCの番組作りを支える重要な部署です。部としてのミッションは、各スポンサー企業からの広告出稿を獲得すること。「ABCの番組の中にスポンサーのニーズを取り入れ、広告費をいただく」という、テレビビジネスの根幹と言える仕事です。
そんな営業部の業務の中でも、大亀は「企画担当」を務めています。
大亀 「企画担当は、スポンサーからの要望を受け、番組企画を作っていきます。たとえばクライアントから、『ABCのこの番組で、うちの商品を露出してほしい』とか、『うちの新店舗にロケに来てほしい』といった依頼を受けることがあるんです。そのような依頼があった際に、商品や店舗をどういう形で番組に落とし込めるのかを考えます」
企画を練るところから始め、番組の制作サイドへの打診、調整までを一手に担います。
大亀 「番組にはいろいろなコーナーがあって、それぞれに方針や狙いがあるので、どうマッチングさせられるかというのをできる限り具体的に考えます。その後、実際に番組のディレクターと打ち合わせを重ねることも多くあります。打診した企画が難しそうな場合には、『この内容ならおもしろそう』という合格ラインを見つけて、実現できるように調整します。
ただ、クライアントに寄り添うのはもちろん大事ですが、その結果番組がつまらなくなったり、番組の価値を傷つけたりしてしまったら、本末転倒。なので、制作サイドには番組のコンセプトや目的を何よりも大事にしてもらって、その上で企画を提案することを心がけています」
どの番組に、どんな企画で出せばマッチングするのか。スポンサー企業が掲げる目的と、番組としてのおもしろさが両方達成されるよう、最適解を探ります。
大亀 「ABCにはいろいろな番組やコーナーがあるので、場合によってはスポンサーの希望とは別の番組に振ることもあります」
企画担当は、大亀を入れて5名という精鋭部隊。大亀は、主任を務めています。
大亀 「東京オフィスには、年齢層も性別も、経験もさまざまなメンバーが集まっています。主任として、メンバーの働きやすさに寄り添うように意識していますね。たとえば、小さな子どもがいるメンバーには夕方以降は仕事を振らないなどです。
チーム作りの参考にしているのは、若手のころに所属していたチーム。チームワークが強く、みんなフォローし合う雰囲気があって、すごく素敵だったんです。そのチームを参考にしつつ、楽しいことをみんなで共有しながら働ける環境をめざしています」
入社のきっかけは、「おもしろい人と一緒に、おもしろい仕事をしたかった」
大亀は、関西出身。幼少期からABCの番組に慣れ親しんできました。
大亀 「『熱闘甲子園』は昔から大好きな番組です。『おはよう朝日です』も母の影響で小さいときから観ていました。ABCをとても身近に感じてきたこともあり、自分もABCに入っておもしろい番組を作ってみたいなと思うようになりました。それに、こんなにいい番組を作れるなんて、きっとABCには楽しい人たちがたくさんいるんだろうなと思ったんです」
ABCの面接やグループディスカッションなどを通して、会社が出すテーマに対しておもしろさを感じたり、「こんなユニークな考え方をする人がいるんだ」という発見をしたりすることで、大亀は「ABCにはおもしろい仕事と人が集まっている」と確信。しかもおもしろいだけでなく、根底に「優しさ」がある人たちばかりだと感じ、さらに魅せられたと言います。
こうして2006年に入社。初めて配属されたのは、営業職でした。4年半ほど外回り営業を経験。2010年の秋に、報道記者への異動が通達されます。
大亀 「報道記者にはもともと興味があったので、異動が決まったときはすごく嬉しかったです。異動してからは半年かけて、基礎的なことをみっちり学びました。
そして、2011年3月。東日本大震災が起こります。学んできた基礎を胸に東北の現場に入り、瓦礫の山や、被災した方々の状況を取材しました。数年後には福島第二原発の視察にも行きました。被災地取材はいまだに、一番記憶に残っている仕事です」
大亀は、約10日間の現地滞在を何度も重ねながら、東北の状況を取材し続けました。
大亀 「取材しているうちに、どうしても気持ちが暗くなってしまうこともありました。そんなときに、逆に被災地の方々から優しさをもらうこともありましたね。名物の練り物を『食べて食べて』と笑顔で差し出してくれた人もいましたし、『わざわざ関西から来てくれてありがとう』と言ってくれた人もいました。人情味を感じて、今でもその温かさを覚えています。
