笑わせることで、誰かを幸せにしたい──MC挑戦の背景とは

ビーモーションとの出会いは、大学時代までさかのぼります。

大学在学中に京都に絞ってアルバイトを探していたところ、当社のイベントMCの求人を見つけ、興味を持ちました。イベントMCという仕事に強く惹かれたのは、人前に出る仕事を探していたからでした。

実は、大学在学中に人前に立ったことさえありませんでした。

人前に立ちたいと思うきっかけになったのは、大学1年のときのアルバイト先での出来事です。お客様に自分の身の上話をしたときに涙を流しながら笑ってくれて、「こんなに笑ったのは久しぶり」と言ってもらいました。これは今でもよく覚えています。

また、「人をこんなに笑わせられるということは、人を幸せにできるということだよ」と言われ、「私は人前に立つことで誰かを幸せにできるのかもしれない」と思いました。

大学の授業でプレゼンをすることもあったのですが、少しでも発表の仕方をアレンジをすると不真面目な班と思われるので、いつも決まっていることを台本通りに読むだけでした。だから、人の前に出る練習としては、あまりにも型にはめられすぎていると感じていたんです。

その点イベントMCは、その場に合わせた環境で「瞬時の適応力」や「瞬発力」を鍛えられると思い、ビーモーションの求人を見つけてすぐに応募をしました。

今までのアルバイトも接客業がメインでしたが、お客様ともっと濃くお話できる仕事が理想でした。そして、やはり人が楽しいと思えるような話をすることは好きなので、お客様を笑わせるMCになりたいと思い、入社を決めました。

他のMCさんとは違いますが、お客様が少しでも楽しく、かつ商品を購入していただけたら良いなと今でも思っています。

ビーモーションに入社後は、MCの研修を受けました。研修担当の方はMCを研究し尽くしている人で、私に身振り・手振り・見せ方などすべて優しく教えてくれました。

その方は「あなたは才能がある・ない」とは言わず、「このようにすればさらにできる」「このような魅せ方をした方がお客様を惹きつけられる」など、MC業のノウハウや思考回路を教えていただきました。

同時期に入った私より年齢が1つ上の方やスタッフさんが優しく接してくださったおかげで、研修を頑張ることができました。今でも連絡を取るくらい、仲良くさせてもらっています。

「共感」を生み出すMCトーク──「小さな笑い」が突破口に

最初の仕事は、天王寺の家電量販店で開催された掃除機メーカーのイベントでした。最初の1~2カ月は緊張からアレンジできず、台本通りに「ひとまず噛まず、大きな声を出す」ことを意識していましたね。

そして入社から3年経った今、MCで意識していることは、お客様の「共感」を生むことです。

たとえば掃除機であれば、「髪の毛がヘッドに絡まったことはありませんか?ありますよね~」というように、ネットショッピングのような言葉をかけます。そうするとお客様は「あるわ!」となって立ち止まってくれるんです。

そこから、お客様個人に焦点を向けていきます。

「良かったら吸っていってください」と一人のお客様に手に取っていただいたら、「それでは皆さま、ご覧ください」と周りに声をかけて集まってもらうんです。1名を相手に接客して5名ほどの注目を集めた後、接客しながら1名のみ残ったとき即座に個人の接客に絞っていくんです。

あとは、お客様と仲良くなってから接客することも大事にしています。少しずつ壁を壊していくのが、私の接客のテクニックです。あとは、お客様がクスッと笑える言葉を選ぶことも意識するようになりました。

「興味を持ってもらえる営業」は、働く中で意識するようになりました。昔、簡単にゴミを捨てられるコードレスクリーナーを売っていたとき、最初は「開いて閉じるだけで簡単にゴミ捨てできます」とお伝えしていましたが、それだけだと興味をひくことができなかったんです。

そこで、「皆さん注目してください!プロアクティブですら簡単3ステップと言っているのに、こちらの掃除機は開いて閉じるだけ!簡単2ステップでゴミ捨てできちゃうんです」と、まったく関係のない言葉や商品を入れてMCをしました。

すると、「なぜ掃除機なのに他の商品の話をしているの?」と興味を持ってくれる方がいたんです。実際に見に来てくださったお客様にも「3ステップのプロアクティブよりも便利だ」と言っていただきました。

このとき購入してくださったお客様はみんな、その場で仲良くなった方たちです。この経験から、印象づける会話を常に意識しつつ、お客様が緊張しない雰囲気づくりを大事にするようになりました。

