東北の強みと当社の強みを活かした活動が、相乗効果を生み出す

私たちは当社と関わりの深い各地域へのさまざまな貢献が、その地域と当社の双方の発展につながる好循環を生みだすと考えています。

たとえば、我々の東北支社では東北の強みを活かして、地域への貢献や地域の魅力を共に創出する活動に力を入れてきました。

そして2021年、これまで活動してきた地域共創活動を継続しながら、厳しい外部環境に負けることなく「東北6県の地場産業をアサヒ飲料の100年ブランドを通して応援していきたい」。そのような想いを込めて、2021年に独自のプロジェクト「TSV(Tohoku Shared Value)」を立ち上げました。

私はエリア広報担当として、実務も進めながらメディアへの露出を高める活動を支援しています。具体的には、メディアへの取材の誘致です。

東北支社では、事業活動を通じて各々が地域に貢献できることを考え実践していく、という方針があります。一方で、どのくらいのスパンでやるのか、またこれがTSV活動だという明確な活動として定義されていません。そのため東北支社に所属する社員それぞれが自分にできることを考えて、個々に提案し、TSV活動をみんなでつくり上げているところです。

今年スタートしてまだそれほど数はあるわけではないのですが、形になってきている活動がいくつかあり、今年中に全員が何らかの形で参加できるような活動をつくっていきたいと思っています。

エリア広報の視点からプロジェクトに対して思うことは、「TSV」の方針や個々の活動は、魅力的な活動なのに、世の中で認知されていないということです。

また社内でも隅々まで知れ渡っているかといわれると、そうではないと思います。せっかくやっているのであれば、社内外問わず、皆さんに知ってもらい広げていくのが目標です。

多様な活動を推進する。重要なのは「活動の継続性」

▲「花巻まつり」でのサンプリング。支社のメンバーと(19年9月撮影)

東北支社での具体的な取り組みのひとつに、「三ツ矢サイダー」プロジェクトがあります。

岩手県花巻市で生まれた宮沢賢治と縁の深い「三ツ矢サイダー」のエピソードにちなみ、歴史的価値や世界観を大切にする取り組みを展開しています。

2018年に“宮沢賢治と「三ツ矢サイダー」”オリジナルポスターを掲示する活動から始まり、2019年からは花巻球場や道の駅などに「宮沢賢治オリジナルラッピング自動販売機」の設置を続けています。

それに続き、宮沢賢治が天ぷらそばと当時贅沢品だった「三ツ矢サイダー」の組み合わせで教え子にふるまったという逸話から、2019年9月の「花巻まつり」、2020年2月に行われた「第62回わんこそば全日本大会」でも「三ツ矢サイダー」を無料でサンプリングし、観光資源の創出、地域活性化に協力しました。

また、陸前高田市では、人気のご当地キャラクター「たかたのゆめちゃん」をあしらった自動販売機を市役所に提案、設置するなど、町の明るい面、元気なイメージを発信することに協力しました。

2021年3月にグランドオープンした陸前高田発酵パーク「CAMOCY」では、発酵のコラボとして「カルピス」を使ったメニュー展開や、「カルピス」の歴史を大型ボードにして掲示したり、製造工程DVDの上映などの共同企画を実施しました。

さらに、東北6県の発酵食品と「カルピス」がコラボした流通様向けキャンペーンやメニューを開発、発信して東北地区での発酵文化を伝え広める活動も企画しています。「カルピス」と東北地方の発酵食品メーカー様のヨーグルト、納豆、お酢などの発酵食品とのコラボキャンペーンが店頭で実施される予定です。

こうした活動やTSVの理念の浸透、PRのために、発信する上で意識していることは、活動の継続性です。今後も10年、20年と活動を続けていくことで、当社が東北の皆様とともに成長していけると思っています。

当社の企業価値を上げるという事も、しっかりと達成しなくてはいけない目標です。地道な活動をすることで東北の方々に私たちのファンになっていただきたい。アサヒ飲料東北支社は東北にある企業ですから、東北の企業として信頼してもらえるように、地域と共に、地道にコツコツとやっていきたいと思いますね。

地道な努力が認知され、大きな期待が寄せられる

▲特産果実の果汁を使用した商品の発売報告に市役所を訪問。メディア取材を誘致(19年8月撮影)

花巻市では、今年に入ってからも新しい企画を実施しました。

温泉の町としても有名な花巻市。そこで、花巻温泉郷の施設に「三ツ矢サイダー」を置いていただき、県内外から来た方に温泉に浸かって宮沢賢治の逸話に触れながら、「三ツ矢サイダー」を飲んでもらうという活動をしました。

