建設費100億円におよぶ大規模工事から、現場監督3人の小規模工事まで

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2022年9月現在、私は大手ゼネコンの工事現場で施工管理を担当。データセンターを新築する工事現場で、主に工程管理や安全管理、職人さんの手配や工事の記録などを任されています。

工事はおよそ3年におよぶ予定で、現在はもともと敷地に建っていた8階建てのビルを解体中。これまで4つの現場を経験していますが、実は、解体工事から関わるのはこれが初めて。解体工事は、新築工事と比べて危険度が高く、騒音の面でも近隣への細やかな配慮が必要なので、これまで以上に気を引き締めて業務に臨んでいます。

この現場を担当することになったきっかけは、前回の現場で約1年間一緒に仕事をさせていただいたゼネコンの方から、「次の現場にも来てほしい」とお声掛けいただいたこと。気心が知れ、業務の流れや要領なども掴んでいる状態なので、とても仕事がしやすい環境です。

前回は建設費が100億円規模の大きな工場の建設だったので、現場監督も職人もかなりの人数がいました。それに対して今回の管理者は、ゼネコンの所長と次席に、アーキ・ジャパンから私が1人加わった3名の小規模体制。

大規模な現場の場合、私の指示ひとつで多くの職人さんたちの動きが変わるダイナミックさがあります。逆に、今のような小規模な現場では、関係する人数は減るものの非常に細やかな指示が求められ、少ない職人さんをうまく配置しながら統括しなければいけません。それぞれに難しい面がありますが、どちらも大変やりがいがある仕事です。

建設会社の営業職を経て、アーキ・ジャパンへ。現場で感じる建設業の難しさとやりがい

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高校時代、野球に打ち込んでいた私は、得意だった体育について学ぶため、大学は体育学部に進学しました。

大学卒業後は、営業職の成果報酬制度に惹かれてデベロッパー系建設会社に就職。自分は営業に向いていると思っていたのですが、飛び込み営業をするうちに、心の中に迷いのようなものが生まれました。「今提案している建築案件は、このお客様にとって本当に必要なのだろうか?」と感じながら営業活動を続けることに、疑問を抱くようになったんです。

また、初配属となったのは、私にとってまったくゆかりのない茨城県。結婚して子どもが生まれると、近くに子育てをサポートしてくれる両親がいないことや、土日出勤で平日休みという勤務体系で連休が取りづらい状況にも不安を感じて……。この環境を変えなければと、転職を決意しました。

転職先は、これまでの経験が少しでも活かせるよう建設業界に絞りました。勤務地や勤務体系について、ある程度自分の希望が叶うという点が、アーキ・ジャパンに入社した一番の決め手です。

営業職からの転身であり、建築を学んできたわけでもなかったので、もちろん不安はありました。しかし、これまでスポーツで培ってきた粘り強さは誰にも負けない自信があり、「壁にぶつかっても乗り越えていける」と自分自身を奮い立たせました。

実際に働き始めてみると、やはり覚えるべきことはたくさんあり、苦労や戸惑いを覚える場面もあります。中でも、業務が天候に左右されてしまうところに、一番の難しさを感じますね。たとえば、台風が来れば段取りしていた工事が延期になりますし、新型コロナウイルス感染症が広がれば職人さんの数が足りなくなってしまうことも。そうした建設業界ならではの特性を踏まえて、工期や予算というお客様の要望にしっかりと応えていくことが課題であり、やりがいでもありますね。

施工管理を進めていく上では、協力業者や職人との信頼関係を築くことが一番大切です。そのために、まだまだ経験値の少ない私にできるのは、「嘘をつかない」こと。たとえば私がミスをして、工期や予算を変更してもらわなければならなくなった場合、誤魔化さずに正直に伝えるようにしています。

初めての現場が終わるまでには、正直なところたくさんの苦労がありましたが、完成した建物を見たときに、そんな気持ちは一気に吹き飛びました。自分がこの建物の建設に携われたんだと、ただただ嬉しかったんです。何度経験しても、建物が完成したときに感じる喜びは変わりません。

入社の約1年半後に国家資格取得。仕事に直結する幅広い知識と自信が身についた

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建設現場で1年半の実務経験を積んだ私は、2021年、2級建築施工管理技士という国家資格の試験に挑戦し、見事一発合格を果たしました。

現場で働いていると、周囲にはやはり建築系学部出身の方や、その分野の勉強をしてきた方が多く、そうではない自分の中には、ずっと焦りのようなものがありました。今回資格を取れたことでそうした気持ちが少しだけ払拭され、自信を持てただけでなく、この仕事に対する前向きな姿勢を周囲に示すことができたのでは、と思っています。

もちろん、給与面でも優遇がありますし、勉強の内容が仕事に直結するのでスキルアップにもつながります。逆にいうと、毎日の仕事の内容が試験に出ることも多いので、勉強しやすいというメリットもありました。たとえば、試験勉強をしていたときはちょうど新築工事に携わっていた時期だったので、コンクリートや鉄筋工事の分野は得意でしたね。

勉強時間は、平日が1日1時間程度、週末は子どもとの時間を大切にしたいということもあって3時間程しか取れませんでした。効率よく勉強を進めるために、まずは参考書の覚えるべき部分はすべて暗記し、そのあとは過去問をひたすら解くスタイル。苦手分野を一つひとつ潰していく感じです。

資格取得のために勉強したことで、単純に知識の量が増えましたし、これまで経験したことのない分野についても学べたので、今後どんな建物を担当しても自信を持って業務を遂行していけると感じています。

今はまだ若いので、とりあえず現場に呼んでいただいているのですが、今後キャリアを重ねていくためには、なんらかの肩書があった方が安心できるかな、とも思います。大学で建築系を専攻してこなかったからこそ、資格は非常に大切な武器でもありますね。

次に目指す1級建築施工管理技士の受験資格が得られるのは、実務経験が4年6カ月を超えてから。そのタイミングですぐ受験して合格できるように、今から少しずつ準備を進めていきたいと考えています。ゆくゆくは一級建築士まで目指したいですね。

今後もさまざまな建物に携わり、子どもに仕事を誇れる父親でありたい

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これまでマンション、ホテル、工場、そして今のデータセンターと、さまざまな種類の建設現場に携わってきました。鉄筋コンクリート造や鉄骨造など構造も違いますし、工事内容自体も異なるので、覚えることは多いですが非常に楽しいです。

今後もできれば違うジャンルの建物に携わったり、別のゼネコンの現場に入らせていただいたりして、現場管理のキャリアを積んでいきたいと考えています。ゼネコンによって業務のやり方も違うでしょうし、得意とする建物も違います。多様な経験ができるのは、アーキ・ジャパンに所属しているからこその強み。やる気さえあれば知識はどんどん吸収できますし、誠実さがあれば周りの人たちも応えてくれる職場なので、興味がある方にはぜひ挑戦してほしいですね。

私の場合はアーキ・ジャパンに転職したことで、希望の勤務地で働くことができ、子どもと一緒にいる時間も増えました。現在は建設業界全体が、現場での週休二日制の本格導入を目指しているタイミング。現在就業中の現場では私自身も休みをしっかりいただけているので、理想のワークライフバランスに近づいてきているな、と実感しています。

いつかは、建設業界の代表作のような建物に関わる、という大きな夢があります。自分が携わった建物が長い年月この世にずっと残っていくのが、建設業の醍醐味。将来子どもが大きくなったら、「これが父さんの仕事だ」と胸を張って建物を見せたいと思っています。