「大広の採用を変えなければ」。社員の違和感から採用改革プロジェクトへ

▲左:東京 第2ブランドアクティベーションプロデュース本部 第1プロデュース局の西岡 岳、右:大阪 事業開発局の坂本 宗隆

企業の未来をつくるために、重要な鍵となる新卒採用。その新卒採用を根本から見直そうと、大広は2021年春入社の新卒採用から、大規模な採用改革を実施しています。

採用コンセプト、学生とのコミュニケーション方法、選考プロセスから既存社員へ向けた広報活動にいたるまで、抜本的に改革を図りました。 

プロジェクトをリードしたのは、東京 第2ブランドアクティベーションプロデュース本部 第1プロデュース局の西岡 岳と、大阪 事業開発局の坂本 宗隆。

きっかけは、西岡が面接官を担当した際に「会社として、新卒採用活動に対し十分に準備できていない」という印象を持ったことです。また同時期、坂本も「日本の就職活動は、採用する企業と採用される学生が、上下関係であるかのようなしくみである」と感じていました。そこで、2名は大広の採用活動を根本から見直そうと考えたのです。

しかし、ふたりは人事担当ではありません。そこで、社員のやりたいことに会社が投資する、大広固有の制度「成長活動ファンド」を利用し、採用改革の実施を提案。

すると、その場で人事担当役員から正式な社内プロジェクトとしての活動を依頼され、採用チームと共に「採用改革プロジェクト」として活動することが決定しました。

採用コンセプトは「CAMP」──大広らしい理想の働き方を体言することば

▲「CAMP」がコンセプトの採用サイト

プロジェクト実施前、大広では「新卒採用に関して十分な準備期間を設けられていない」という課題が存在していました。 

象徴的だったのが、採用サイト。年次が変わるごとにリニューアルしていましたが、西岡は「そもそも採用すべき人物像が1年で大きく変わるということはないのでは」と考えました。 

そこで、中長期の視野で採用コンセプトをつくるべく、プロジェクトメンバーで話し合いをスタート。求める人物像や、事業の差別化ポイントなど、さまざまな視点から意見を出し合いましたが、全員の考えをひとつに集約させるのは至難の技でした。

そんな中、大広での働き方に議論が及び「大広らしい理想の働き方は、キャンプをしているときみたいに、上下間の風通しが良く、楽しく真剣に議論することなのでは」と、プロジェクトメンバーの目線が揃いました。 

キャンプの語源を調べると、ラテン語のcampus(カンプス)に由来し、「平らな場所・広場」を意味するということもわかり、まさに「企業と学生の関係をフラットに変えていく」という本プロジェクトのビジョンともマッチ。ここに採用コンセプト「CAMP」が誕生しました。

「対話」を重視した選考プロセス──学生と企業がフラットな採用活動を

▲ インスタグラムで、社員の日常や活動スケジュールを数多く発信

本プロジェクトの実施前から、坂本は、新卒採用において「企業が学生を選ぶ」というような、企業優位の関係に違和感を感じていました。

坂本 「中途採用の面接では、企業と求職者がお互いにスキルや価値観をすり合わせしていますが、新卒採用はそうではない。学生は自分をよく見せようと振る舞い、一方で企業は短時間で学生を見抜こうとしている。なぜこんなに変わらないんだろうと思っていました」

このような考えから、もっとありのままの姿の学生との「対話」が必要と考え、選考プロセスの名称を変更。 

エントリーシートは、対話のためのシート「DIALOGUE SHEET(ダイアログシート)」とし、ありのままで自己紹介してもらうために、100のお題を提示しました。「『いま思い出してもクヤシイ!!』ことは?」「50年後、どんな『おじいちゃん・おばあちゃん』になっていたい?」など、自分を表現しやすいお題を選び、自由に記入するというスタイルです。

