産休・育休を経た、入社理由や経歴が異なる3人の女性社員

▲左から今回のインタビューに参加した社員Sと社員T (場所:café 1886 at Bosch)

知的財産部の社員T、フュージョン・プロジェクト(新社屋建設事業)推進室でCSR・コミュニケーションを担当する社員S、そしてシャシーシステムコントロール事業部でエンジニアとして働く社員W。部署も担当業務も異なる3名ですが、それぞれボッシュの魅力に惹かれて入社しました。

社員T 「私は新卒として就職活動をしていたのですが、入社の決め手となったのは、その頃ボッシュで働いていた大学の先輩から『女性は、ライフスタイルによって働き方を変えなくてはいけない場合がある。だから、ワーク・ライフ・バランスを実現できること、長く働ける会社に入ることがすごく大事だよ』とアドバイスをもらったことです。実際にボッシュで働いている先輩女性のこの言葉でボッシュへの入社を決めました。

学生時代、ドイツに留学し文化や言語を身近に感じていたことも入社を決めた理由のひとつです。ワーク・ライフ・バランスの実現や異文化に触れられることなど、自分の関心があるものすべてがボッシュにあるなと思いました」

社員S 「イギリス留学やオランダでのインターン経験から、ライフスタイルに合わせた多様な働き方ができる環境があるのではないかと感じ、ヨーロッパの会社で働きたいなという想いがありました。ボッシュにはジェンダーにとらわれず活躍できるカルチャーがあり、ヨーロッパでも日本においても歴史がある会社だと知って入社を決めました」

社員W 「私は運転するのが好きだったため、クルマ関係の仕事を中心に就職活動をしていました。会社説明会にてボッシュがABSやESPといったクルマの安全を確保するシステムを開発していることを知って、『人の命を救うことに少しでも貢献したい』と思い、入社を決めました」

それぞれの想いを胸にボッシュへの入社を決めた3人。担当部署でキャリアを積み、産休・育休を経て今に至ります。

社員T 「入社後は役員秘書室配属になり、その3年後に知的財産部へ異動しました。結婚、出産、育休を経て、現在は特許調査に携わっています。特許調査チームは私以外のメンバーはすべて海外なのでオンラインでリアルタイムにコミュニケーションをとりながら、業務を進めています」

社員S 「私は2006年に中途入社し、宣伝部や総務部、事業部長付きアシスタントを経て、コーポレート・コミュニケーション部でCSRを担当。産休・育休を取得後、2019年にフュージョン・プロジェクト推進室へ異動しました。

現在は、新社屋建設事業のCSRやコミュニケーションを担当しています」

社員W 「2007年に入社してから、二輪のブレーキECU開発に携わり、3年後にはクライアント先に出向。その後、四輪ブレーキECU開発の客先担当をし、育休・産休取得後は、時間的な兼ね合いから社内での開発事業に携わるようになりました。

現在はシャシーシステムコントロール事業部で、EMC試験(電磁波によって電子機器類が誤作動しないか確認する試験)などを行うチームにいます。限られた時間のなかで最大限のアウトプットを出すため、効率性を重視し、タスクの優先順位を常に意識しながら業務に携わっています」

個人が望む働き方に配慮した制度や社員が自主的に活動する文化も浸透

▲仕事と子育ての両立について気軽に相談し知恵を出し合えるコミュニティ「Family@Bosch Japan」の発起人の社員S

ボッシュでは、産休・育休から復帰した後にマネージャーのポストに就くケースが少なくありません。社員Tもその一人。仕事と育児の両立にボッシュのさまざまな制度を利用してきました。

社員T 「私は産休・育休から復帰した後、ベビーシッター補助、時短勤務、子の看護休暇制度などを併用していました。マネージャーになった後も、コロナ禍前までは時短勤務を利用していましたね」

