ホームセンターの現場が好きだからこそ、一旦離れた──キャリア初期の決断

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高校時代から、地元にある大手ホームセンターでアルバイトをしていたという竹中。

竹中 「小さいころは家族とよくホームセンターに行って、ペットコーナーで買い物をしたり、食事を楽しんだりしていました。あの楽しい思い出を、皆様に提供する立場になれたらと思ったんですよね。実際に仕事をしてみると、おもしろくて。店長を目指して本格的に仕事をしたいと感じ、アルバイトから契約社員になりました」

同店では、主に園芸部門を担当。印象的な出来事を次のように話します。

竹中 「当時、園芸部門の売上が思うように伸びない、という課題を抱えていました。いろいろと改善案を考える中で、『ショッピングカートの配置がよくないのでは』と思い当たったんです。そこで、お客様がより買い物しやすいように、カート置き場を変えてみたところ、前年比200%の売上を達成できました」

実績を作り、入社4年目には店舗管理職という役職に就くなど、順調なキャリアアップを果たした竹中。しかし、ある壁にぶつかりました。

竹中 「毎日の売上を管理する中で、小売業のリアル店舗は今後厳しい状況になっていくと感じたんです。というのも、当時はECサイトがぐんぐん急成長していて、小売業の売上を奪っていて。それを見て、今後もホームセンターの仕事をしたいなら、あえて一旦ECの世界を見たほうがいいと思いました。そこで、大手ショッピングサイトを運営する企業に転職しました」

転職後は、物流倉庫で売上改善のための工程管理に従事します。

竹中 「その会社の最大のミッションは、時間通りにお客様に商品を届けること。おかげで効率的な物流システムを学べたのですが、スピードを重視するあまり、小売を経験した私からすると顧客視点が足りないようにも感じました。視点を変えて改めて見てみると、ECはたしかに便利ですが、まだまだ、小売のリアル店舗にも可能性があると感じました」

小売業の可能性を再発見し、ホームセンターの世界に戻ろうと決意。たどり着いたのが、カインズでした。

竹中 「福利厚生が充実している点、そして、オリジナル商品が充実している点が入社の決め手でした。カインズのオリジナル商品は、安いだけでなく、機能面・デザイン面にも工夫が凝らされています。ECに勢いがあるこの時代に、価格・質を両立した商品を自社で持っていることは、大きな強みになると感じました。売上的にも業界のトップシェアだったので、カインズ一択だと思って入社を決めましたね」

前職でマネジメントに苦戦した経験が、現在の糧に

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2023年1月現在、姫路大津店で住まいづくりに関連する商材を扱う部門でマネジャー代行として活躍する竹中。

竹中 「主にインテリアや家電、リフォームなどの商品を扱っています。接客やお問い合わせ対応のほか、売場づくりにも注力し、毎日の売上を追いながら、部門の目標管理を担当しています。

売場づくりで意識しているのは、現状維持や指示された作業のみで満足しないこと。たとえば季節品を展示するときは『去年とは違う工夫をしてみよう』と考え、自店舗ならではの展開をすることで、1点でも多くの商品を購入していただけるような売場を目指しています」

近隣のお店に足を運び、どんな商品がならんでいるのか、チェックすることもしばしば。展示方法にもこだわります。

竹中 「家電であれば、お客様が使用するシーンをイメージしやすいように、実際に稼働できる状態で置くんです。触って試せる、五感に訴えかける売場を意識していますね。お客様目線を持ち、店内を楽しんでいただければと思いながら取り組んでいます」

カインズでは、社名の由来でもある「Kindness:親切心」という言葉を全社的に掲げています。すべての活動において、プロフェッショナルとして自分を律する強さと、相手の気持ちを汲み取る豊かな想像力、相手を心から大切にする愛を持つこと。Kindnessの連鎖を起こすことを目指しています。

竹中は、まさにそのKindnessを体現するメンバー(従業員)のひとり。お客様に対してはもちろん、メンバーに対してもその心を忘れません。

竹中 「『1対大人数』より、『1対1』のコミュニケーションを大事にして、メンバーと関わっています。1対1のコミュニケーションの大切さを思い知ったのは、1社目の大手ホームセンター時代。当時22歳で100人以上の部下がいる役職に就いたものの、うまく指示が出せなくて。マネジメントに苦戦した経験がありました。

