必要なのは語学だけではない。幅広い知識が必要だからこそ、日々勉強

2人が所属する海外商品グループは、バイヤーと共にオリジナル商品を開発しているセクション。開発の工程においては、中国を中心とした海外各国の企業とのやり取りが多く発生します。その窓口を務めるのも、海外商品グループの役割です。

南 「私は現在、キッチン用品やオフィス用品を担当しています。仕事内容は、たとえばバイヤーが『こんな商品を開発したい』といったときに、それを製造できる工場を探したり、サンプルを作ってもらったり、価格や仕様を決定したりという、オリジナルブランド開発のサポートですね」

文 「私はペットSBUに所属していて、私は犬舎やキャットタワーなど犬猫・小動物用の用品やフードを担当しています。おもな仕事は南さんと同じくオリジナルブランド商品の開発とメーカー開発になります」

カインズでは、ナショナルブランド(以下、NB)と呼ばれるメーカー製品を仕入れることもありますが、南と文が主に担っているのはカインズオリジナル商品。カインズならではの高品質で価格も手頃な商品を、バイヤーと連携しながら開発しているのです。

文 「『商品開発』と一言でいっても、私たちは、市場調査や品質検査、輸入関連業務など一連の工程に携わります。なので、語学が堪能というだけではダメで、あらゆる情報を知っておく必要があります。もちろん社内の専門部署と連携しながら進めますが、知識を増やすためにも、日々勉強が欠かせません」

南 「そうなんですよね。原価をより抑える方法や、販売数を伸ばすための方法を考えるなど、いろいろな提案もします。ただの窓口ではなく、たくさんの知識や情報が必要なセクションなのです」

海外商品グループには、日本・中国・台湾といった、さまざまなバックグラウンドを持つ25名ほどのメンバーが在籍。知識が重要な部署であるからこそ、必要な情報は全員で共有するように心掛けています。

南 「コミュニケーションがよく取れている部署だと思います。コロナ禍の今は難しくなりましたが、以前はよくチームみんなで大きなテーブルを囲んで、ランチタイムを楽しんでいました」

文 「以前は、食事会も頻繁にしていましたよね。オフの時間にはプライベートの話もしているので、仕事上でわからないことがあったときも、気軽に聞けるような関係性ができています」

チームワークが何より大事。誰かの苦手は、誰かの得意で埋める

実際に商品開発を進めるときには、部署の垣根を超えて各事業部のチームの一員となる文と南。2人が仕事をする上でもっとも大切にしているのは、「チームワーク」です。

南 「チームワークは、何よりも大事ですね。チームで力を合わせないと、計画通りに進みません。スケジュールや、完成品のイメージをみんなで共有することは、とても重要です」

文 「確かにそうですね。それに、チームメンバーの性格やスキルを理解していれば、それぞれの強み・弱みを補い合うことができます。たとえば、私の強みは中国語の語学力。話せるだけでなく、中国ならではの文化やビジネス上のルールも知っているので、交渉には自信を持って臨めます。

でも反対に、店内での販促を考える場合は、日本の文化やお客様の好みを知っている日本人バイヤーのほうが得意。それぞれ性格が違いますし、仕事のやり方も違いますが、お互いの不得意をお互いの得意で補い合うのがチームワークですね」

チームワークを大事にする姿勢は、社内だけにとどまりません。取引先である中国の企業に対しても、ワンチームとしての想いを持って関わっています。

南 「カインズは、できるだけ安く品質の良いものを作るために、取引先に細かい要望を出すことがあります。中国の取引先には、なかなか理解してもらえないこともありますが、伝わるまで粘り強く説明します。

また、商品が店頭に並ぶと、その様子を写真に撮り、製造してくれた取引先に送ることも。喜びを共有しながら、信頼関係を構築できるように心掛けていますね」

社内、社外が一丸となって進める商品開発。その先に見たいのは、やはりお客様の笑顔です。

南 「お客様に喜んでもらうための商品開発です。だからこそ、常にお客様の立場で物事を考えることが重要。新商品を企画するときは、『お客様が本当に必要なものはなにか?』『それを必要とする背景は?気持ちは?』という部分まで、しっかりと考え抜くようにしています」