知的財産部ではグローバルのメンバーとも「顔を合わせてコミュニケーションをすること」を重視していたため、コロナ禍前は、毎年海外出張の機会がありました。

社員T 「出産前にドイツ本社での3か月間のOJTに行かせてもらったことがありました。育休からの復職後にも同様の機会を与えてもらえたので、希望して1カ月間行かせてもらいました。当時、子どもが1歳くらいだったので不安もありましたが、周りの家族、同僚からのサポートや制度があって、乗り切れたと思っています。私の出張中もベビーシッター補助制度を利用できたので助かりました」

ボッシュの子育て支援に関する取り組みとして、人事制度以外にも「Family@Bosch Japan」というコミュニティがあります。家族を持つ社員のネットワーキングプラットフォームで、主に子育て中の社員同士が、仕事と子育ての両立の悩みなどを含めて気軽に話し、知恵を出し合う場です。

社員S 「自治体などで開催される子ども関連の相談会やセミナーは、平日の日中に行われることが多いので、働いている方はなかなか参加できません。子育て中の小さな悩みであっても、ネットで調べるだけではかえって不安が募ることがあります。私もそうでした。

そんなとき、たまたま同じフロアにいたボッシュの保健師さんから『子どものことでも家族のことでも、なんでも話してくださいね』と声をかけてもらって。そのとき、『会社の中でも子育てについて気軽に話せるコミュニティがあったらいいのではないか』と直感したんです」

2016年、社員Sは同僚たちとFamily@Bosch Japanを発足させました。

コロナ禍でも2020年のクリスマスには、オンラインクリスマス会を開催。副社長のメッカー氏がドイツの子どもたちに人気の聖ニコラウスに扮し、英語、ドイツ語、フランス語、日本語を交え子どもたちの質問にひとつひとつに答えるイベントを行ったところ、参加者から好評を得ました。ボッシュがグローバルでアットホームな会社であることを社員の家族にも知ってもらう良い機会になったといいます。

さらにFamily@Bosch Japanでは、ボッシュにある制度を広く知ってもらうための活動も行っています。

社員S 「ボッシュには、子育てや介護に関する支援制度がありますが、制度があっても具体的な利用方法を知らない社員もいます。そこで、定期開催しているFamily@bosch オンラインランチセッションに、人事担当者をゲストにお迎えし、具体的な制度利用について教えていただいたこともあります。

さらに、その内容を社内SNS・イントラに投稿することで、参加できなかった人にも共有しています。また“小1の壁”など先輩社員を含めてざっくばらんに話せる場も定期的に設けています」

コロナ禍でより孤立しがちな子育てを、同じ制度がある組織内で、いかに仕事と両立しながら効率的に賢く働くことができるか、お互いに知恵を出し合える場づくり。今年5年目となるFamily@bosch Japanコミュニティを通じて、学び励まされることが多いと社員Sは語ります。

個々に合わせて選択できる柔軟な働き方とは

▲産休・育休を経て、現在は特許調査の仕事に携わる社員T

創業者ロバート・ボッシュが提唱した、ワーク・ライフ・バランスの実現。それに向けたさまざまな取り組みは、社員の働きがいやキャリア志向にもつながっています。

社員W 「ボッシュでは、キャリア構築に対して、性差に関係なく道が開かれていると感じます。仕事をしていく上でもオープンな環境が構築されていますし、ダイバーシティが浸透されており、育児による働き方の変更を相談しても、柔軟に対応してくれます。仕事に子育てに、思い切り取り組める環境があると思います」

社員T 「社内結婚した夫に地方勤務の話が出たことがありました。夫婦で相談して単身赴任を希望しました。会社に希望を伝えると、最大限支援してもらえることになって。あのときの制度と運用両面での柔軟なサポートはとてもありがたかったです」

また、今回のコロナ禍により在宅勤務ができる環境になったことは、子育てしながら働く社員にとって、メリットとなる部分もありました。

社員S 「ドイツとの時差で夕方からの会議時間にも参加しやすくなりました。また、在宅勤務中に、中抜けという形で子どもの個人面談やPTAなどに参加することにより、半休を取得せずに業務を進めることができました。これは子育てだけでなく介護などにも共通すると思います」

