まずは自分たちの働き方改善を。オカムラ独自の改革、WiL-BEの誕生

▲オカムラでは働き方改革「WiL-BE」をトップ自ら率いて、全社展開しています

オフィス家具の製造・販売を行う株式会社オカムラ。ここ数年は世の中の働き方改革の広がりにともない、オフィス環境の改善という側面から働き方の提案も行っています。

薄 「当社では1980年に働き方や働く環境について研究するオフィス研究所(現:ワークデザイン研究所)という部署が発足し、これまで働き方・働く環境についての研究、関連するレポートや本の出版を行ってきました。

ここ数年で『働き方改革』という言葉が徐々に世の中に出始めてきたことをきっかけに、今まで以上に当社内でも働き方や働く環境の改革を自分ごととして考えていく必要がある、と感じるようになりました。オカムラの事業面から考えても、まず私たちが自ら改革を実践することで初めて、お客様に働き方改革におけるオフィス環境整備の重要性について説得力を持って語ることができると思っています。 また、働き方改革を実践し一人ひとりがいきいきと働いている会社の業績は必ず向上していくはずです。

そこで、まずは自分たちの働き方を改善することで自身がいきいきと働けるよう、そして改善を通じ経験した失敗や成功を提案へ活かすことで、お客様の働き方の広がりにも結び付けられるように、と考えました」

2015年11月にオカムラでは「はたらくをともに考え描く」をコンセプトに組織横断プロジェクト『WORK MILL』をスタート。WORK MILLの活動を皮切りに、長時間労働の是正や、ダイバーシティ推進のプロジェクトなど、毎年さまざまな働き方改革の取り組みが生まれていきました。

さらに、2017年には職場単位で業務改善を行う「働き方カエル!プロジェクト」が発足。このプロジェクトでは各部署内で起こっていた課題をそれぞれの部署内で解決していきます。部署それぞれが主体的に取り組むプロジェクトだったため、多くの従業員が社内の働き方改革に関わるようになりました。

徐々に働き方改革の風が吹き始めた社内。さらに本格的に取り組みを進めるため、2018年にはオカムラの働き方改革の指針を明文化しました。

薄 「人生で大切にしたいことは人によって異なり、仕事に対する考え方や姿勢、情熱も人それぞれです。そのため、オカムラの働き方改革では、それぞれが自分らしい働き方『Work in Life』を描き、実現することをゴールとして設定し活動してきました。トップが自ら率いて、全社で活動をさらに加速させていくことを会社として表明したタイミングで、働き方改革の取り組みを『WiL-BE』と呼ぶことに決めたんです」

全員がWiL-BEの担当者!プロジェクトへの当事者意識が成功の鍵

▲社内の課題解決をそれぞれの部署が管轄し全社で推進をしています

「働き方カエル!プロジェクト」でそれぞれの部署内の働き方は大きく改善。一方で、現場だけでは改善できず、会社全体として改革が必要な課題も多く出てきました。

そこで、2019年4月にWiL-BE推進委員会を発足させ、WiL-BE2期目のプロジェクトが新たにスタート。

まず、会社全体の課題を整理した上で4つのアクションにカテゴライズしました。具体的には、働くことの意識を変える「Human Development」、社内制度やしくみを整える「Work Rule」、社内のICT環境を整備する「Work Smart」、自分たちの働く環境を整える「Work Place」と名づけて、各部署にそれぞれの課題の管理・推進を任せることに。

薄 「専門部署をひとつつくって働き方改革を進める方法もありましたが、より多くの人を巻き込めた方が、それぞれの働き方改革に対する当事者意識が芽生え、波及していくのではないかと考えたんです」

全員が当事者意識を持ち、改革に取り組むには、取り組みへの理解が欠かせません。WiL-BEでは、全社での浸透を目指し、社内プロモーションにも力を入れました。

薄 「WiL-BEの各活動は3カ年計画で実行しています。浸透のためのプロモーション活動1年目は、WiL-BEについての社内周知に注力しました。全社で展開する取り組みですが、やはり一度の説明で理解してもらうことは難しく、WebサイトやSNS、イベントなどで社内発信を強化し、あの手この手で地道に社内プロモーションをしました。

2020年現在の2年目では、WiL-BEをより自分ごと化してもらうため、自分のWork in Lifeを考えるオンラインイベントを行うなど、自分らしい働き方を考えるきっかけをつくっています」

自分が働く場だからこそ、自らの手でオフィス改装を

▲商環境事業部メンバーが自分たちの手で改装したオフィスのエントランス

各部署が課題解決に力を発揮し、WiL-BEは徐々に社内へ浸透。とくにオカムラの本業でもあるWork Placeアクションでは、想像以上の効果を発揮した事例もありました。

薄 「自分たちが働く場をより効率的に仕事ができ、創造性が生まれる職場とすべく、2020年現在までにWork Placeアクションとして11拠点の改装に取り組みました。こちらでは、Work Placeアクション担当者が改装実務を行うのではなく、各拠点を自分たちの手で改装してもらいました。

オフィスデザインの担当部署に改装デザインを任せてしまうことは簡単ですが、働く場を使用する自分たちで試行錯誤しながら形にしていく方が、より良い空間になることは確実です。普段の業務と並行して違う作業も行うことは大変ではありますが、そのぶん愛着も湧きます。

スーパーなど商業施設用の什器を扱っている商環境事業部では、若手メンバーが中心となり改装を行ったのですが、改装をするにあたり自分たちでアイデアを出し合い、商業施設で活用される手書きの看板やデジタルサイネージをオフィス内に導入しました。

Work Placeアクション担当の、オフィスデザインを本業とするメンバーでは思いつかないような案が数多く採用され、今では他の拠点でも広く取り入れられるようになりました。その他にもオフィスの一角を活用し社内イベントを企画する、など改装後の運用でも良い効果が出ています」

社内の雰囲気は大きく変化。Work in Lifeが働きがいを生む

▲WiL-BE活動を現場で進めるメンバーへの取材風景

WiL-BEの取り組みによって「この数年で、かなり会社の雰囲気が良い方向へ変わった」など社内からの好反応が目立ってきました。

薄 「社内の雰囲気の変化は、社外の方々のお声からも感じるようになりました。お客様が会社に訪問された際に『従業員の笑顔が多いよね』とよく言われるようになったんです。

また、社内の雰囲気とともに、一人ひとりの意識も大きく変わったように思います。プロジェクトが始動したころは、『WiL-BEをやっても何も変わらないよ』というような雰囲気が正直ありました。しかし、徐々にWiL-BEを理解し自分ごととしての取り組みに関わった結果、今では『まずはなんでもやってみよう』という雰囲気に変わっています。

WiL-BEを今後も続けていった先に、全員が自分のWork in Lifeを考え、いきいきと仕事ができる状態になったらいいな、と思っています」

オカムラではWork in Lifeを実現するため、今後はWiL-BEと並行して、カルチャーブランディングにも力を入れていく予定です。今まで以上にオカムラのカルチャーを明確にすることで、会社の存在意義や仕事の意義の輪郭がはっきりとし、それぞれの働きがいを向上させてくれます。

働く場を提供する存在として、まずは自分たちから働き方改革を──。今後も働きやすい環境・働きがいの追求に取り組むオカムラの挑戦は今後も続いていきます。 

WiL-BE活動を現場で進めるメンバーへのインタビューをウェブサイトで公開中です。