自分も、会社も、世の中も健康に。強みを活かし健康領域の課題解決を

「アサヒ飲料 健康チャレンジ!」は「自分も、会社も、世の中も健康に」をコンセプトにしています。

私たちの「飲料を通じて世の中に健康を届けていく」ということはもちろんのこと、まずは自分たちが健康になり、社員自らが健康とは何かを考え、学び、実践していきます。そして、そこから得た知見を活かしながら自治体や研究機関などと連携し、健康の情報をどんどん社外に発信していこうという活動です。

私はその活動の中で、社内資格制度「乳酸菌マスター」の育成推進担当と、マーケティング部門において、健康をテーマとした産官学連携を統括しています。

「乳酸菌マスター」は、お客さまに乳酸菌や発酵の魅力など秘められたチカラを発信する当社独自の社員向けの資格です。乳酸菌に関する研究成果と知識を世の中に伝え、健康を語る伝道師となる役目があります。2021年現在では、200名を超える社員が「乳酸菌マスター」として活躍しています。

健康をテーマとした産官学連携のCSV活動は、文字通り、大学などの研究機関、政府・自治体、他業態の企業などと連携しています。当社の強みを活かして、健康領域での社会課題に取り組む活動です。

私はもともと、1987年にカルピス社に入社しまして、研究所で商品の開発をしていました。その時に担当していたのが、乳酸菌飲料やヨーグルトなど乳酸菌を活用した商品でした。

乳酸菌や発酵に関わる研究開発を入社して最初に担当しましたし、その後も、要冷蔵の牛乳売り場などで売っているようなチルドカテゴリの飲料のマーケティングを長くやり、乳酸菌や発酵と業務経験上の接点が多かったです。

そのような業務にずっと携わっていたので、現在関わっている「乳酸菌マスター」もそうですし、健康領域を伸ばしていくことには、とても思い入れがあったんです。

食品会社では、健康領域に力を入れている会社が多いですが、私はこの「アサヒ飲料 健康チャレンジ!」プロジェクトのコンセプトに魅力を感じています。

今まで「健康」と言うと、例えば健康領域の商品を開発し、売上を伸ばしていくことがメーカーとしての主な取り組みだったと思います。それだけでなく、お客さまにとって有益な健康情報等も含めて発信していく、「自分も、会社も、世の中も健康に」という視点が「アサヒ飲料 健康チャレンジ!」なんです。また、カラダの健康だけでなく、心とカラダの健康に貢献していくという考え方にも共感しています。

自治体と連携した未病啓発。カラダだけでなくココロの健康にも貢献を

▲神奈川県知事からの感謝状表彰式。「ME-BYO(未病)コンセプト」普及に関する取り組みを評価される

産官学連携では、各自治体の健康増進策を応援する活動をしています。

神奈川県が行っている「未病の改善」を掲げた取り組みでは、「アサヒ飲料 健康チャレンジ!」の活動と連携させた活動を実施しています。その取り組みが評価され、県知事から感謝状をいただきました。

神奈川県は健康増進策として未病コンセプトの普及・啓発を推進しています。「未病」の考え方と「アサヒ 十六茶」の開発コンセプトである「カラダ全体のバランスを重視する東洋健康思想」が合致していることから、2018年より神奈川県と共同で未病啓発につながる取り組みを進めてきました。

これまでに、未病啓発を目的としたハンドブックを制作し配布したり、神奈川県で販売される「アサヒ 十六茶」の一部に「ME-BYO」ロゴをデザインしたり、「ME-BYO STYLE(未病スタイル)」のロゴが入った自動販売機を県内に設置したりという取り組みをしてきました。

日常生活の中での健康づくりや未病啓発へのきっかけにつながれば、と思っています。また、2019年からは県立山北高校の学生を対象とした「ME-BYO に関する学習活動」も支援しています。

これまでもハンドブックの配布などを通じて、お子さんや親御さんを対象に未病はこういうものだという普及はしていました。ただ、なかなか高校生や10代の方と触れ合う機会がなかったので、10代は未病をどのように捉えるのか、大変興味深かったですね。

山北高校では2年間連続で「探求」の授業を通じて、未病の学習支援をしていました。2年目の授業を支援していた頃、コロナで世の中が変わった時には意識の変化を感じましたね。感染予防の視点から未病はとても身近になって、そこに対するストレスをどう軽減していったら良いのかということを念頭に置きながら、取り組んでいる様子がうかがえました。

成果発表のとき特に印象に残ったのは、コロナ禍だからこそコミュニケーションをとることで、心の健康をケアしていくというテーマです。おじいちゃんおばあちゃんが介護施設にいる場合、なかなか家族と自由に会えなくなってしまって、心の健康が心配だという声がありました。

そういったところから、きちんと感染予防をしながら面会するとか、窓越しに話すことで心の健康につながるのではないか、などいろいろな対策を考えてくれていました。

アウトプットのひとつとして、高校生が考えた未病啓発を目的とした動画もつくりました。「SMILE!」というタイトルで“笑顔で未病を改善しよう”というメッセージが込められています。それもまさに心の健康といったところにもつながるのかなという風にも感じました。