社員W 「突発的な子どもの対応に対しても臨機応変に仕事のスタイルを変更できるので、とても働きやすくなりました。“在宅だとコミュニケーションが取りにくい”といった懸念もコロナ禍による在宅の浸透で少し改善されたと思います。子育て世代だけではなく、従業員にとって在宅勤務という働き方が浸透がされたのは良いことだと感じています」

プライベートと仕事をはっきり分けてしまうのではなく、あえてひと続きのものと考えることで、より自由度が高くライフスタイルに合った働き方を実現できる。その結果、一人ひとりのパフォーマンスが向上し、良いサイクルが生みだされているようです。

ワーキングマザーとしてのキャリア形成と会社からのサポート

女性がキャリアを形成し、管理職に就くのが当たり前の時代となりつつあります。しかし、一般的にはそのための制度が十分に整っているとはまだいえません。自身が管理職へとステップアップする中、そのことを痛感していると社員Wはいいます。

社員W 「働き方改革や労働環境の改善は、一企業だけの問題ではありません。子育てをするメリットがもっと大きくなり、働きながらでも仕事ができる環境整備を国レベルで推進していけば、ワーキングマザーであってもキャリア形成を考える人が増えていくのではないでしょうか」

これからもボッシュ社内の知的財産活動を盛り上げていきたいと考えている社員Tは、自分の目標を常に問われる環境をポジティブに捉えています。

社員T 「ボッシュはキャリアに関しては『次はどうしたい』、『何をやりたい』という個人の目標を聞かれる機会が多い会社だと思います。上司部下だけでなく同僚同士も積極的にフィードバックし合おうという雰囲気があって、ワークショップ形式で参加型会議が多いのも特徴です。

自分の考えを問われることはプレッシャーでもありますが、声を上げたことについてはフィードバックがあるので、自分を成長させる機会だとポジティブに捉えています」

Family@Bosch Japanを立ち上げ、家族を持つ社員同士がつながるきっかけをつくった社員Sは、次に取り組みたいことをこう話します。

社員S 「外資系企業というと、一般的にはまだ遠い存在のように感じられているかもしれません。しかし、ボッシュは社員を大切にする風土があり、魅力的な人材がいます。そんな社員一人ひとりの魅力は、会社の魅力でもあると思うんです。社員と社員の点をつなぎ、それをこれからは地域社会につなげていくことが、私が今一番やりたいことのひとつです」

子育てと仕事を両立しながら、それぞれの役割を全うすべく奮闘している3人。母親としての立場を経験したからこそ、新たな目線を得ることができました。

社員S 「子育てをしているといろいろな目線を持つことができ、それがビジネスの種になる可能性もあります。“会社にいる時間だけが仕事”と境界線を引くのではなく、身の周りにあるたくさんのヒントにも目を向けて、パフォーマンスを上げていきたいと思っています」

社員T 「可能性という意味では人のポテンシャルは無限だけれど、実際には色んな制約があってそれを活かすチャンスは無限では無いと感じます。

子育中は、育児以外のことに『今は無理』と感じることも多いかもしれません。でも、タイミングを自分で選べるとは限りません。私はまだまだ子育て6年目ですが、その間にも自分では思いがけないタイミングで巡ってきた機会を活かせたこと、『今じゃない』と思って手を出さなかったら2度目の機会が訪れなかったこともあります。

自分の目標を更新することと、チャレンジする気持ちを忘れてはいけないと思いました。仕事と家庭の両立が不安なときは柔軟にサポートしてくれる会社です」

社員W 「たとえば育休で1年仕事を離れる場合に、その時間をどのように捉えるか、考え方によって物事の見方は変わります。『遅れを取ってしまうのではないか』と心配になるかもしれませんが、それは多くの場合、思い込みで、事実ではないと思います。

女性の場合、結婚、出産など、さまざまな理由で働くことが継続できなくなるかもしれません。でも、長い目で見れば、仕事から離れるのは本当にわずかな時間です。 “自分がどうしたいのか”が重要で、その意思さえしっかり持っていれば必ず目標を達成できると思いますよ」

それぞれの部署で活躍する3名の女性たち。健やかなキャリアとライフスタイルを築いていく彼女たちの挑戦は、これからも続きます。