時代とともに「買い方」は変化しても、接客の重要性は変わらない
2022年3月、伊藤はビーモーションの営業本部長に就任。営業部門を統括する責任者として、全国の拠点を管轄しています。
伊藤 「北は北海道、南は九州まで、私の管轄エリアは全国にわたります。今は各支社の会合に参加しながら、今期の目標である『BM力』を推進しています。私は2年前から第1営業部の部長をしていて、最初は営業力や提案力など個の力を大切にしていこうと思いました。2年目では、運営力などチームの力をあげていくため、自らが講師となることもありましたね。
嬉しいことに先日の顧客満足度調査の結果では、お客様から個の力、チームの力でそれぞれ評価をいただくことができました。そして3年目である今期では、個とチームを合わせた『BM力』をテーマとしてやっていこうと思っています」
伊藤が率いる営業本部は、当社のコアビジネスである人材サービスを主たる事業としており、お客様であるメーカーの代わりに家電量販店等に人材を配置し、そこで接客販売支援を行っています。最近は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、顧客の購買行動にも変化を感じているといいます。
伊藤 「コロナ禍において、オンラインへの移行が見られ、またお客様のモノの買い方にも変化を感じるようになりました。ある程度情報を持った状態で来店するお客様が増え、それにともない滞在時間も短くなっています。
そうした限られた時間の中で、お客様の要望をしっかり聞き、希望に沿った商品の提案を心掛けています。接客販売は当社のコアビジネスではありますが、新規ビジネスの展開を担う事業開発本部ではオンライン上での接客も展開しています」
こうした「買い方」の変化にともない、新たなサービス展開も伊藤は視野に入れています。
伊藤 「買い方が変化すれば、もちろん売り方も変えていかなければいけません。売り方にもいろいろあって、時代に合わせるためには手法を掛け合わせる形で、新しいサービスを展開したいと思っています。そういった中で、メーカーの意向をどれだけお店の中で反映できるかがポイントになると考えています」
メーカーはブランドとして、エンドユーザーに伝えたいことがあると伊藤はいいます。ですが、数多くの製品を扱うお店の中で、お客様であるメーカーの想いを伝えるのはなかなか難しいのが現状です。
伊藤 「私たちのミッションは、『売るに変化』を体現して、お客様であるメーカーにとって不可欠な存在になることです。その時々に旬な買い方や売り方があるので、メーカーの想いを伝えるためには、そこにマッチさせなくてはいけません。
しかし、ただ時代の買い方に合わせるのではなく、『売り方を作る』ことが必要だと思います。そのためにはメーカーの課題感や問題点を聞き出し、状況に合った最良の形を提案しています」
また、今後ますますAIやロボットが進化しても、接客の重要性は変わらないと伊藤は考えます。
伊藤 「日本はホスピタリティに重きを置いている国です。オンライン化は進んでいますが、購買行動の『購入アクション』をアシストできる接客は、時代が変化しても重要性は変わりません。日本の文化の中で、接客は極めれば極めるほど存在感を放ちますし、今後もなくなることはないと私は思っています」
自分で枠を広げられる自由な社風と個性的なメンバーが魅力
1995年にビーモーションに入社した伊藤のキャリアはユニークです。店頭の販売員からスタートしましたが、会社を離れている時期は一度ではなく数回あったといいます。
伊藤 「いわゆる出戻り組です(笑)。2年働いては抜けて、また戻ってくるといったことを数回繰り返し、会社を離れている時期が何度かありました。最後は8年ぐらい抜けて、友人の会社を手伝っていましたね」
伊藤は2012年、「社長を目指す」と公言して長いブランクから復帰。そんな伊藤がビーモーションに戻ってきた理由について、次のように話します。
伊藤 「やっぱりビーモーションが好きなんでしょうね。今まで、会社の中では採用やトレーニング、営業、運営など一通りのことをやってきました。他にやりたいことがいろいろあって、過去に入ったり抜けたりしていましたが、会社の組織に入って働くのであれば、ビーモーション以外の選択肢はなかったですね」
会社に所属するのであれば、ビーモーションで働くしか選択肢がなかったという伊藤。その理由の1つに、「自分の枠を広げていこう」とする自由な社風をあげています。
伊藤 「仕事のおもしろさももちろんあるんですが、私は会社の雰囲気やそこにいる人も好きなんですよ。枠の中で仕事をしなさいというのではなく、『限られた範囲を自分で広げていきなさい』というのがビーモーションの考えで、そこに私は惹かれたんです。
もともと枠というものがなくて、新しいことにチャレンジする機会を与え、やってごらんと背中を押してくれる会社です。私はそういった環境の中で育ってきたので、若い人たちにも挑戦する機会を作ってあげたいと思っています」
続けて伊藤は、ビーモーションには個性的で、自分が持っていないものを持っている人が多いことにも魅力を感じていると語ります。
伊藤 「たとえば、スタッフとマメにコミュニケーションを取ったり、SNSの投稿を淡々と行う人がいたり。あと失敗を翌日に引きずらない人もいれば、ITの専門家、勉強家で行動力のある人もいますね。ほかにも実直で自分の信念を変えないとか、感情を常にコントロールできる人など、数えるとキリがありません。自分ではかなわないと思う人がたくさんいて、みんな個性的でそこがおもしろいんですよ(笑)」
