学生たちの思いに応えるため、初のオンラインによるインターンシップを敢行

▲人事部で採用や人材マーケティングに携わっている山本

ボッシュのインターンシップには、3つのプログラムがあります。

1つめが夏休みに実施する「シーズナルインターンシップ」、2つめが3カ月から1年未満の長期に亘って行う「スタンダードインターンシップ」、そして3つめが約2週間、海外の拠点で実施される「グローバルインターンシップ」です。

(*グローバルインターンシップ立ち上げに至るストーリーはこちら

そのなかでもグローバルインターンシップは、国内の大学に通っている理系の学生を対象としており、将来、グローバルな環境でエンジニアとして活躍したいという希望を持つ学生が集まってきます。

今回このインターンシップの運営に携わったのが、山本です。山本は人事部で採用や人材マーケティングに携わっており、採用系サイトの更新や、オンラインあるいは大学に赴いての企業説明会の開催といったPR活動全般を担当しています。

山本 「グローバルインターンシップでは、基本的にはボッシュの海外拠点に赴き、実際の仕事に携わっていただきます。そのため学生からはよく、“英語が堪能でなければだめなのか”という質問を受けます。

ですが、このプログラムでは英語力はそこまで重要視していません。英語力や成績よりも、なぜこのインターンシップに参加したいか、この機会に何を得たいのかなど、しっかりしたビジョンを持っているかどうかを選考基準にしています」

2021年度は100人を超える多数の応募のなかから15人が選出され、8月23日から10日間の日程でインターンシップが行われました。2020年度は、コロナ禍により実施を断念することになりましたが、2021度はベトナムの拠点をオンラインでつなぐ形に切り替え、開催にこぎつけたと言います。

コロナ禍が続く状況のなか、オンラインに切り替えてでも開催する意義を山本はこう語ります。

山本 「一番は学生から望まれているという点です。コロナ禍ということもあり、学生たちから、“どんな形でも実務を経験してみたい”、“オンラインでも良いのでインターンシップを開催してほしい”など、なんとか企業との接点を見出したいという声が数多く上がっていました。学生から望まれている限りは、われわれとしても全力で実施の方向へ進めたいと考え、オンラインでの実施に至りました」

徹底した感染症対策を取りつつ、実車を使ってのテストも体験

グローバルインターンシップの開催期間は、例年であれば実際に海外に赴くため2週間ですが、2021年はオンラインでの実施ということもあり、10日間に短縮。基礎を学ぶ座学から実務に入り、9月1日の最終日には学生たちが取り組んできた成果をプレゼンテーションするまでがプログラムです。

一番の目的として、「ボッシュの実務体験ができること」を掲げているため、インターンシップ用に作られたプログラムではなく、実際にボッシュ・ベトナムが行っている業務に学生とメンターで一緒に携わります。

山本 「2021年度は、ベトナムのパワートレインソリューション(PS)、シャシーシステムコントロール(CC)、クロスドメイン コンピューティングソリューション(XC)の3事業部の協力を得ました。

15人の学生たちは3人1チームに分かれ、PSに2チーム、CCに2チーム、XCに1チームが合流し、チーム単位で実務を行います。学生たちをサポートするメンターは、ベトナム側が1チームにつき2人、日本からも事業部ごとに1人が担当する形を取りました」

当初は、横浜事務所とベトナムをオンラインでつなぐ形を計画していましたが、インターンシップ開始前に緊急事態宣言が延長されたため、急遽、学生たちの宿泊先であるホテルとベトナムの拠点をつなぐ方法に変更。

事務所に来ることさえ困難な見通しでしたが、山本たちの努力で、実車テストも含めて一部の業務は、横浜事務所での実施が可能になったのです。

山本 「10日間もホテルでずっと業務に携わるとなると、学生たちにかなり窮屈な思いをさせてしまうと思い、何度かは新型コロナウイルス感染症の対策を十分にしたうえで事務所に出社できるよう調整しました。2日に1回の抗原検査をはじめ、徹底した安全対策をとっていました。

実車でのテストをはじめ、空いた時間には簡単なオフィス見学も実施でき、オンラインではできない体験を少しは味わってもらえたのではないかと思っています」

実際に、参加した学生たちからは「人事の方のおかげで、オンラインだけではない貴重な経験ができた」という声も上がっています。

山本 「オンラインでの実施もそうですが、一番は学生の安全を考えていましたので、万一陽性者が出た場合の対処法なども考えていました。ただ、こういった状況下でも、できる限りの体験をしていただきたかった。直接顔を合わせて会える機会も限られていましたが、最後は学生同士が非常に仲良くなっていました。制約が多かったなかでも関係性が構築できたことが、本当にうれしかったですね」

