コロナ禍が招いたコアタイムの複雑化とコミュニケーション不足

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▲コーポレート部の山下 明佳里

アイデミーでは、コロナ禍以前より「警報発令時」と「最高気温36度以上の猛暑日」はリモートワークが認められる就業規則がありました。そのため、緊急事態宣言発令によるオフィスワークからリモートワークへの移行において、システム上の壁となるものはほとんどありませんでした。

しかし、以前よりあった「コアタイム」の問題が複雑化し始めたことに加え、リモートワークの常態化に伴って、社内コミュニケーションのあり方を模索する日々が続いていました。

山下 「コロナ前には10時から17時をコアタイムと定め、オフィス勤務を前提としたフレックス制度を導入していました。ところが、夜間に顧客対応が発生するメンバーは、当時のコアタイムでは長時間勤務となってしまいます。そのため、特例として当該職種のみ13時から16時のコアタイムへ変更しました。

しかし、組織変更や異動が重なるなど社内通知の徹底が困難だったこと、特例を受けたメンバー自身が不公平感を拭えなかったことが、運用面の課題として残っていました」

さらには、この2種類のコアタイムに加え、コロナ禍には「オフィスワークの場合」「リモートワークの場合」という、新たなパターンのコアタイムがプラスされ、現場は混乱状態に。

山下 「午前のみ出勤した場合はどうなるのか、といった判断がつきづらい場合もあり、メンバーから『自分が何のコアタイムに該当するのかわかりません』といった声があがるようになりました。

ちょうどこの頃、コロナ禍に入社したメンバーが社内全体の3分の1を占めるまでになり、新たに入社したメンバーから『同じチームの人としか話したことがない』『どんな人なのかわからず、コミュニケーションしづらい』といった不安の声も。

リモートワークが長期化する中で、コミュニケーション不足をどう解消するのか、メンバー同士や会社の一体感をいかに作るかといった点も課題として浮上したのです」


メンバーの関係性をアップデートし、コアタイムの撤廃へ

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▲仕事中の雰囲気

コロナ禍において複雑化してしまったコアタイムを改善するため、コーポレート部から役員に働きかけ、議論がスタートしたのが2020年6月。コーポレート部は、複雑化したままの現状維持か、特例メンバーに合わせてコアタイムを一律13時から16時とするかの2案を提案しました。

この提案に対し、コアタイムを撤廃してはどうかと口火を切ったのがCOOの河野 英太郎です。

山下 「河野は外資系企業でコアタイムのない働き方を長年経験していたため、コアレスによって会社やメンバーが受けるメリットを明確につかんでいました。ルールは最小限にとどめ、必要のないものは決めない方が管理思考に陥らず、メンバーの自主性やパフォーマンスを引き出せると思う、と。

今まで管理が複雑で、管理する側もされる側も工数がかかっていたことから、コーポレート部としてもなるべくシンプルなルールにしたいと考えていました。シンプルな管理になるコアレスに、コーポレート部としてはウエルカム。マネージャー職からも、コアレスに賛成という意見が多数でした。ところが、『コアレスになるとミーティングの予定を入れづらくなる』といった声も多く上がりました」

アイデミーでは従来から、職階関係なく「主催者は参加者の予定をGoogleカレンダーで確認し、空白であれば自由にミーティングを入れることができる」としています。メンバーを管理する立場であるマネージャーからの、コアレスになることでスピード感や機動性の低下が起きることを懸念しての意見でした。

そこで「管理」という、会社とメンバーの関係性をアップデートすべきタイミングと考え

「予定を入れられたくない時間帯はGoogleカレンダーにブロックする。ブロック忘れで予定を入れられてしまったら、入れられた側の責任で再調整する」を運用ルールとし、2020年8月よりコアタイムのないコアレスフレックス制度の運用を開始したのです。

バリューの再定義で強まる、働き方や仕事に対する想い

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▲アイデミーのメンバー

制度の改訂と並行して、会社規模や事業内容が変化する中で、働く上での価値観や行動指針ともなるバリューの再定義をメンバー全員で考えたいと、社長の石川 聡彦自身が旗手となり、議論しました。

