もっと自分の可能性を広げたい。実力を身につけるため、興味のあった建設業界へ

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アーキ・ジャパンに入社する前に3年ほど勤めていたのは、業務用の酒類を居酒屋などに配達する会社です。トラックに荷積みする倉庫管理の担当者として入社し、翌年にはグループ会社に異動して、配達の担当になりました。

転職を考え始めたきっかけは、毎日のように同じルートを回り、同じ作業をする日々に将来性を感じられなくなったことでした。もっと成長を実感でき、自分の可能性が広がるような仕事をしたいと考えたのです。

アーキ・ジャパンとは、そんな折に、転職サイトを通じて出会いました。選考を受けたのは、建設に携わる会社の中で唯一スカウトメールをくれた会社だったから。「せっかくの機会だから、とりあえず話を聞いてみよう」と、面接に向かいました。

面接などを通じて、私が現在担当している施工管理補助、いわゆる現場監督の仕事を知り「実力が身につく仕事」と感じましたね。その後はスタートを切らなければ何も得られないと思い、すぐに入社を決意しました。

未経験での建設業界への転職でしたが、当時、不安はありませんでした。実は、父親が建設業界で何十年と働いていて、私は以前から「どのような仕事だろう」という興味を持っていました。また、前職のころには、配達中に数々の建設現場を目にしながら「この建物はどう造られるのだろう」と好奇心を持つことも多かったんです。

入社前後の時期には、父に仕事内容や業界の構造についてよく質問していました。働き始めてからは、仕事から家に帰ると「今はどういう作業をしているの?」と聞かれたり、ふたりで外出したときには「このマンションの建て方はね……」などと教え合ったりもしますね。同じ業界に勤めているからこそのコミュニケーションをとることができて、嬉しく思っています。

研修を経てマンション建設の現場へ──先々を見据えて工程を管理するのが、今の役割

2020年にアーキ・ジャパンへ入社した後、まずは未経験者向けの研修を受けました。そこでは施工管理補助として知っておきたい工程の流れや、構造の種類といった基礎を学びます。

その後、配属されたのは、神奈川県の横浜市を中心にマンションを施工している会社です。初めに担当したのは、元町・中華街駅エリアのマンション建設の現場。2023年2月現在は、2現場目となる、茅ヶ崎市内で建設が進む、7階建て約40世帯のマンション現場を担当しています。そして現場での私は、職人のみなさんに仕事内容を伝える立場にいます。先々の工程を把握した上で「どの人にどう動いてもらうのか」「作業が重複しないためには」などと考え、プロジェクトを進める役割ですね。

たとえば、建物の骨組みである躯体(くたい)を造る工程では、とびや大工、鉄筋工の職人さんたちが主役です。その後も壁や床を仕上げる左官、カーテンレールを取り付ける造作大工、部屋の仕切りを担うボード仕上げ職人や軽量鉄骨下地職人、壁紙を張るクロス職人などのみなさんが関わってくるので、それぞれのスケジュールを把握しながら作業する順番を決めます。

とくに躯体の工程においては、朝礼のときに足場の重量制限や入場規制、安全帯の着用義務について伝えたり、注意喚起のための看板を作成したりもします。また、躯体を撮影したり、写真や書類を整理したりすることも施工管理の仕事。現場の整理整頓に努めています。

仕事のスケジュールで言うと、私の現場では朝の7時30分ごろに出勤するところから仕事が始まります。事務所で着替えなどを済ませて8時前には現場で待機。朝礼後は作業を進め、10時と12時に職人さんと共に休憩を取ります。

12時の昼休憩の後は、13時から昼礼です。その際、各職人さんに翌日の予定を聞き、作業に必要な人数や建築材料の搬入時間などを確認して、重複しないよう調整します。15時には再び休憩を挟み、17時になると職人のみなさんが帰られます。私は現場を見回り、戸締りをして事務所に戻り、撮影した躯体の写真の整理などを行います。およそ19時ごろには帰宅する場合が多いです。