その後も、震災から半年、1年のタイミングで取材を実施。取材先の方たちとは、どんどん仲良くなっていきました。プライベート同然の付き合いになった方もいて、今も、どうしているんだろうと気になることもあり、年末に会いに行くような関係を築いています」
震災の取材に取り組みつつ、事件担当や市役所担当として、日々のニュースも追いました。
大亀 「記者として現場に立ち肌で感じる景色は、テレビで見ているものとは大きく異なります。市役所担当のときは、当時の市長に直接取材をしてお話を聞いたこともありました。ずっとテレビで見ていた人とお話できるなど、貴重な経験をたくさんさせてもらいましたね」
東京の営業部へ。培ったスキルを総動員して、営業目線でコンテンツを作る
およそ3年半、記者として奔走した大亀。2014年には、朝の情報番組『おはよう朝日です』のディレクターを務めることになります。
大亀 「ディレクター時代は、とにかく楽しかった記憶ばかりです。情報番組なので、好きなものを取材して、テレビに出して、という仕事をしていました。たとえばラーメンとかカレーとか、自分が好きな分野の企画にトライして、店舗の人たちが集まる会に、ほぼプライベートで呼んでもらったりもして。そのときに出会ったラーメン店やカレー店の方たちとは、いまだに連絡を取っていたり、関西に帰省するたびに会ったりしています。
視聴率も良かったので、たくさんの方から反響があり、手応えを感じていました」
報道記者時代と同様、取材を通して、たくさんの人と出会いました。夢中で取り組んでいたからこそ、2017年に東京の営業部への内示が来たときには、名残惜しさがありました。
大亀 「最初はどうして……。と思ったし、東京行きも気が進みませんでした(笑)。でも、東京のスポンサーは規模が大きいので、その分できる仕事の幅も大きくて。6年目になりますが、今ではやりがいを感じています。
ずっと大好きだった『熱闘甲子園』に携わることもできました。当然、営業としての関わり方なので、選手に会いに行って取材をして……。というわけにはいかないのですが、クライアントと一緒に番組企画の外側を作りました。今まで経験したことないおもしろさがありましたね」
2023年3月現在、担当している企画担当の業務に、報道記者やディレクターとしての経験が役に立つこともしばしばです。
大亀 「番組作りのスキルを培ってきたことは、大きな糧になっています。制作側の考えやこだわりを汲んだ状況でコミュニケーションが取れるので。番組作りをまったく経験していない場合より、圧倒的に取り組みやすいと思います」
普通ではできない貴重な経験ができる。ABCで働く幸せ
大亀は最近、心境の変化を自覚しています。
大亀 「いつかは番組作りに戻りたいという気持ちがずっとあったのですが、最近は若手社員たちのバックアップ業務をするのもいいなと思うようになったんです。
というのも、番組作りや営業の外回りなどの業務は、若い人たちにたくさん経験してもらいたいからです。若手がいろいろな部署でスキルアップしていけるといいなって。少し前までは、自分がおもしろい仕事ができるかどうかばかり考えていましたが(笑)、年次が上がって感覚が変わってきましたね」
そんな大亀が、今描いている今後の展望は。
大亀 「とにかく今の時代に合わせた企画をABCからたくさん生み出していきたいです。そのために、自分自身もできるだけアンテナを張り巡らせて、世の中のことを吸収していきます」
ABCに入社して「本当にラッキーだった」と大亀は振り返ります。
大亀 「著名人と直接話せるのはABCの肩書があるおかげですし、被災地に行きたいと思ってすぐに現場入りできたのも、報道記者だったからです。自分が関心のあることを取材して、番組内で企画の実現をする経験もできました。記者、ディレクターそして営業と、たくさんの立場で、普通じゃできないような仕事を味わってきました。本当に幸せなことだと思います」
最後に、これから仲間になろうとしている方たちに伝えたいことがあります。
大亀 「ABCは、いろいろな経験ができる会社です。そして、本当にいい人が多い環境。ABCに飛び込んできてもらったら、きっとみなさんの人生の糧になるような、楽しい仕事に出会えるはずです。
ABCには、みなさんのおもしろさを引き出してくれる人がたくさんいるので、まずは一度面接などで、当社の社員に会ってみてください。ABCの魅力を感じてもらえたら、嬉しいです」
さまざまな角度でテレビ局の仕事に関わってきた大亀。舞台を変えながらも、全力投球を続けてきました。そんなまっすぐな姿勢を武器に、これからもABCを支えていきます。