日本のボッシュ・グループは、今年2023年も入社式を実施しました。毎年ボッシュの入社式は、新入社員自らが企画の提案に挑戦しており、テーマも内容も毎回異なります。今年の入社式を担当した人事部の鬼塚 郁実が語ります。
今年の入社式のテーマは「illuminetwork」です。「illuminate yourself」+「network with your surrounding」の造語なのですが、イルミネーションのように、新入社員ひとり一人が自分自身を輝かせる機会にしたい、この先に明るい未来を創造するために一緒に働く仲間とつながりを築きたいという想いを込めています。
新入社員とマネジメントメンバーがコラボレーションした運動会
2023年の入社式では、運動会ハッカソンを実施しました。ハッカソンとは、ソフトウェア開発で使われる言葉で、制限時間内にチームでアイデアを出しその成果を競うことを指します。
運動会ハッカソン当日、午前中は実施競技を決めるワークショップを実施しました。事前に用意された100を超えるアイテムの中から、3時間以内に新入社員たちにオリジナルの競技を考案してもらいました。その後、デモンストレーションを通して考案した競技を発表し、投票により実施競技を1つに決定しました。
昼食のあとは、競技を決めるプレゼンテーションと投票、実際の競技です。ワークショップとプレゼンテーションの評価には、新入社員を受け入れる各事業部長も参加し、そのまま一緒にオリジナル競技・ムカデ競争、オリジナルボード(集合写真にある装飾ボード)の作成に取り組んでもらいました。
入社前からコミュニケーションを取りながら、答えのない問いに挑戦する機会づくり
重要だったポイントは2点あります。ひとつめは、新入社員全員が「自分自身の入社式をデザインする」メンバーになることです。今回はハッカソン形式のため、当日出たアイデア次第で競技の実施内容が変わります。年齢、国籍、ジェンダーなどバックグラウンドが異なる110名以上からのオリジナルアイデアをもって競ったことで、人生に一度の入社式がより特別なものになったのではないかと感じています。
また、100年に一度の大変革期を迎えている自動車業界で、答えのない問いに対してチームで取り組むことは、日常茶飯事となります。ただ純粋にイベントとして楽しむだけでなく、ワークショップを通じて働く上で重要なポイントを体験してほしいと思いました。
ふたつめは、対面でのコミュニケーションを通じたネットワーキングです。コロナ禍による感染症対策からの中止以来、複数拠点に分けての入社式を実施していましたが、今年は4年ぶりに全拠点の新入社員が同じ場所に集合できる入社式実施が叶いました。
今年の新入社員は大学生活の大部分をコロナ禍で過ごしています。入社前より、チーム単位で自己紹介ビデオを作成したり、立食形式のランチで自由交流する時間をたっぷりとったりするなど、新入社員同士がコミュニケーションできる機会を設けるよう工夫しました。
入社式の企画が完成するまでの新入社員同士のコミュニケーション
6月と8月にオンラインでのネットワーキングイベントを開催し、10月には3年ぶりの対面での内定式を渋谷本社で実施しました。内定式で「入社式で何をしたいのか」アイデアを同士で出し合い、企画リーダーを立候補で5名決定し、その後は定期的なオンラインミーティングを通じて企画を進めました。
定例会議の中で、入社式で達成したいこととそのマイルストーンを確認し、新入社員の企画リーダーとイメージのすり合わせを重ねました。
人事メンバーとの定例会議以外にもリーダー5名だけで機会をもち、入社式のアイデアを何度も何度も練り直していました。当日のアイスブレークや競技の一部は、入社式企画をしたリーダーたち5名が企画したコンテンツです。入社前からリーダーシップを発揮できるメンバーがいることを非常に頼もしく感じることができました。
企画者から見た入社式を実施する上で良かった点と大変だった点
入社式を通じて、参加者全員に一体感ができたことは良かった点のひとつです。オンラインでのワークショップやイベントは、ボッシュ社内でも数多く実施されていますが、イベント後に参加者同士が感じる「つながり」は、対面とオンラインのみでは明らかな違いがあると再認識しました。
オンラインや複数拠点に分かれての実施だと他のチームが何を行っているのかわかりにくいですが、同じ空間で対面であるからこそチーム内や異なるチーム同士での交流がより活発になっていると感じました。
また、社長、副社長をはじめ各事業部長も参加し、今年の新入社員のエネルギッシュな様子を伝えるだけではなく、新入社員を歓迎する姿勢や気持ちを直接伝えられたことも良かった点です。
一方で、入社式の具体的なアイデアをまとめることは大変でした。やりたいこととしてたくさんアイデアが出てきても、すべてを実行できるわけではありません。入社式として実施するために何が必要で、達成したい目的は何なのかといったことを新入社員の企画メンバー間と議論していましたが、無事に入社式を形にし、実施することができました。
今年も100名を超える意欲溢れる新入社員にボッシュを選んでもらえたことを非常にうれしく思っています。わたし自身も2019年にコロナ以前の入社式を経験し、入社しました。新入社員のみなさんには同期とのつながりはもちろん、職場の先輩・上司との関係を大切にしてほしいと思います。これからのボッシュを担う新入社員がひとり一人活躍していくことを楽しみにしています!