ITエンジニアを育てる研修の企画・運営・講師、そしてシステムの開発まで

2009年に入社した平林は人材ソリューション事業部キャリアサポートグループの所属です。現在は新卒ITエンジニア育成派遣プログラム「FIT Career」の育成担当として、プログラムの企画や運営、講師を行っています。

「FIT Career」とは、旭化成アミダス独自の専門職育成プログラムです。派遣先で経験を積みながら、自社でのさまざまな育成制度を通してITエンジニアとして大きく成長するしくみです。育成制度には、ITエンジニアに必要な共通のスキルを学ぶ必須研修と、希望者が受講できるTS講座とよばれる任意研修の2種類があります。

平林 「わたしはTS講座のIoT、AI、クラウドなどITの先端領域について自分で調査し、講座の形に落とし込んで社内に展開するということをやっています」

また「FIT Career」の研修で使われるシステムの開発なども、平林はエンジニアとして担当しています。たとえば、研修の告知や出欠確認、アンケート収集などを行う受講管理のためのシステムや、学生とのコミュニケーションなど採用活動に必要となるシステム。中には、社内システムにとどまらず、他社でも採用となったシステムもあります。

平林 「IT系のスキルを可視化するシステムで、自分の業務や学んだ内容を記録すると、成長度合いがグラフで確認できるんです。自社向けにつくったものですが、社外に展開することができました。

社内で便利なシステムが開発できれば、こうやって社外での実績を増やしていくこともできると思っています」

さまざまなシステムを開発している平林ですが、実は入社するまでITについてはまったくの未経験でした。

「FIT Career」を徹底的に活用して成長したことが、本社の育成側への転機に

「もともと弁護士の道を目指していた」という平林は、大学で法律を専攻。しかし法科大学院に進むかどうかの岐路に立ったとき、選んだのは進学ではなく就職でした。

平林 「就職するなら法律とは全然関係ない分野になるので結構悩みました。でも最終的に就職しようと決断。それなら、もともと数学が好きだったので理系の分野はないかと考えて、ITエンジニアを検討しはじめたんです」

いろいろ調べていくうちに、平林は旭化成アミダスの「FIT Career」に出会い、興味をもちます。

平林 「説明会で話をきくと、短期間でエンジニアとして成長できるしくみがあり、入社直後の4月に実施される国家試験を受けるために研修や教材も準備されていて、社会人になる前から学べるというのも魅力でした。

それに成長した後のキャリア選択まで幅広いサポートもあるなら、もしIT以外の道にいきたいと思っても貴重なステップになるとも思いましたね」

「FIT Career」に引かれ、ITという未知の分野に飛び込んだ平林ですが、実際に研修などがスタートする前はやはり不安もありました。しかし、その不安はすぐに払拭されます。

平林 「はじめてみると意外とプログラミングやシステム開発がすごく楽しくて、性に合っているなと感じましたね。学生時代に学んでいた法律は論理の学問ですが、この論理的思考がプログラミングとかなり親和性がありました。それにシステム開発上、法律はかなり必要な知識でもあります」

想定以上の楽しさを発見した平林は、2009年入社後、「FIT Career」から派遣という形であるシステム会社に勤務します。医療系やアパレル系など多種多様な業界のシステム開発にたずさわり、着々と実践的な技術を身につけていきます。さらに「FIT Career」が開催する研修や勉強会でも多くの経験を積みました。

平林 「若いうちから研修の企画や講師として登壇するチャンスもあったので、そういった企画には自ら手をあげて積極的に参加しました」

そんなふうにキャリアを重ねながら7年目を迎えたとき、大きな転機が訪れます。「FIT Career」は法改正にともないプログラム体系の再構築が必要になりました。そして、平林もその再構築プロジェクトに参加するために、本社のキャリアサポートグループへ異動になったのです。

平林 「再構築には『FIT Career』のコンセプトやしくみをしっかり理解していることが重要になる。『いちばん理解できているのは君だからやってほしい』と言われたときは嬉しかったですね。

しくみをゼロから構築しなおすのは責任も重大だし、当然やりがいもあります。これまで一生懸命取り組んできた姿をちゃんと見てくれていたんだと思いました。頑張ってきて良かったなと」