それぞれの個性を活かし、圧倒的な付加価値を生み出していく
ビーモーションが好きだという気持ちが、仕事の楽しさにつながっているという伊藤。「社員の皆さんにとってもそうであってほしい」という想いから、期初に行われた新組織の発表会では自らの想いを熱く語りました。
伊藤 「本部長になったからには、自分の本音をさらけ出そうと思い、新組織発表のタイミングで自らの想いを社員全員に向けて話しました。自分の人生の中で長く関わるのが会社です。嫌な気持ちで働いてもらいたくないので、会社を好きになってもらいたいし、自慢できるようになってもらいたいんですよ。
また当社は販売業務に携わっているため、人とのつながりを持つ楽しさや、コミュニケーションの大切さも知ってもらいたいですね」
会社が好きと思う人が増えれば、そこから輪が広がっていき、必然的に人が集まっていく。そう考える伊藤は、みんなの自由な発想を実現できる会社を目指しています。
伊藤 「私が理想としているのは、自由で楽しく働きながら、個人の発想や個性を大切にする会社です。当社の従業員はみんな特徴があり、ずば抜けた能力を持っています。お互いが良いところに目を向けて、そこを伸ばしていくことで、さらに良くなると思います」
ビーモーションには、いろんな人が集まる一方で、自分の夢を追いかけて会社を去る人、ステップアップを目指して別会社に行く人などもいます。
伊藤 「経験上、人が会社を去るときは、今いる場所より楽しい状況を見つけたときです。当社は、来るもの拒まず、去る者追わずという社風です。ビーモーションも楽しかったけど、もっと楽しい会社を見つけたので行ってきます、という感じなので、『行ってらっしゃい』と気持ちよく送り出しています」
また仕事の楽しさから自由な発想が生まれ、それがビーモーションの個性や差別化にもつながると考えます。
伊藤 「どうすれば仕事を楽しくできるかを常に考え、みんなにはある程度の範囲内で、やりたいことを好きにやってもらいたいなと思っています。何をすべきか分からない人には寄り添うことも必要で、仕事をこなしなさいという考えではなく、一緒に作っていこうというスタンスを心掛けています。
自分で気づいて、実現させていくことで、変化へのスピードが加速していきます。仕事の楽しさから自由な発想が生まれ、そこがビーモーションの個性や差別化のポイントになるのではないかと考えています。
行動すれば想いはかなう。自分の成長をイメージしながら変化を加速させる
今期の目標である「BM力」とは、伊藤の造語で、営業力や提案力といった個の力と、運営力などのチームの力を結集した底力を表した言葉です。BM力が強みとなり、それがステークホルダーから選ばれるための付加価値になると話します。
伊藤 「最初に重要なのは、現場で活躍するスタッフや、これからビーモーションに興味を持って働いてみようかなと思ってくれる人たちから選ばれるための付加価値です。ビーモーションは昔から、現場のスタッフからよく『面倒見がいい』『寄り添ってくれる』『挑戦を応援してくれる』そんな環境だと話してもらうことが多いです。
他社にはない人材育成カリキュラムも確立されていますし、雇用形態はさまざまでも、みんな楽しいからここにいて、同じ時間を共有することを大切にしています。ビーモーションとして、やるべきことをやっていきながら、プロの営業担当、プロの販売員を育て、成長させることに力を惜しみません」
スタッフ、そして私たち自身が共に成長していくこと、それらがメーカーに「売るの頼れるパートナー」として選ばれる付加価値となります。
伊藤 「ビーモーションは個性の集まりであり、個々の良いところがうまくかみ合い、自由な発想を生み出しています。メーカー自身が気づいていない課題を指摘し、付加価値を提供することで、お客様に選ばれる会社になります。ビーモーションの魅力を存分に活かしながら、競合他社の中でナンバーワンを取りたいですね。
その付加価値の提供はお客様であるメーカーに対してだけではなく、一般消費者に対しても商品を知ってもらうことで人生を豊かにする役割がある、そんな社会的意義も担っていると考えています」
スタッフに寄り添い、育てる一方で、お客様に付加価値を提供し、消費者の生活に彩りを添える。BM力を高めることで相乗効果を生み、よりビーモーションらしくなる、と伊藤は力説します。伊藤は社内での自分の存在意義について、どのようにとらえているのでしょうか。
伊藤 「役職はありますが、しょせん人と人の付き合いですから、社内のみんなとフラットな関係でいたいと思っています。また一販売員だった私が営業本部長になったように、行動すれば想いは実現する会社なので、社員にキャリアの道筋を見せてあげられるような立ち位置でいたいです。
まだまだ私自身、知らないことも多いですし、常にチャレンジだ!という気持ちでいます。誰しも新しいことに一歩踏み出すときは不安は付き物なので、その不安を少しでも取り除いて、後押しできる存在でいたいですね」
現場経験がある伊藤だからこそ、現場の声を拾いあげ、会社経営に役立てていくことも自分の役目ととらえています。また今後は、若手が活躍できる環境作りにも注力していきます。
伊藤 「直面している問題も含めて、現場の声が反映できるようにしたいです。会社の成長は、携わっている人次第で変わります。自分の成長を思い描ける人になってほしい。それには新しい部門や部署を作り、若手が昇進できるような環境も作っていきたいです」
BM力で会社と個人の成長を加速させる。伊藤の挑戦は始まったばかりです。