打開策として、まずは自分のことを知ってもらおうと積極的に会話をしました。ノートを作り、全員との会話内容をしっかりインプットし、次のコミュニケーションに活かしていった結果、徐々に信頼を得ている実感があり、指示を聞いてもらえるようになったんです。この経験から、コミュニケーションの重要性を痛感し、今でも毎回、出勤している50人ほどのメンバーと、可能な限りコミュニケーションをとるよう心がけています」

フットワーク軽く周囲の従業員をサポート。“困ったときに頼れる”存在に

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お客様やメンバーに対してKindnessな対応を心がけてきた竹中は、2021年度、優秀なメンバーを表彰するエクセレントメンバーに選出されました。

竹中 「選出されたときはうれしかったです。匿名で寄せられた投票理由も見せてもらいました。『コミュニケーションを取ってくれる』『話を聞いてくれる』という声が多かった中、とりわけうれしかったのは『フットワークが軽くて、何か困ったときに助けに来てくれる』という声。

私たちメンバーは、毎日インカムをつけていて、困ったことがあればインカムを通して、他のメンバーの助けを求めます。その中で私は、たとえ他の部門メンバーからの問い合わせでも、困っているならその人のもとへ飛んでいくようにしてきました。ホームセンターでの勤務歴が長いので、担当外でもだいたいのことは理解しているからです。そうした心がけがメンバーの皆さんに喜んでもらえていると知ったときは、やってきてよかったなと思いました」

そんな竹中が現在トライしているのは、リフォーム部門の業務改善。主にリフォームと外構工事を受け付ける“形のない商品”を扱う部署です。

竹中 「この部門では、見積もりまでは依頼されるものの、そこからの成約率が伸び悩んでいました。原因を探ってみると、見積もりを出したあとのフォロー体制がうまく機能していないことがわかりました。たとえば検討状況を伺う電話をかけてお客様が不在だったとき、後日電話をかけ直すということが徹底できていないケースが目立っていたのです。

リフォーム領域は、商品に形がない分、受注のためには、お客様との信頼構築が不可欠です。そこで私は、現状連絡がついていないお客様のリストを、毎週金曜にメンバーに共有することにしました。そして、連絡がつかないケースを放置せず、再度電話をかけてもらうように呼びかけました。すると土日の来店につながり、半年間で成約率を2%アップさせることができたんです。

2%というわずかな数字ではありますが、少しでも契約をしてくださったお客様が増えたことに、大きな達成感を覚えましたね。今後も成約率をさらに伸ばしていけるように、頑張ろうと思います」

自分が台風の目になって、周囲に活気を作っていけるような人材になりたい

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竹中 「転職前は、カインズは規模が大きいので、ルールが厳しい体育会系企業だろうと思っていました。でも、その印象は、内定をもらってすぐに変わりましたね。実は、内定をもらってから入社まで、私の都合で3カ月近く待ってもらったのですが、人事の方が『入社時期はいつでもいいので、お待ちしております』と言ってくれて、思いやりの心を感じました」

竹中が抱いたイメージは入社後も変わりません。

竹中 「入社直後、職場に馴染めるのか不安だったのですが、メンバーの皆さんが積極的に声をかけてくれて、働きやすい環境を整えてくれたんです。さらに、当時は寮で生活をしていたのですが、土地勘がない私に皆さんが近くのおすすめスーパーを教えてくれるなど、仕事でも仕事以外の部分でも、本当に親切にしてもらいました」

働きやすい環境で、周囲のメンバーに支えられてきたことに感謝しているからこそ、これからは自分が周囲を支えたいと話す竹中。

竹中 「皆さんにKindnessを提供するために、とくに大事にしたいのは、やはりコミュニケーションです。自分からコミュニケーションをとって、台風の目となり、周囲に活気を作っていく存在になりたいですね」

そんな竹中が思う、今のカインズが求める人材とは。

竹中 「カインズは、強い実行力で、どんどん変化する会社です。レジのない無人店舗の実証実験にいち早く取り組んだり、インテリアコーディネートを訴求するために本部の横に一軒家のスタジオを建てたり。前例がないことや『そこまでやるのか!』ということをスピーディーに実行します。だからこそ、変化していくスピードに積極的に対応できる、柔軟な発想を持った方に入社いただけたら頼もしいですね」

 自分の軸を持ちつつも、物腰柔らかにKindnessを体現する竹中。お客様にも、メンバーにも丁寧・真摯に向き合う彼の存在が、カインズの未来を明るく照らしています。