毎年3月8日は「国際女性デー」。その起源は1904年ニューヨークで婦人参政権を求めたデモにまで遡り、1975年に国連が3月8日を「国際女性デー(International Women’s Day)」と定めたことに由来します。この日は、女性の勇気と決断を称える日として広く知られています。

日本のボッシュ・グループにおいても、従業員にDEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)や女性活躍について考えてもらう日のひとつとして毎年「国際女性デー」に関する取り組みを行っています。過去には書籍の記事協賛(2021年)、女性を対象としたキャリア開発のイベント(2022年)を行いました。

2023年は、グローバルでのテーマはEmbrace Equity” =「公平性を取り入れる」。日本のボッシュ・グループでは、より日本の女性活躍の文脈に合わせるため「ひとりひとりがより前向きに働くために」をテーマにしました。

ボッシュがグローバルで掲げているテーマと、日本拠点のテーマを別に設定したことには理由があります。それは、日本の女性活躍における課題のひとつが「日本の女性は他国の女性よりも自己肯定感が低い」と言われていることです。

また、自己肯定感の低さから、日本人女性は高い能力を持っていても自信がない傾向が高いとも言われています。これらを裏付けるものとして、内閣府が実施した2018年度の「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」では、自分自身に満足しているか問われる質問において「そう思う」と回答した日本人の割合が非常に少ない結果となっています。日本において女性活躍を促すには、他国とは異なる対策が必要な状況にあります。

社内で女性の活躍を促す立場として、今年は「女性が自分の可能性/自分自身を否定しないことがまず第1歩として大切」と考え、それに関する取り組み:女性たちが前向きに働くヒントを提供したいと考えました。具体的な取り組みは、以下の4つです。

【2023年実施内容】

1.「国際女性デー」関連ブログ記事発信

2.Thank You Card (周囲の人にありがとうを伝える/女性の活躍を応援するためのカード:Eメールテンプレート提供)

3.人材開発グループ発のニュースレター“SPARK!”(第6号) ~国際女性デー特集~

4.イベント:「働く女性のためのセルフケア」

ここでは、今年の取り組みのハイライトである「働く女性のためのセルフケア」をご紹介します。このイベントは、3月に対面(渋谷本社)とオンラインにて2回実施し、合計26名の女性従業員が参加しました。講師は、ボッシュ・トレーニングセンター・ジャパンの南方 千恵(みなかた ちえ)。育児休職中にイギリスでポジティブ心理学を学んだ者です。

イベントのタイトルである「働く女性のためのセルフケア」は、具体的には「セルフコンパッション=他者を思いやるように、自分自身を大切に思うこと」の視点からレクチャーがありました。

自己肯定感・自信をつけるためには、まず「自分なんて……」という考え方、自己犠牲の呪縛から放たれる必要があります。このイベントを通して、参加者にその気づきを得てもらい、どのようにアクションにつなげるかを具体化することを目的としました。

▲渋谷オフィスで開催した際の様子 

<参加者からのフィードバック>(アンケート対象者26名中、20名回答。満足度4.5/5ポイント)

・セルフコンパッションという概念を学ぶことができた

・普段業務では関わらない方々と交流が持てたことが良かった

・日本人としての背景が自己肯定感に影響を与えていたことを初めて知り、そのことで自分の考え方を変えるきっかけを得られたと感じた

イベントで行ったワークや事後のフィードバックから、「従業員同士(とくに女性同士)のつながりを求めている」「女性としてのキャリア構築/仕事の両立のヒントが欲しい」「ホルモンバランスの変化との付き合い方について知りたい」などの意見が複数寄せられました。

女性活躍促進というテーマについて、今回のようなイベントやさまざまな施策を行う上で従業員からの生の声を反映できるよう、ボッシュはこれからも取り組んでまいります。