創業時から「社員同士の体温あるコミュニケーション」を意識
会社好きが高じてSEから広報にジョブチェンジし、昨年カルチャー推進室を立ち上げた石井と、SEから会社の文化醸成に深く関わりたいとカルチャー推進室へ異動した佐々木。そんな彼らが活躍するコクーでは、コロナ禍で人との接点は減ってしまったものの、創業時から社員同士のつながりを大切にする風土がありました。
石井 「当社はお客様先に常駐する勤務形態をとっています。そうした背景から社長の入江は、帰属意識が希薄にならないための取り組みを創業時から意識して行ってきました。
そのため社内には、ESG(Employee Satisfaction Group)という、社員満足度の向上を目指す有志組織があります。ESG(イーエスジー)は、『イベント班』『コクーつなぎ隊』『情報収集班』の3班16名で構成。コロナ禍前は月に一度はみんなで集まって、スポーツ大会やBBQ、お花見などをイベント班が企画・運営していたんです」
しかし、2020年4月の「緊急事態宣言」により、コクーでは社員の9割がテレワークに移行。これまであった月に一度のリアルイベントも、すべてオンライン開催になりました。
オンラインイベントの開催は、参加者だけでなくイベント班の班長である佐々木にとっても初めての試み。そのため当初は思うように参加者を募ることができなかったと佐々木はいいます。
佐々木 「始めはオンライン飲み会を開催したのですが、社員もまだオンラインに慣れていなかったこともあって、参加者がまさかの10人でした(笑)。当時の社員数は300人で、コロナ禍前のイベントは参加率が80%だったので、このままではダメだなと思いました。たくさんの社員に参加してもらうには、もっと工夫する必要があると実感しましたね」
こうしたオンラインイベントの取り組みと同時に浮き彫りになった課題が、新入社員の心のケアでした。入社当初からテレワークという環境の中で、「他の社員とのつながりがない」「会社の雰囲気がみえない」という声が多数あがります。
その声を新入社員から直接聞いた石井は、そのときのことを次のように振り返ります。
石井 「このままだと新入社員たちが孤立してしまうと、これまでにない危機感を感じました。また既存社員からも、オンラインだけでは業務以外に雑談のようなコミュニケーションが取れず、新入社員との関係が希薄になっているとの声を聞くようになりました」
このままでは“体温あるコミュニケーションで、社員同士が切磋琢磨できる会社に”という社長の想いや、会社への帰属意識も薄れてしまう事態になりかねないと感じた石井。そこで石井、佐々木を含む社内の有志組織、ESGのメンバーたちが立ち上がりました。
社内SNS「TUNAG(つなぐ)」で社員同士のつながりを活性化
コクーには、社員同士が気軽にコミュニケーションを図れる、社内SNS「TUNAG(ツナグ)」があります。
石井 「社内SNSの『TUNAG』があったことは、このコロナ禍でとても有効でした。それまでも活用されていたのですが、より社員同士が認識しあえるように、自己紹介のページを充実させることを全社員に向けてお願いしました。
『TUNAG』には、出身地、性格、行動特性、趣味、好きな音楽、映画、アニメ、苦手なこと、入社したきっかけ、などの項目があります。『出身地が同じです!』『私も〇〇好きです!』などのコメントがつくことで、新入社員と既存社員の間で自然にやり取りができたり、そこからコクー部活動への入部にもつながったりしたんです。
気軽に接点を持てる社内SNSは、まさにコミュニケーションの救世主でしたね。この他にも社内の告知や報告にも『TUNAG』は活用されています」
コクー部活動は、以前からその構想はあったものの、実際に活動が始まったのはコロナ禍の2020年7月からでした。そして徐々に部が増えていき、2022年2月現在では20の部が立ち上がり、活動しています。
たとえば、リモートワークになり健康志向の高まりから発足された「ヘルスケア部」。他にも「eSports部」「ワイン部」「紅茶部」「軽音部」「もくもく自習部」など活動は多岐にわたります。コクー部活動によって事業部を超えた社員同士のつながりが活性化されています。