オフの日は、自宅でシューティングゲームやロールプレイングゲームを楽しみます。仕事の後も食事や入浴を済ませたら、ゲームでリラックスして就寝しています。

たとえ失敗しても相談しやすい環境。現場に漂っているのは、優しい空気感

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仕事は順調ですが、もちろん壁にぶつかることもあります。たとえば躯体を構成する鉄筋は、太さや本数、組み方などが細かく決まっていて、仕上がりの写真をお施主様に報告するべく撮影しなければなりません。後にコンクリートを流し込むと隠れてしまうため、撮影を逃すと次の工程にも影響が出てしまいますが、過去にその躯体撮影を忘れてしまったことがありました。

ミスをしてからは、同じ失敗を繰り返さないよう反省し、先々の工程をよく確認するように意識を変えました。次に何をするのかを把握することで、どの職人さんを呼ぶべきか、作業の順番はどうするか、持ち込まれる建材は何か、いつ撮影をするかと注意を払えるようになったと感じます。

こういった大変さもある仕事の中で感じるのは、周囲の環境の温かさ。共に働くみなさんになんでも相談できる環境ですし、いつも行動を共にする所長をはじめ、ときに現場に訪ねてくる配属先の会社の経営陣やほかの現場の方などは、いずれの方も優しく接してくれます。

それに、職人さんとも良好な関係を築けています。以前の現場でご一緒した方から「またよろしくね」などと声をかけられると、顔を覚えてもらえているとわかり、嬉しく思います。中にはプライベートで交流のある方もいて、食事やカラオケに出かけることもあります。

こうした経験を経て、建設業界への印象は180度変わりました。入社前までは、建設業界は厳しい世界だと想像していましたが、今は職人さんとの関係性や現場にも温かさや親密さを感じます。

最後まで現場に立つことで得られる達成感がある──成長実感と建物がカタチになる喜び

アーキ・ジャパンに入って自分が成長したと感じるのは、やはり今後の状況を見て、率先して動けるようになったことです。建設業に携わってから、数日先の工程まで把握し判断していく力が身についたと思います。

こうした変化を実感できることが、この仕事の魅力です。最初はみなさんに質問をしてからようやく行動できる状態でしたが、今では自ら進んで動けます。続けていればスキルアップできると、自信を持って言えますね。

さらに現場では、細部まで確認することの大切さを学びました。躯体を建てるにも、図面に記載された高さなどの明確な基準があり、そこから逆算して作業を進めていきます。基準の数値を追い求め、図面通りに、しかも美しく仕上げていく職人さんたちの仕事を最初に目の当たりにした場面が今も心に残っています。

こうした仕事を経て、今は「建設業界を広く見て回りたい」という将来を描いています。まだ鉄筋コンクリート造の建物にしか携わっていないので、鉄骨造の建物にも携わってみたいです。おそらく鉄筋を入れ、コンクリートを流して柱を造っていくと思いますが、その先はどのように建物を築いていくのか興味があります。建築施工管理補助として活躍するために、施工管理技士の資格も取得したいですね。

私のように未経験で建設業界にチャレンジしようと思っている方には、たとえ初めての現場でくじけそうになっても、最後まで続けてほしい、と伝えたいです。なんとか乗り越えて次の現場に行くと、前回よりも動ける自分に気づき、周囲から指摘を受ける回数も減り、きっと自信も湧いてくるはず。

また、建物が完成する感動を味わえるのも、最後まで続けるからこそ。私は最初に携わったマンションが完成を迎えたとき、大きな達成感を得られました。内覧会で、物件を購入した方々が建物を眺めて部屋に入っていく姿を見て「自分が関わった建物に人が住むのか」と感動したのです。

街の景色の中に長く残る建物をつくる──そんな経験を同じように味わってもらえたら嬉しいですし、私自身、その達成感のもと、今の仕事を続けていきたいと思っています。