「今は子どものそばにいてあげて」──自責の念から救ってくれた言葉

商品開発という仕事以外にも、文と南には「小学1年生の子どもを持つママ」という共通点が(2021年12月現在)。育休からの復帰当初は、仕事と子育ての両立が上手くいかず、思い悩んだ時期もありました。

文 「印象深いのは、子どもを産んで復帰した直後のことです。子どもが発熱して保育園に預けられないことが続き、頻繁に仕事を休まなければなりませんでした。私が休むせいで仕事自体がストップしてしまうこともあり、ネガティブな気持ちになって、仕事を辞めようかと考えるくらい落ち込んだことも……。そんなとき、周囲の人たちが優しく声をかけてくれたのです」

文を救ったのは、「今さえ乗り越えれば大丈夫だよ」「今が一番、ママを必要とする時期なんだから、子どもの側にいてあげなさい」という温かな言葉でした。

文 「その言葉で精神的に癒されて、もうちょっと踏ん張ってみようかなと思えました。復帰後はずっと時短勤務で働いていますが、周囲の思いやりを日々感じています」

南 「文さんと同じような経験を、私もしました。保育園に入りたてのころって、子どもはよく熱を出すんですよね。休みをもらうことについ自分を責めてしまっていましたが、周囲の開発メンバーが必ずフォローしてくれました。みんなが助けてくれたことで、乗り越えられています。今でも部長は、『子どもに何かあったら遠慮せずにいってね』といってくれます。その一言だけで、両立して頑張っていけるなと思えるんです」

南は現在、鉛筆削り機や卓上クリーナーなどの学童用品の開発も担当。子どもに実際に商品を使ってもらうことで、アイデアを得ることもあります。子育てでの経験を仕事に活かることは、両立のモチベーションにも繋がります。

南 「女性にとっても、カインズはとても働きやすい会社だと思います。女性の皆さんには、出産しても諦めずに仕事を続けてほしいです」

カインズなら、もっと女性が輝ける。お客様が本当に喜ぶ商品を目指して

仕事と子育てを両立しながら積み重ねてきた、それぞれのキャリア。その先に2人は、どんなビジョンを描いているのでしょうか。

文 「私は、商品開発のスペシャリストになりたいと思っています。そのために、いろいろな知識をさらに身につけて、より良い品質のものを届け続けたいと思っています」

文が目指す「品質の良さ」とは、優れた機能を持ちながらデザイン性も高い、本当の意味でお客様が喜ぶような商品。

文 「オンラインショップのお客様レビューで、自分が携わったインテリアタワー NECOTA セットカーサについて、インテリアになじむ素敵なデザインで、組立も一瞬、猫の関心もよいのでとても満足していますなどのコメントを見るととてもやりがいを感じます。こちらの商品はGOOD DESIGN AWARD賞とreddot award賞も受賞し、私も社内で開発懸賞をいただいております。だからこそ、今以上に良い商品を、たくさん世に送り出したいのです。カインズの商品をリピートしてくれるお客様が増えれば、それが原動力になって、連鎖的にもっと良い商品が生み出される──そんな状態を目指しています」

一方の南は、商品開発以外の仕事にも取り組んでみたいと語ります。

南 「将来はアシスタントバイヤーもやってみたいですし、他にも、さまざまな部署に挑戦して仕事の幅を広げたいと思っています。実は今、大学院で法律の勉強もしていて、資格取得に向けてチャレンジしているところです」

さらに南は、家庭用品を多く取り扱うカインズだからこそ、女性がもっと活躍してほしいと語ります。「家庭で使用する商品ついては、女性が8割の購買意思決定権を持っている」という調査結果があるように、女性の視点を活かして働ける環境だと考えているのです。

南 「中国人として日本に来たときにも感じたのですが、日本社会では、もっと女性の活躍の場が増えてほしいと思うのです。それによって、少子高齢化の労働力不足を解決できるのではないかと。

子育てしながら仕事をするのは確かに大変ですが、どんどん成長する子どもの姿を見るのは嬉しい。『頑張っている姿を子どもにも見せたい』と、エネルギーが湧く女性も多いはずです」

好奇心と向上心を持ちながら、自身の理想のキャリアを目指して歩み続ける文と南。そんな2人の軌跡は、働くママたちの道しるべとして輝くでしょう。