さらに、その活動を多くの方に認知してもらうために、地方紙の取材を誘致して紙面に載せてもらい、イベントの告知を記事化しました。

すると、イベントが注目され、お得意先様や地域の方から「こんな事をやっているのですか?」といった問い合わせをいただいたんです。

社外からの反響が最初に届くのがエリア広報担当である私です。そのため「こんなに注目されているんだ!」という驚きを感じ、この期待に応えるためにも私がしっかりやらなくてはという責任感が増しました。そこから、私を含むプロジェクト担当者の熱量が一段と上がっていったのを覚えています。

去年から業界紙や地方紙でも「TSVやります!」という記事を取り上げていただけるようになりました。そういった記事を見て、色々な企業様から支社長へご連絡をいただいたり、営業担当者が商談の中で、「アサヒ飲料さん面白い事やっているよね」というお声をいただいたりする事もあったようです。少しずつですが反響が出てきているのではないかと感じています。

当社だけでなく他のメーカー様も、地域への貢献や地域の魅力を共に創出する活動に取り組んでいます。同じ業界でも違う業界でも、社会課題の解決や地域社会への貢献につながる活動をすごく大切にされていることを感じますね。

そんな社内外の取り組みに感化されて、今まで取り組んでこれなかった社員も「自分にも何かできるのでは」と行動し始める人も増えました。そこで年初からは支社長の方針で、「支社の全員が何かひとつ自分で考えて提案しよう」という提言がなされました。 

当社が誇る「三ツ矢サイダー」などの100年ブランドの強みのひとつは、当社の商品と東北にゆかりのある歴史上の人物との関わりやエピソードがあることです。当社の価値と東北との関わりを見つめなおすことは、社員にとってはブランド価値を見つめなおす機会にもなります。

担当者の背中を押してあげたい。TSVのこれから

今後TSVとしてやっていきたい事は色々あります。

東北には多くの特産品や昔からの酒蔵さんなども多くあるため、当社が持つ100年ブランドを中心とした商品と、東北エリアで大切に引き継がれてきた財産とのコラボレーションは、引き続き接点を見いだしてチャレンジしていきます。また、自動販売機もすごく重要なツールですので、自動販売機を活用した取り組みも引き続き行っていきます。

また、今はコロナ禍でなかなか厳しい状況ではありますが、これからに向けて、料飲店様との取り組みも行いたいです。当社では料飲店様向けにもさまざまなブランド、商品を持っていますので、地域ならではの伝統・エピソードや魅力ある特産品と当社ブランドがコラボしたメニューを提案していきたいですね。

さらに、地元の高校生と地域を盛り上げる新しい取り組みができないかという声が上がり、打合せを始めたところです。

こういったTSV活動は、私がアイデアを生んでいるのではなく、それぞれのエリアで活動している営業担当者が発案しています。あくまで、TSVのプロジェクトを最終的に体現してもらうのは、アイデアを生みだした担当者だと思っていますが、私はメンバーのアイデアをもっと生かしてあげたいと思っていますし、それによってメンバーが喜ぶことも嬉しいですね。

なかなか営業担当だけではできない事を、私のようなエリア広報やサポートする部隊が入ることによってよりよい形にし、できあがった活動を担当者自身が社内のイントラネットや様々なツールを活用して社内にも伝えていってもらえたら嬉しいです。

2021年2月から支社では、社員参加のプレゼン大会を開催するようになりました。第1回は「TSV」をテーマに発表者がプレゼンし、皆で自由に意見を出し合うことで、社内の意識も高まっていますし、多くの素晴らしい案が出てきました。TSVに関わる打合せに参加していると、社員の意気込みを直に実感することが多いです。

私はエリア広報として、そうした支社社員のやる気や想いを集約する役目もあると考えているんです。社員が考えた事を形にする時に、それをサポートして、外に出して、反響を肌で知ることができる。そのことに喜びを感じています。

まちづくりというほど大きなことではありませんが、この活動をきっかけにして、地域と関わりを持ち、取り組みができることは強みです。ですので、地域共創の取り組みを進めると共に、エリア広報の活動も積極的にやっていきたいと思っています。

エリア広報もいずれは後任へ引き継ぐことになるかと思います。担当者の背中を押す役割に対する想いも引き継いでいきながら、これからも活動を継続していきたいですね。