物理的距離があるからこそ大切にした学生との距離、オンラインならではの発見も

学生たちが打ち解けたことに喜びを感じている山本ですが、そんな山本自身もまた、学生たちに気兼ねなく接してもらえるよう、意識していたことがあります。

山本 「学生との距離を大事に考えていました。企業の人事担当というと、どうしても堅いイメージがあり、近寄りがたく思われがちなのですが、私も20代なので年齢も近い。だから、気軽に何でも話してもらえるような立場でいようと思っていました。10日間一緒にいて、そんな感じになれたのではないかと思います。

今でもたまに連絡をくれる学生もいて、人事担当というよりは、ボッシュの気さくに話せる先輩という印象をもってくれたのではないかと思っています」

山本のほか、ベトナムや日本のメンターなど、学生と直接かかわる社員に比較的若手をアサインしたところも配慮のひとつです。参加した学生たちは「実務の内容は難しかったが、とにかく人事やメンターの方が優しく丁寧に教えてくれた」と口を揃えるほど。学生たちを全力でサポートしようという姿勢が前向きな結果をもたらしました。

一方で、オンラインでの実施は、思い描いていたイメージとのギャップもあったと言います。

山本 「思っていた以上に、学生たちがオンラインに慣れていました。オフラインの場合、現地に行って顔を合わせながらプロジェクトを進められるのは大きな強みですが、社員が普通に働いている環境では、どうしても自分達が邪魔をしていないかという遠慮が出てしまいます。

オンラインでも最初は遠慮がありましたが、こちらが『どんどん質問して良いよ』と言えば、自分からスカイプをつないで質問したり、会議の招待を入れたりと、活発にコミュニケーションを取れるようになったんです。この辺りは感心しましたね」

また実務以外では、山本が学生から教わることもあったと言います。

山本 「細かい話ですが、インターネットへの接続方法など、『この設定の方が、速度が早くなるのでみんなに伝えてほしい』と学生の方から自発的に提案してくれたこともありました。

グローバルインターンシップを開催する前は、完全オンラインでグローバル感を出せるのか、ホテルからの参加になっても学生たちが満足してくれるのか、得られるものはあるのかなど、自分のなかにも迷いはあったのですが、蓋を開けてみれば、良い結果につながったことが多かった。私をはじめ、運営側として学ぶことがたくさんありました」

意欲をもった学生たちが、自分の将来を垣間見える機会に

「グローバルインターンシップのオンライン開催」という初の試みを成功させた山本ですが、一方で、インターンシップ自体の課題も残ったと言います。

山本 「本当に多くの学生から応募があったのですが、募集人数の枠が小さかったために、実際に参加できる人数が少なかったことが課題です。応募学生は、しっかりした考え方を持った優秀な方が非常に多いです。最終選考会では、この学生にも参加してほしいと思ったことが何度もあります。

ですので、今後はもう少し、プロジェクトの参加学生を増やし、チーム数を増やしたいと思っています。例年なら、ベトナム以外にインドなどにも行けたので、もう少し多くの学生に参加機会がありました。今後は拠点の数も増やし、もっといろんな体験をしてもらえるように工夫したいと思っています」

「優秀な学生が多い」という山本ですが、これは決して英語が堪能だとか、成績が良いということではありません。外資系という点で英語の壁を感じていても、挑戦したい気持ちがある人にはぜひ参加してほしいという思いを抱いていると言います。

山本 「私が学生に対して優秀だと感じるのは、数ある企業のなかからなぜボッシュをインターン先に選んでくれたのか、グローバルインターンシップを通して自分が将来どのようなエンジニアになりたいかを、しっかり言語化できている方です。成長意欲がある方、学ぼうという意思が強い方なら、英語が多少苦手でもぜひチャレンジしてほしいですね。

また、ボッシュのインターンシップは、ワンデーインターンシップのような企業説明だけで終わる形ではなく、実際の業務を経験できる機会です。自分の将来を少し垣間見えるという意味でも、実務を経験したい方には、本当におすすめできるプログラムだと思っています」

グローバルインターンシップは、就職に直結するプログラムではありません。過去の参加者のなかでも、他の企業へ就職した方、就職選考で通過に至らなかった方もいます。それでも山本たちが全力で学生をサポートしようとするのは、多くの意欲ある学生に、少しでも世界を体感してほしいという思いがあるからです。

2016年にグローバルインターンシップが始まった際、ある役員が『成長したい学生への愛を込めていこう』と運営メンバーに語ったという逸話があります。その思いは今も受け継がれ、揺らぐことはありません。どんな状況下であっても挑戦したい気持ちを持つ学生がいる限り──ボッシュは、あゆみを止めずに伴走し続けます。

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