山下 「バリュー再定義の議論は、社内全体で取り組む大きな挑戦でした。まとまらなかったらどうしよう、という不安もありましたが、働く上で何を重視しているか、自分自身へ問いかけるきっかけにもなり、同僚や先輩が重視していることを知る機会にもなりました。

どのような価値観、組織で働きたいかを全員が言語化し、絞り込まれたのが『プロフェッショナル』『科学者』『ワンチーム』の3つの要素です。これを自分たちの言葉でまとめ直し、バリューを決定しました」

決定したバリューは以下の3つ。
①Client First-すべてはお客様のために
お客様に最高の価値を提供し、期待を超えた感動を追求しよう
②Scientific Mindest-科学者たれ
事実やデータに対して素直に向き合いながら、常に挑戦しよう
③One Aidemy-信頼と尊敬
ミッションを達成するために、全員の力を合わせよう

山下 「バリューを再定義したことで、メンバーの働き方や仕事に対する想いがさらに強くなったと感じています。

Slackにお客様から感謝の声をいただいたよ、というメッセージがあがった時『Client First』のスタンプが押されたり、チーム一丸となったやりとりがあると『One Aidemy』のスタンプが押されたりと、普段から常にバリューを意識するような雰囲気になりました」

さらにコーポレート部では、社内交流の活性化を目的とした3つの福利厚生制度の整備を進めていきました。交流を促進するため「部署横断食事会制度」「同好会制度」の2つの制度を新設。さらに既存制度の「部署懇親会制度」をブラッシュアップし、3つの制度を利用することで会社の「縦・横・全体」3方向でのメンバー交流を可能としました。

山下 「コミュニケーションについての課題はまだまだ模索中です。運用後もメンバーの声には必ず耳を傾け、不公平感が生じないように最小催行人数の緩和、支援額の増加など、より有効なコミュニケーションの場となるよう、日々最適な制度へと形を変え続けています」

自己管理で業務に取り組む、新しい働き方

コアレスフレックス制度とリモートワークの導入により、メンバーは月の所定時間を満たす形で業務設計を行うことが求められるようになりました。コアレスフレックス制度を活用するメンバーへのアンケートでは、業務効率が上がったと感じている声が70%、生産性も21%上昇していることもあり、制度のメリットは十分あったと考えられます。

また、地方の実家に戻り、介護にあたったメンバーもいます。介護休暇の取得や離職をせずに継続して働けることは、会社にとってもメンバーにとっても大きなメリットです。

通勤不要の働き方は、都市部以外で暮らす優秀な人材を確保することにもつながります。現にアイデミーでは、地方からリモートワークをしているメンバーもいます。

通勤不要の自由な時間が増えた分、趣味や自己研鑽に費やすメンバーが増え、ワークライフバランスのとれた生活を送れるという点でも、大きな成果をもたらしました。

特に小さな子どもを持つ男性メンバーは、育児に参加しやすい環境にもなったといいます。

山下 「CTO清水 俊博がGoogleカレンダーに『育児優先タイム』と登録したことがきっかけです。この予定に刺激を受けた男性メンバーが、同じように育児予定を登録するようになったのです。

『幼稚園送迎』『子どもの健診のためブロック』など、さまざまな形の育児予定が入力されていますが、『優先』『調整可能』など、他のメンバーへの配慮も忘れずに予定が組み込まれています。

育児優先タイムをカレンダーに入力している子育て中のメンバーは多く、お子さんを膝に乗せてミーティングをしていることも。仕事と育児を両立する、“ライフの中の仕事”が浸透しています」

アイデミーは20代のメンバーが半数以上を占め、若い世代によって支えられている企業です。これから結婚、育児を迎える若いメンバーのためにも、女性に限らず男性も育児に参加するのが当たり前という風潮が根付くことを目指します。

また、自己管理で業務に取り組む新しい働き方の中で、仕事もプライベートも充実させながら、社員が長期的に就労できる環境をアイデミーは実践し続けていきます。