「突撃!隣のリーダーシップ」も4回目をむかえました。同内容は社内ブログでも展開されていますが、従業員からも大きな反響があり、運営しているLeadership from Japan事務局メンバーも楽しみながら更新しています。今回は、前回の石下からバトンタッチし、現在ベトナムで生産技術エンジニアとして活躍している名和田 建(タツル)が自身の経験を基に語ります。 

■プロフィール

子供の頃から車とバイクが大好きで、自動車関係の仕事がしたいと思い、1993年に日本エービーエス株式会社(NIAB)に入社しました。NIABでは3年間ほど、ドイツにあるオートモーティブエレクトロニクス事業部の工場に勤務し、新しいABS(アンチロック・ブレーキシステム)の製造コーディネーションに携わりました。次に同じABSの製造で富岡工場に11年勤務、またその間に中国でも同事業部の工場立ち上げを手伝ったり、ドイツ本社で生産システムに関するコーチを1年間担当しました。

その後は、パワートレインソリューション事業部へ異動し、インドネシアの工場立ち上げのため4年間赴任しました。そして、現在のベトナムのホーチミン工場では、生産技術部門長として駐在3年目になります。改めて指折り数えると、海外赴任が合わせて11年目で、入社後に社名も3回変わり、自分でも驚いています。 

■海外赴任のきっかけ

1999年にドイツに赴任した際は、自分から手を上げて行くことになりました。ドイツにいる間に横須賀の日本エービーエスが富岡工場に統合されたため、帰国した後は富岡工場に勤めました。その後、インドネシアに工場立ち上げの話があり、全くの新しいチャレンジだったので、二つ返信でオファーを承諾しました。レンタル工場の選択から従業員の雇用まで見るプロジェクトだったため大変でしたが、とても貴重な経験が出来ました。その次のベトナムは、まだ成長を続けてラインが増えている点に魅力を感じて、赴任を決断しました。 

■ビジネスに必要なリーダーシップとは?

リーダーシップというよりマネジメントの話かもしれませんが、大事なのは各個人がそれぞれの価値を作ることだと思います。例えば、製造業でいうと価値あるもの=お金になるものを実際に造り出しているのは現場の方々です。モノを造っていないマネジメント(上に立つ人)の作り出せる「価値」は、いかにチームの人達が働きやすい環境を作ってあげられるかだと思います。

また、組織内にビジョンを展開し、我々がどこに向かうべきか明確にすることも重要です。昨年、ホーチミン工場ではビジョンを作り直しました。以前のビジョンは上層部のマネジメントのみで決めたものでしたが、新たにスキップ・レベル(現場の人、従業員、そしてマネジメント)で話し合ってビジョンを作り直し、ミッションステートメントを戦略的なロードマップにまで落とし込みました。これをベトナムのリーダ―がそれぞれ責任を持って現地の全従業員に浸透させられるよう努力しています。また、それを3カ月ごとに工場長がレビューする機会も設けています。 

■海外での暮らしで日頃意識していること

相手を尊敬することに尽きます。人種、異文化、年齢差、経験の多少、顧客、サプライヤーなど、とにかくいろんな人や環境の中で私たちは仕事をしていますが、尊敬をもって相手と接し、価値観を認め、真摯にサポートしていく、あるいはされる事が重要だと思います。

あとは、自分のアイデンティティを大事にすることです。最初にドイツに行った時に、日本人駐在員向けに開催された異文化セミナーで「日本人であることは絶対に忘れないでください」と言われたことは、今でも強く印象に残っています。異文化に対して敬意をもち、尊敬をしながら慣習を受け入れようとしてはいますが、自分が日本人であることの誇り、らしさは絶対に忘れないようにしています。

■若い世代に向けたメッセージ

東南アジアでは、若い人たちのセルフディベロップメント・キャリアデベロップメントに対する意識が驚くほど高いです。自らフィードバックを求め、自分のキャリアプランを持参して相談を希望してくる人も多く、自主性が高いです。入社5年後には工場長になるというプランを面接で持ち込む志願者もいます。中には「自分をもっと成長させたいから、挑戦したいから」とボッシュを辞めていく人もいますが、そのチャレンジ精神には見習うべきものがあります。東南アジアは発展途上であるがゆえに、ギラギラした若い人たちのチャレンジ精神が本当に力強いです。

ここで伝えたいのは、自分をいかに成長させるか、どういったキャリアプランを持つかを考える姿勢の重要性です。日本の製造現場の若手たちには、上司の指示を持つのではなく、自分から積極的に変化を求め、好きなことをやっていただきたいと伝えたいです。

逆に、私と同年代の人達には、新しい若手に自分のスキルを引継ぐために、変化を受け入れる姿勢が必要だと伝えたいです。時代が変わり、若手が育つためには自分たちから変わっていかなければならない部分もあると思います。私自身は積極的に自分を変化させるのは苦手なので、積極的に環境の方を変化させています。