実は、この大改革を経た現在の「FIT Career」の育成制度は、その大半が平林の企画したものなのです。

社内外問わずインプットした知識は、目標を定めて存分にアウトプット

「インプットはもちろん、アウトプットも徹底する」。これが平林の成長のルールです。

平林 「担当するのが新しい技術なので、やはり外の情報を仕入れるのは重要です。社外の勉強会やコミュニティにも積極的に参加しています。育成の立場になってからはとくにそうですね。

そしてインプットだけでなく、得た情報や知識は積極的にアウトプットします。自分でもコミュニティに登壇したり、ブログに記事をまとめたり、SNSで発信したり。

アウトプットや誰かに教えるという行為は、自分の中でかみ砕いて理解しないといけないから、非常に自分の成長につながります。高校生時代からそう思っているので、とくに重視しています」

また、ただ漫然とアウトプット活動をするのではなく、目標を定めることも大事だと平林は言います。

平林はアウトプット活動に対して、企業が表彰・認定するコミュニティリーダーの称号を得ることを目標として掲げ、2019年11月にMicrosoft社が表彰する「Microsoft MVP for Microsoft Azure」を受賞し、2020年3月にLINE社からは「LINE API Expert」の認定も受けました。いずれも日本国内でも数十人にという狭き門です。

平林 「Microsoft MVPなどの称号は、せっかくアウトプットするならそこを目指そうと思ったんです。コミュニティの中でみんなに認めてもらえるくらい頑張って活動してみようと。

でも根底にあった原動力は、その技術が好きで、自分でも使いこなしたいし、たくさんの人に知ってもらいたい……そういう想いでした」

社内だけでなく社外でも積極的に目標達成を行っている平林が今目指しているのは、こうした独自に得た技術を社内に展開することです。

平林 「自分が外の世界で培ってきた技術を社内システムに展開し、役立てていきたいですね。

チームメンバーともいろんな技術を共有して、いっしょに開発できるようにチーム全体で成長しているところです。そしてその実績をまた社外コミュニティにアウトプットするというサイクルをつくっていきたいです」

自分の未来の可能性は、自ら切り拓く

育成側の立場で平林が難しさを感じるのは、いかに参加者本人に満足のいく研修を企画できるかどうか──

というのも、実は、研修後のアンケートに「業務に関係のない研修はやらないでほしい」「もっと業務に直結する内容を教えてほしい」という声も少ないながらあるからです。

平林 「開催は平日なので、みんな業務を調整して参加します。『せっかく受けたのに関係なかった』とモチベーションを下げてしまうことは避けたいですね。だから、いろんな知識や技術を知っておくことがいかに重要か。そしてそれを必ず業務に生かせる機会があるということを、うまく伝えられるようにとは常に心がけています」

なぜなら平林は、いろんなことに興味を持ち、業務外のことにもアンテナをはり情報収集することこそが、自分の成長に大きな影響を与えると考えているからです。

平林 「そうして見つけたものの中から、役に立つと思ったものを自分で勉強したり深めたりする癖を身につけてほしいという想いはすごく強いです。配属先ではやはり現業でいっぱいいっぱいになることが多いかもしれませんが、そのまま5年10年と過ごしてしまうと、自分の可能性の広がりがなくなってしまいます。とくに『FIT Career』では現在の仕事にとどまらない、将来のキャリアを考えていくことを大切にしているので、研修では“これから先“のヒントになるものにしていけたらと思っています。

任意参加のTS講座では、そのような興味を広げてもらえる内容を多く取りそろえているので、ぜひ活用してほしいですね。自分の可能性を自ら切り拓いていけるようなひとになってほしいし、自分もそうでありたいと思っています」



“自分の可能性を切り拓く“という視点でいえば、平林の目標は「大規模なカンファレンスで自分のそれまでの経験や培ってきた技術力をもとにした話をしてみたい」ということ。「そのためにも、長くこの業界で活躍されているひとたちに負けないくらい技術力も高めて、発信力も強くしていきたい」と言います。

ひとを育てる立場にあるからこそ、ますます自分を成長させることが鍵になるのです。