オンラインイベントをきっかけに、さらに広がるコミュニケーションの輪
またオンラインイベントは企画を練り直し、毎月一回、手や体を動かす運動会やクイズ、謎解きゲームなど社員に楽しんでもらえるものをイベント班が企画しています。
佐々木 「運動会企画では、ジェスチャーゲームや、家にある靴下を何枚履けるかといったことをチーム戦で競い合いました。イベント後には同じチームになった人とサンクスメッセージを送りあったことで、後日仕事で一緒になったときにコミュニケーションが取りやすかったという話も聞きました。他には謎解きゲームの評判が良くて、 ナゾトキ部の新設に繋がりました。
7月に開催した豪華景品がくじ引き抽選で当たる『社員番号ビンゴ大会』には、全社員の8割にあたる約240人近くが参加して、これは大いに盛り上がりましたね」
社内SNS「TUNAG」によって、既存社員と新入社員のコミュニケーションが活性化。また体験参加型のオンラインイベントの効果もあり、テレワーク環境で希薄になりつつあった帰属意識が再び高まり始めました。
そして、新入社員に向けては週に一度、少人数制の「オンライン懇親会」を開催し、孤独感や不安といった精神面のフォローも行っていきました。同期との直接的な交流がない中、オンライン懇親会によって仲良くなり、一緒に部活に入ったなどの報告もあったといいます。
ラジオ配信、社歌のMV制作、一丸で取り組む姿勢こそコクーの目指す姿
ESGの中でもコクーつなぎ隊は、コミュニケーションを通して、社員と社員をつなぐことをサブミッションとしています。そんなコクーつなぎ隊のメンバーが番組MCを務めているのが「コクーラジオ」。
毎週水曜日の19時からテーマ別にゲスト社員を招いて、趣味や会社のこと、社内SNSの投稿紹介など、台本なしのラフなトークをZoomウェビナーで配信しています。
石井 「コクーラジオに関しては、社長にも立ち上げ当初から応援してもらっています。アーカイブもあるので、リアルタイムで視聴できなくても聴けますし、新入社員にも既存社員を知ってもらえる良いコンテンツだといってもらえました。
ラジオでは、同じ地方出身の社員同士でゲスト出演してもらうこともあります。それをきっかけに仲良くなったり、食事に行ったというお話を聞いたりすると、私としても大変嬉しいですね」
佐々木 「私はイベントの企画運営をしていますが、参加してくれた人から楽しかったという感想や、次回も参加したいというメッセージをもらえることが、すごくモチベーションになっていますね。周りの人に『このイベント楽しかったよ』って宣伝してくれる人もいて、最初は参加者が10人だったイベントも、今ではどんどん増えて盛り上がりが増しています。これからもみんなが楽しんでもらえるようなイベントを企画していきたいですね」
石井 「コクーの社員はみんな、『こういうことをやるぞ』と発信すると応援してくれるんです。ラジオを毎回聴いてくれたり、感想をチャットでくれたり、僕らだけでは今回の取り組みの盛り上がりはなかったと思うのでありがたいです」
印象的な活動として、コクーは2020年の夏に「NIKKEI全国社歌コンテスト」にエントリーしました。社歌は当社の理念や指針をベースに社長が作詞し、それに元ミュージシャンの社員が曲をつけて演奏。社員が一丸となって取り組んだ一日かけてのMV撮影は、社員同士の絆がより深まり、これこそがコクーが目指す姿だといいます。
21年も新たなMVを制作し、「NIKKEI全国社歌コンテスト」で「チームワーク賞」を受賞することができました。
【社歌「for me,for you.」MV:https://www.youtube.com/watch?v=oRJJ2vsHcy0】
コロナ禍で希薄になりつつあった帰属意識を高めるため、コクーでは社員満足度向上を目指す有志メンバーらを中心にたくさんの施策を行ってきました。イベント参加率もコロナ禍前と同じにまで回復し、部署や世代を超えたコミュニケーションが取れています。
これからもコクーは、「できない理由ではなく、できる方法を考える」という行動指針のもと、社員同士のつながりを大切にしながら新たなチャレンジに取り組んでいきます。