未病対策というと、カラダを健康にするための食事・運動は誰でも思い浮かぶのですが、実は一方で心の健康を考えたときに、社会参加ということも重要な要素です。コミュニケーションが無くなると、いくら食生活や運動を心がけていても、心の健康が保てなくなり、未病の維持はできないのです。県知事もおっしゃっていたのですが、その視点にとても共感しています。

高校生が心のケアという視点まで考えてくれているのは、とても良いことだなと思いました。
私も心と体の両方の健康が基本だと思っています。

当社よりも研究に長けている企業はあると思います。しかし、ただ技術的にめざましい研究成果があるというだけではなくて、研究成果や健康につながるエビデンスに加えて、この商品を飲むと美味しいから癒されるみたいなところが、当社の飲料を通じたコミュニケーションの特徴であり、心の健康に寄与できる部分ではないかなと思っているんです。

心の健康面では、当社ができること、貢献できることの可能性は今後さらに広がっていくという気がしていますね。

カラダだけでなく行動も変える。本当の意味でCSVを実現する

▲「にゅうぜん元気キッズまるごと健康応援プロジェクト」2020年プロジェクトスタート式

北陸工場のある富山県入善町とも健康増進の取り組みを2017年から実施しています。
具体的には、町内の保育園・幼稚園、小中学校を対象として、11月から2月ぐらいまでの期に当社の商品をサンプリングして飲んでいただくというものです。これは、健康づくりの間接的なサポートをする「にゅうぜん元気キッズまるごと健康応援プロジェクト」という取り組みです。

最初は、町の健康増進に役立てていただきたいと我々の商品を配っていましたが、だんだん町が主体の取り組みとなっていきました。それを契機に、サンプリング以外にも通販で買えるような体制も整えていきました。

サンプリングに参加した入善の小学生から、当社にお手紙もいただきました。もともとはカラダの中から強くなりたい方の体調管理のきっかけに、飲料を飲むといったところからスタートしたのが、それをきっかけに手洗いやうがいの大切さがわかりましたという感想もいただいたのです。飲料を通じて行動変容につながっているんだと嬉しく感じましたね。

行動変容からさらに意識の定着につながるような広報的な支援をしようということで、感染予防と体力向上のための生活習慣を小さな子どもにも分かるようにした絵本冊子「うつさない うつらない つよくなる」を作って、それを配布するという取り組みもしています。

そういった取り組みが結果として出てきているので、この活動を続けていきたいと思っています。こうした活動が、「商品を理解していただいて購入までつなげていく」という本当の意味でのCSVとして、我々の経営にも良い影響を与える1つの指標になるのではないかなと、期待してるところです。

また同様の発想が沖縄での活動にもつながっています。

沖縄では空港で働くスタッフの方々に健康領域の商品をサンプリングしました。体調管理のために飲むということだけでなく、それを飲むことがきっかけで手洗いをした、あるいは食生活に気をつけるようになったなどの行動変容が起こるということについて、大学の先生と共同研究を行いました。

健康飲料を毎日飲むという習慣は、一人でやるとすぐ辞めてしまう人も職場で実施すると、声の掛け合いなどで続くようです。毎日100mlの飲料を飲んでもらうのですけれども、100mlの飲料ぐらいなら簡単に飲めるので結構続けられるんですよね。

飲用の継続が習慣化すると、食生活に気をつけるようになったとか、深酒をやめましたとか、そういった回答がアンケートで出てきます。

同様に入善町や総社市といった生産拠点のある地域で、継続飲用の取り組みに対する意見をいただいています。やはり単に飲んで体調を良くするというだけではなくて、行動変容含めてサポートしていくことができたらいいなと考えています。

各地域と密接な関係づくりを。アサヒ飲料として共に価値を創出する

「健康チャレンジ」の活動を推進している中で私自身が不健康ではまずいと思い、まずは自分が健康にならなくてはいけないということをすごく意識するようになりましたね(笑)。

当社ではウォーキングやスニーカー通勤も推奨しているので、私も歩こうと心掛けており、一日一万歩を目標に歩くようにしています。

「自分も、会社も、世の中も健康に」というスローガンを考えると、自分や会社についての健康はある程度コントロールが可能だと思いますが、世の中にという観点では、自治体を通して社会や世の中につなげていくことがとても重要な活動だと考えています。

我々も商品に関するサービスを通じて、健康増進への啓蒙やコミュニケーションは進めてきているわけですが、やはり地域の方と取り組むことで非常に密接な関係でできるところがあると思うのです。

当社には世の中も健康にしたいという想いがありますが、地域がもともと持っている健康課題はそれぞれだと思います。

その課題解決にアサヒ飲料としてどう支援できるか、当社の健康関連商品を通じて、「乳酸菌マスター」の活動を通じて、いかに貢献していくかが大切だと思っています。

一方的に我々が企業の視点でアプローチするのではなく、お互いにコミュニケーションを取りながら、より密接な関係を築くことで、共に価値を創出していけたら良いですね。