物流子会社とのパイプ役。あらゆる視点で全体の最適解を求める日々

私は、SCM(サプライチェーンマネジメント)統括部の国内ロジスティクス部に所属しています。店舗まで安心・安全・正確に商品を届けるために、カインズと物流子会社であるアイシーカーゴとの間のパイプとなるのが私の役割。また、本部と店舗、両方の視点から全体最適を導き出すように調整するのも私の仕事です。

労働人口の減少や消費行動の変化などに影響を受け、サプライチェーンを取り巻く環境は日々変化しています。そのため、顧客ニーズに対しリアルタイムで対応するべく、物流プロセス全体の改善や改革が迫られているのです。一方で、カインズも過渡期の真っただ中。私はSCM統括部の再編成に伴って今年6月、現在の部署に着任しました。

SCM統括部の前は、アイシーカーゴに3年ほど営業部長として出向していました。今も業務内容はそれほど変わってはいませんが、全体最適を叶えるために客観的な目線も取り入れようと考え方は変わりました。全体のバランスを考えた上で、お客様に喜ばれる商品をお届けする。それこそが肝心なので、常々意識しています。

物流周りを担当する以前は、福島や茨城、宮城、愛知などの10店舗で勤務していました。今思い出すと恥ずかしいことですが、当時は商品が入ってくるのは当たり前だと思っていました。しかし、店舗に商品が届くまでのプロセスでは、多くの人が働き、モノが動き、流れているのです。

アイシーカーゴに出向したことで、それまで当たり前だと思っていたことが、実は大変なことだったのだ、と気付きました。

正確できちんと届くのは当たり前の世界です。どんなに良い商品があったとしても、店舗に届けられなければお客様の手にも届かないということです。物流は「物を流す」と書くことからもわかるように、常に流れていないといけません。

物流側で働く人はいわば、縁の下の力持ち的存在。そうした方々の価値を高める活動もしていきたいと考えています。

キャリアを重ねるごとに広がった視野

▲福島県にあるカインズ郡山富田店の店舗外観写真

カインズに入社したのは2000年。実家の近くにあるホームセンターで、いろいろな商品を取り扱っていたことから興味を持ちました。そしてカインズは、私が就職試験を受けた唯一の会社です。

カインズでのキャリアは、会津若松店から始まりました。その後、茨城県の大子、福島県の郡山、白河にある店舗へ異動。再び会津若松に戻り、宮城県の古川、また福島県の郡山に戻り、次は宮城県の仙台富谷店。その後、群馬県でスーパーバイザーを務めるなど、愛知県名古屋大高インター店をはじめ、10年間にいくつもの店舗でキャリアを重ねてきました。

私たちにとって、お客様に「良いもの」を買っていただくことがゴールであり、スタートでもあります。ベイシアグループの経営理念は「For the Customers」。「チェーンストア・イズ・モア・ディスカウントビジネス」に徹するとともに、地域格差を解消し、国民の豊かな生活づくりに貢献するのがグループ全体に共通する使命です。そうした意味でも、店舗に立つことで、大きな学びがありました。

最初は、先輩から“商売とはなんたるか”を学びました。その先輩は本当にお客様をよく見ていたのです。たとえば、品出しをしているときも売り場を作っているときも、発注業務をしているときも、すべてお客様目線で行動していました。その後、福島県の白河店に異動したときにラインマネジャーという現場管理の職位に付いたので、より一層お客様目線の大切さを感じました。

現場を経験した後に、東北エリア長や営業企画部門なども経験したことで、全体を見ることの重要性を学びました。現場で働いているときは自分の店舗のお客様に目を配るだけで良かったのですが、本部では、エリア全体もしくは全国の店舗のお客様、メンバー全体のことを考えて行動しなければなりません。

中でも売り場を作る部署である営業企画では、ひとつの店舗だけにこだわっても意味がないので、ある程度標準化して、規模に応じた売り場展開を意識するようになりました。

とはいえいろいろな視点を持たないと売上にはつながりませんから、店舗は違えど「どこに何を置くと見やすくて手に取りやすいか」などを考えながら、「どうやったら効率よくスムーズに売り場を作れるか」を深く考えるようになったのです。

今向き合う、物流を取り巻く環境とカインズの変化

現在はこれまでの経験を活かし、店舗を基点にした物流サービスを確立するために、ロジスティクス部の意識改革に挑んでいます。店舗メンバーが動きやすく、その上で店舗の生産性に寄与できるように、組織体制の見直しを行う。そこで、アイシーカーゴと国内ロジスティクスを一体化して運営するようになりました。

これまでのロジスティクス部は、全体的に、どのように運べば効率的なのかを最優先に考えていました。しかし、自分たちが運びやすいように動くだけでは、店舗側の利益と相反するケースが生じてしまうこともありました。

たとえば配送した商品は、まず店舗メンバー、配送時に商品を載せているパレットから、運搬用の台車に乗せ換えなければなりません。次に売り場まで運び、さらにカテゴリーごとに細分化してお店の棚に並べなければならない。

このように、商品が店舗に到着してから売り場に並ぶまでにひと手間もふた手間もかかっているため、配送方法にも現場視点を取り入れて改善していきたいと思います。

お店に届く前のプロセス改善にも取り組んでおり、現在、物流センターの機械化を進めています。そのひとつが、商品を配送先ごとに仕分ける自動仕分機器の導入です。数年後には新しいセンターが完成するので、人員を増やしつつも、機械化できることは積極的に機械化していけるよう対応中です。

店舗を基点にして、ロジスティクス部門が働きやすい店舗環境を作るお手伝いができるようになりたいと考えています。

物流を取り巻く環境は、人口減少などによる人手不足と高齢化が深刻な課題となっています。法律の改正(物流総合効率化法)などにも対応する必要があり、ここ数年が勝負だと考えています。

次の世代にバトンタッチするためには、人員を増やしながら機械化を進めることが急務なのです。

受けた恩を次世代へ──店舗メンバーの物流の悩みを解決し、働きやすい環境

カインズ全体が今、まさに変わろうとしているのですから、それに合わせて、物流も変わらないといけません。カインズの物流としてどうあるべきか、を確立させる必要があるのです。全体最適という点では、店舗を基点にした働きやすい環境を構築し、物流に関する煩わしさを解消するために、ロジスティクス部として何ができるかも合わせて考えています。

私は、全国の店舗が抱えている物流の悩みを解消したい。どの店舗も悩みを抱えなくていい状態にするのが理想です。東日本大震災のとき、私は東北エリアの部長でした。本部のフォロー体制にどれだけ助けられたか実体験しているため、今度は私が本部側になり、受けた恩を全国のメンバーに伝える番です。

現場で働いているときも、いろいろな方に支えられたからこそやってこられたのだと、身に染みて感じています。店舗メンバーの物流に関する悩みをすべて受け止めて、相談できる窓口に私自身がなりたいのです。

これまでのカインズの成長は、常にお客様のことを考えて行動する姿勢、一度決めたことは全員が同じ方向に一気に進む徹底力など先輩方が育ててきた企業文化と社風に基づくと言っても過言ではないと思っています。

こうした先輩方の姿勢や培ってきたものを、次世代のメンバーに受け継いでいくのも私の使命。恩返しというより、恩を「継承する」というのが正しいかもしれません。

働きやすい環境を作ることは、メンバーがもっともっとお客様のために行動できることにつながる、そう信じています。