売り上げ日本一の店舗で鍛えられた接客テクニック──挫折も乗り越え成長

MCとして活動する現場は、イベントの期間によって変わります。1カ月間イベントが毎日あることもありますし、翌週は別の家電量販店という場合もあります。

そのため、その店舗に入ったことのあるスタッフさんや店舗の方にどのような雰囲気のお客様が多いのか事前にリサーチしています。「ノリが良い」「高級志向のお客様が多い」などの情報をもとに、店舗の雰囲気や客層に合わせて接客しています。

今でも印象に残っていることは、入社3カ月後に日本一売れている店舗に配属され、プリンタの販売を担当したことです。

人も非常に多く、プリンタもさまざまな種類があるので、本気で売りたいという気持ちが強い営業の方々の期待に応える、レベルの高いMCをしなければいけませんでした。

その上、その方々が私の「おもしろいMCをする」という評判を知っていて、「笑いをとってお客様を惹きつけてほしい」と言われたこともありましたね。

最初は入社して間もないこともあり非常に緊張していましたが、自分の接客テクニックでお客様を惹きつけていくことができました。

長時間MCをするとくたびれてしまうので、30分おきに10分間ティッシュ配りもしていました。配るときもネットショッピングのように「花粉の時期にぴったりなティッシュ、いかがですか」と配っていましたね(笑)。

関西支社社員の大黒 宗政さんから褒められ、お客様も笑ってくださったので、気分が良かったです。

しかし、同じ日に大きなミスをしてしまったんです。それまでにしたことのないミスだったので、ショックを受けて、そのあとは小さな声でひっそりティッシュを配っていましたね。

そのとき、一緒だった大黒さんに気持ちを率直に伝えたところ、「失敗したことは人生のネタになるよ。だから大丈夫」と励ましてもらいました。

そんな考え方もあるのか、と目からウロコでした。「頑張ろう」という想いで残りの仕事も取り組めました。

また、MCの先輩や他の店舗で働いている仲の良いスタッフさんにもメールで打ち明けると、皆さん励ましてくれて、「じゃあ次の現場で、具体的にどうしていけばいいのか?」と一緒に考えてくれました。

失敗したとしても気持ちを切り替えて、また前向きに仕事に取り組めるようになったのは大きな経験です。

自分の殻を打ち破る場所──周りのサポートがMCを続ける糧になった

MCというと「この道40年」など厳しい方も多いイメージがありましたが、実際は優しく柔和な方や、表情は怖いのですが「おもしろいことしていいよ」と和ませてくれる方が多いのが印象的です。

イベントブースは緊張感が高まることもありますが、スタッフさんが空気を変えようとしてくださったり、私が緊張せずにできるようサポートしてくださったりする方にいつも救われてきました。

失敗したときに大黒さんが教えてくれた「失敗したことは話のネタになるよ」という言葉の通り、実際に知り合いにその話をして、「そんなことあったんだね」と笑ってもらうこともできました。ネタとして消化し、受け止め方を変えることができるようになったのは、大黒さんのおかげです。

研修でお会いしたMCの先輩は今でも連絡を取り合っていて、お尋ねするとすぐに返答してくださいますし、励ましの言葉をくれます。

たとえば私が落ち込んだときも、「それは店舗によって環境が違いますし、良し悪しの基準も違うので、あなたが良い悪いではないですよ。次をどうするかです」というように戦略と作戦をしっかり考えて教えてくれるんです。

そのおかげで、自分を責める前に、次の行動を考えることは、今でも意識して取り組めています。失敗をして落ち込むこともありますが、業務のことだけでなく物事の捉え方まで教えてくれるスタッフさんがいてくださったので、3年も続けることができました。

MCを始めた3年前は人前に立つことに怖さを感じていたのですが、今は人前でも堂々と身振り手振り話すことができるようになり、自分でも成長を感じます。

最初は失敗したらどうしようと、人の目線ばかり気になっていましたが、場数をこなしていくうちに、「自分らしくしてもいいのではないか」と徐々に思えるようになりました。

そうやって、自分らしいMCである「お客様にくすっと笑ってもらえるMC」になれたのは、誇らしさも感じます。これからも、人を笑顔にできるように、頑張っていきたいと思います。

また、イベントMCは普通のバイトでは味わえない貴重なお仕事なので、私のように、自分の殻を破りたい方にぜひおすすめしたいです。

接客とは少し違って、表現する力やその場での適応力も鍛えられるので、自分の意外な一面も見つけられるお仕事だと思います。