「突撃!隣のリーダーシップ」は、早いもので6回目を迎えました。今回のバトンは、ボッシュ株式会社を飛び出し、ボッシュのグループ会社であるイータス株式会社の社員の佐藤 義彦さんに渡ります。佐藤さんはボッシュ株式会社に新卒で入社、その後転職を経て2019年にイータスに入社されました。ボッシュとイータスの両方を知る佐藤さんへ突撃します! 

■プロフィール

1996年にボッシュ株式会社(ボッシュKK)に新卒で入社して、今でいうガソンエンジンの適合業務の部署へ配属されました。

2010年にドイツのシュヴィーバーディンゲン (ボッシュ本社のあるシュトゥットガルトの近く)に1年間駐在する機会があり、そこで様々な経験を積むことができました。帰国後、2011年に、キャリブレーションを担当するグループのセクションマネージャーに昇格しました。その後2012年7月に外資系他社に転職し、2つの事業部に携わってきましたが、2019年1月末にその会社を退職し、2月にイータスに入社しました。

転職の理由は、量産の仕事に携わっていくうちに、「ものを作り出していく」、「イノベーションを起こす」、「ソリューションを提供する」といった新しい仕事に魅力を感じてチャレンジしたいと思ったからです。

イータスでは、現在INCAに代表されるキャリブレーションツール・SW開発用プラットフォームと支援ツール販売、そしてそれらを組み合わせたソリューションを提供しています。顧客は、日本の完成車メーカー、Tier1(自動車部品メーカー)などです。私の上司は日本とドイツにおり、レポートラインは日本に1本、ドイツに3、4本あり多忙な毎日です。

■現在在籍中のイータスとボッシュの共通点や違い 

イータスでは「モノを売っている」ので、ボッシュに在籍していたときの量産開発のプロジェクトベースで仕事をしていた時とは仕事のやり方も違いますし、「業種の違い」を感じます。また、ボッシュは自分もそうでしたが、新卒入社の方が多いですし、ボッシュ内での研修も豊富なので、会社のカルチャーを理解し、変化に柔軟で、活発な方が多いとも感じています。

一方、イータスでは中途入社の方がマジョリティなので、ダイバーシティの価値観がボッシュと結構違います。ボッシュでダイバーシティと言えば、国籍、性別、宗教というトピックを軸に語ることが多いと思いますが、イータスでは、ひとりひとりの従業員のキャリアに関するバックグラウンドが大きく異なっています。様々な異なるキャリアから生まれる多くの知識が集まるので、アプローチにより広がりを感じることがあり、または視点の違いからくる新たな発見を感じる時もあります。

■リーダーとして意識していること 

元々「フェアであること」を心掛けていました。イータスに入社してからは、先ほどお話した「ダイバーシティを認めながらのフェア」を強く意識しています。その人それぞれに合ったアプローチをしているので、それが「フェア」であるかどうかを常に考えています。

自分とメンバーが合意しても、第三者からみてそのアプローチを「フェア」と感じられているかという点についても意識をしています。メンバーそれぞれの持ち味を発揮できるステージをいかに準備できるか、という仕事はプロデューサーの仕事に近いかもしれません。ただ、自分たちは会社人なので、いかに会社の利益に貢献できるかを考えることを忘れてはいけないと思っています。

また、日本のイータスは組織が小さいので、1人が担当しなければならない役割が大きいです。正解は1つではなく、その人に合ったやり方があるはずだと思っています。人によって違いが大きいのがイータスの「ダイバーシティ」、各自の最適なやりかたを見つけること、そして見極めることに難しさを感じますね。

そうした背景もあり、日ごろから会話をすることを心掛けています。コロナ禍でメンバー全員が在宅勤務になった時期がありました。そんな時でも積極的にSkypeを使って話すようにしていました。自分は元々昔ながらの「俺についてこい」というタイプではないので、話すことに抵抗は全くありません。どんなときもフラットな会話ができるよう意識して心掛けています。

自分の経験としては、以前のボッシュ勤務時の上司が非常に印象深かったです。上司とは価値観が一緒であると感じていました。また、上司のフェアについて意識しているところや、メンバーに対するマネジメントの姿勢にも共感していました。そんな経験が今につながっているのかもしれません。

■佐藤さんにとっての「リーダーシップ」とは?

自分自身としては”仕事に対するオーナーシップ”を持たせること、平たく言うと仕事に対する責任感でしょうか。その仕事を実現させるためにリーダーが最強のサポーターであることかな、と考えています。

モチベーションは人から与えられるものではないと思っているので、自分からのメンバーへのアプローチは「ディモチベートしないこと」に注力するようにしています。メンバーに対しても各自が仕事に対するオーナーシップを持ってもらうことが、リーダーシップを発揮することではないかと思います。

■最後に 

特に、若い世代の方々には、ご自身のキャリアについて5年後、10年後にはどうしたいかという時間軸で考えるときに、「会社」という枠に縛られず今後の世界の変化を考えて動いてほしいと感じています。

いままでは技術の進歩が先行して生活様式がそれに追従するという変化でしたが、今回のCOVID-19の影響でそれが逆転して生活様式に合わせて技術の進化が求められています。私たちが今まで考えている以上にこの変化は大きいので、いままで10年後くらいに来るかなと思っていた世界がいまや3年後、もしくはそれ以上に早く実現するスピードで動いていると思います。そういう周りの変化のスピードも意識するとよいと思います。

そして「会社にどのように働きかけることができるか」を積極的に考えてほしいです。例えば、ボッシュでは、ピッチナイトなどの社内の経営陣へ直接提案できるイベントがありますが、これに限らず出来る限り様々なチャンスをどんどん生かしてほしいです!