今回は、モーターサイクル&パワースポーツ事業部で勤務する井出口 智哉に突撃!社内からは周りを巻き込んでいくエネルギッシュな印象を持たれており、話しかけやすく人望も厚いと周囲からの評判のよいリーダーのひとりです。ボッシュに勤続26年の視点から、これまでのキャリアとリーダーシップについて語ります。

■プロフィール

1996年に当時の日本エービーエス(株)(NIAB)に入社をして、今年でボッシュ歴26年目です。4年ほどドイツのブライヒャッハに海外赴任もしましたが、2017年まではほぼ一貫してハードウェアの設計開発を担当してきました。2018年にシャシーシステムコントロール事業部の品質保証部に異動をし、品質保証の統括を約2年半担当しました。

2020年からはモーターサイクル&パワースポーツ事業部のプロジェクトリーダーとして、二輪用アンチロック・ブレーキシステム(以下ABS)のハードウェア開発全般に関与しながら栃木工場のInternational Simultaneous Engineering Center(ISEC)チームにおいてエンジニアリング側のリーダーを担っています。

■異動が大きな転機に

ドイツへ赴任した当時、まだ20代だったので、明確に「これがやりたい」というものがあった訳ではありませんでした。海外経験を積みたいと思っていたので、手を挙げたところドイツへの赴任の機会を得ました。通常3年契約ですが、自分なりにまだやりたいことがあり、1年駐在を延長させてもらいました。

2005年の帰国後は、シャシーシステムコントロール事業部の中で4輪用ABSとエレクトロニック スタビリティ プログラム(以下ESP)の開発をするかたわら、並行して2輪用のABSの開発もしていました。今のモーターサイクル&パワースポーツ事業部の前身ですね。今は “戻ってきた”ともいえます。

2018年に品質保証部のオファーがあった際のポジションは、セクションマネージャーだったのですが、ちょうど次のキャリアステップに迷っていた時期であったこともあり、新たなチャレンジとしてオファーを受けました。

品質保証というのは、問題に体当たりして解決するのが業務なので精神的にも体力的にも大変な仕事でしたが、シャシーシステムコントロール事業部に関連する製品全てを取り扱うことはとても勉強になりましたし、品質保証に関する非常に良い経験を積む事が出来ました。

■井出口の考えるリーダーシップ

その人が持っている役割やタスクに対して、しっかり責任を果たすことです。そして、結果が出るまで必ずやり切ること。リーダーシップには様々な考え方がありますが、最後にはこの二つにたどり着くと私は思っています。

この二つを達成するために色んなスタイルのリーダーシップがあるのではないでしょうか。

今年の初めに日本のボッシュグループの全社ミーティングで行われたセッションの中で、トップマネジメントが「リーダーシップはある意味、オーナーシップ(主体性を持って取り組むこと)」と発信していましたが、個人的にはそれがとてもしっくりきました。

また、「リーダー」と「リーダーシップ」は違うものだと思っており、「リーダーシップ」というのは、自分より上の立場の人に対しても発揮していけるものだと思います。私がリーダーシップの観点で目指していることは、チームや部下、自分と仕事をしている人たち全てに対して「1.フェアであること、2.誠実であること、3.寛容であること、4.熱意を持つこと」ですね。

■影響を与えたロールモデル

かなり遡ってしまうのですが、根本の部分は中学時代の経験に大きく影響を受けていると思います。当時のクラスメートで、委員長をやるような非常に責任感の強い友人がいました。問題が起きても絶対に投げ出さずに必ずやりきっていました。そんな姿を傍で見ていて、子供ながらに「かっこいいなあ」と思いましたね。その時の憧れが強烈に残っていて、大人になって仕事をするようになってからより意識するようになりました。

あとはボッシュで26年間、色々なリーダーと出会い働いてきましたが、それぞれスタイルは異なりながらも共通していたことは先に述べたような要素だったと思います。

■26年のキャリアで感じた社内の変化やギャップ

ドイツに赴任していたときに「相手が課長であろうが部長であろうがファーストネームでお互い呼び合いなさい」と言われました。これが日本人の自分にとっては結構センセーショナルな出来事でした。

でも、実際にやってみると、人にとても話しかけやすくなりました。またドイツでは、仕事には厳しいものの、いつもニコニコしていて、話しかけやすい雰囲気を作っていた部長にも出会いました。それを見て、部下が頼りたいと思ったときに遠慮せずに話しかけられるような雰囲気を上の人が醸し出すことは大事だな、と自分も心がけています。

■同じチームや読者のみなさんに期待するリーダーシップ

繰り返しになってしまいますが、みなさん一人ひとりが自分の役割と仕事に対する責任を果たすこと、結果が出るまでやりきること、を意識して欲しいと思います。ひとりでは難しいと感じた際は、自ずと周りを巻き込んで、協力を得ることが必要になっていきます。そういった「やりきるぞ」という姿勢や行動、そしてその結果をぜひ周りに見える形で発揮してください。

単に「声が大きい=成果を主張する」というのとは違います。自分で思っている以上に、振る舞いというのは周りに見られています。仕事をやりきるために周囲を巻き込んでいくと、自然と人から見られる機会が増え、結果的にその人自身の評価にも繋がっていきます。

今の若手の方々はとても優秀なので、モチベーションや行動の結果を周りに見える形で出していくことで、組織にとってもいい影響を与えてより大きな力になることを期待しています。