また、面接という名称も変更。テーブルを囲んだ対話を意味する「TABLE DIALOGUE(テーブルダイアログ)」としました。 

加えて、学生と接点を持つ方法も見直しました。社員の素の空気感をそのまま届けるため、主にインスタグラムで情報を発信。週に2、3回の投稿に社員が登場し、仕事や日常の過ごし方を紹介しました。登場した社員の数は累計100人以上にのぼります。

一方的な発信を行うだけでなく、コメントで寄せられた質問にストーリーズで回答したり、個別にダイレクトメールに返信したりするなど、双方向のコミュニケーションを実現させ、フォロワー数は最大で2,000名を超えました。

コロナの影響で、リアルでの実施が難しくなった説明会は「手のひら会社説明会」と称してインスタグラムやYouTubeで配信。学生から来る質問にも、出演した社員がリアルタイムで回答し、新入社員が出演した回では「自分が就職活動をしていたときのエントリーシートを公開!」といったコンテンツでリアルな情報提供を行うなど、工夫を凝らしました。

また、それらの動画はアーカイブを残し、後からでも視聴できるように公開したところ、「自分の好きなときに見ることができる」と学生から好評をいただきました。

 坂本 「コロナの影響で、リアルイベントが中止となり、急いでオンラインでの配信へと切り替えました。再生回数を見ると、想定より多くの学生に視聴していただけたことがわかり、オンライン配信にして良かったと感じますね」

採用改革プロジェクトの中でも、とくに熟考を重ねたのが「選考不通過の連絡」でした。どのような方法で何を伝えるか、プロジェクトメンバーでも何日間にもわたる議論の末、書類選考に関しては、メールでの連絡に加え、人事からの想いを動画で発信することに決定。

また、いつ来るかわからない合否連絡を、ドキドキしながら待っている学生も多いのではという想いから、連絡を送る日程を事前にインスタグラムで告知し、何名が応募し何名が通過したかという数字まで公開しました。

西岡 「この部分に関しては、きっと毎年議論を重ねることになると思います。当社の対応が正しいということではないのですが、就職活動において不通過の連絡がない、などの対応が行われてしまっている事実について、考えるきっかけになればと強く願っています」

内定受諾率が24%UP!「CAMP」の意思を未来へと紡ぐ

▲大広の社員が実際にキャンプをしている様子

これらの採用改革を実施した結果、エントリー数は前年度比で18%増加し、内定受諾率は前年度の60%から84%へ改善しました。

また、2020年4月6日に東洋経済が発表した「就活生2.4万人が選んだ就職人気ランキング」では83位にランクイン。前年度の304位から大幅に上昇しました。

21年卒の内定者からは、「自由な面接形態のおかげで、素に近い自分をさらけ出すことができ、その自分を受け入れたもらえたと感じました」「一つひとつの選考でも、私たち学生目線で考えてくれてすごく好印象でした。60社以上選考を受けた中で会社の雰囲気や人の良さはどこの会社よりも一番だと思いました」など、嬉しい意見が多く寄せられました。

坂本 「すでに22年卒学生向けのインターンシップをスタートさせているのですが、参加している学生に、大広へ応募した経緯を聞くと『1年上の先輩に勧められたので』という学生がいて。その先輩はご縁のなかったとのことですが『良い企業だから、受けておいたら』と言ってくれているようでした。そんなふうに言ってくれているとは……信じられないです」

また、採用活動へ対する社内の協力社員数も前年度の80名から167名へ大きく増えました。これらは、採用の進捗報告を全社へ向けて行い、活動に込めた想いやトライ&エラーを共有し続けた成果と言えます。

西岡 「『CAMP』は、大広らしい働き方のコンセプトとして開発したものなので、採用だけにとどまらず、さまざまな活動と連携を予定しています。インターンシップも『WINTER CAMP』『SUMMER CAMP』、今年の新入社員の研修も『Freshers CAMP』と名づけました。“継続”させることで、“常識化”を図りたいと思っています」

すでに来期へ向けて動き出した本プロジェクト。「CAMP」の意志を、未来へ。採用改革プロジェクトの挑戦は続きます。