人が好き。28年間、総務・人事・経理の管理業務に一貫して携わる
加藤が入社したのは今から28年前の1994年。小さなころは地図帳を常に持ち歩くほど地図・航空機が好きで、高校では化学部・生物部に入部していました。
加藤 「高校では化学部で水質調査などを行い、環境アセスメントに興味を持っていました。当時、映画『ダイ・ハード』が流行っていたため航空管制官にも憧れていましたが、学校に届いていた求人をきっかけに、『航』の文字に惹かれてアジア航測に入社しました」
入社後は総務・人事・経理の管理業務に一貫して携わり、約25年大阪で勤務。
加藤 「入社するまでは総務や経理の仕事のイメージがついていなかったのですが、私自身『人が好き』ということもあり、やってみて天職だと感じました。さまざまな相談を受けることが多く、社員一人ひとりに親身になって対応することが、私の性格に合っていたのです。
入社時に、『1人前になるのに3年はかかるので、3年は勤めてほしい』と言われたのですが、気がついたら28年。とても働きやすい環境で、周りの人にも恵まれ、続けることができました」
2013年からグループ会社の監査役も経験したのち、2014年には管理職に就任しています。
加藤 「最近は社内でも女性が活躍している傾向にあり、『私も頑張らないと』と影響を受けています。バリバリのキャリアウーマンで上昇志向、というわけではないのですが、保健室の先生のような、皆さんと近しい存在の管理職として、相談しやすい窓口になれるよう努めています」
2019年、居住地は大阪のまま名古屋に異動。キャリアアップのために、会社から後押しされる形で異動を決めました。
加藤 「私は2000年に結婚して大阪に住んでいて、転勤の話はそれまでもあったものの『難しいです』と伝えていました。
しかし、私のキャリアのことを、私自身よりも会社が深く考えてくれて、『新しい環境で経験を積んでみては』という提案をもらったのです。私の働き方もふまえ、会社は最大限の配慮をしてくれたと思っています。名古屋までは新幹線で2時間もかからなかったため、異動をお受けしました」
中部支社社員のワクチン接種に尽力。約100人をバックオフィスから支える
2019年10月に中部支社(名古屋)に異動したものの、半年後に新型コロナウイルス感染症が蔓延したことから、在宅勤務が多くなりました。2022年12月現在は週3~4日で名古屋に出勤しながら、出勤時は社内のコミュニケーション活性化を心がけるようにしています。
加藤 「コロナ禍ではなかなかコミュニケーションが取れず、マスクもしているので、最初は顔を覚えることにも苦戦しました。なので、出社したときには皆さんに積極的に声をかけるように心がけ、皆さんとさまざまな話をするようにしていきました」
2020年5月ごろからは新型コロナ対応も行い、中部支社の社員がワクチン接種を受けられるように尽力。
加藤 「当時、名古屋では『ワクチンがいつ打てるのか』という不安がありました。私は衛生管理者を務めているので、産業医と連携して会社から徒歩圏内の場所でのワクチン接種ができるよう手配を進行。年末の仕事納めのときに社員から『あのときはすごく助かった』と言ってもらえたことが、とても嬉しかったです」
加藤が働いている中部支社の人数は約100人。約200人規模の西日本支社(大阪)の半分ではありますが、嘱託社員2人・アルバイト1人の合計4人でバックオフィス部門を担っています。
加藤 「西日本支社は社員の人数も多かったため、担当ごとに分けてその一部の業務を私が行うことが多かったのですが、中部支社は私自身の任される範囲が増え、とても勉強になっています。学ぶことが多く、人脈も広がり、西日本支社と同じ業務でも違う角度から経験できていますね」
少ない人数で約100人の社員を支えるべく、管理職としてメンバーをサポートするのも加藤の役割です。
加藤 「月に一度課内でのミーティングで業務の確認を行い、勉強会をしてお互いの業務をフォローし合えるような組織づくりを目指しています。頼める仕事が限定されることもあるのですが、あまりプレッシャーをかけすぎないことも心がけていることのひとつです。
資格の取得を会社として促すこともありますが、本人たちの働き方を考慮しながら『できる限りの範囲で頑張ってほしい』というスタンスでフォローし、働きやすい環境を提供したいと思っています」
部署間の壁を撤去。社員がより交流しやすい環境をつくる
通常業務のほか、2017年ごろより加藤が取り組んでいるのが「働き方改革」。中部支社へ異動後も会社の働き方改革委員会の中部地域の事務局として、率先して関わっています。
加藤 「現在の中部支社長に積極的に取り組んでもらっているので、とても助かっています。最近では、中部支社の3階にある国土保全コンサルタント事業部とインフラマネジメント事業部を隔てていた壁を一部撤去。両事業部は協力して同じ業務を担当することもあったのですが、対面で話しにくいがゆえにうまく業務を遂行することができないという課題が発生していました。
壁を撤去する前にはセキュリティレベルを合わせるようにISMSの認証登録を変更し、お互い行き来できるようにしたのですが、交流が進まず、物理的な壁の撤去に至ったのです。工事を請け負ってくれる業者に依頼し、棚の移動などは私たちで行いました」
壁を撤去した後は、交流の場として近くにコミュニティスペースを設置。働き方改革委員会の若手メンバーとも一緒に取り組んだと言います。
加藤 「若手社員にレイアウト・備品の選択などを任せました。ある程度の予算とオフィス家具のカタログを渡したところ、予算以上のおしゃれなものを選択してくれて(笑)。
私は予算を少し超える分には良いかと思っていたのですが、本人たちがよく考え、予算内で収まる別の家具店のカタログを持って来てくれました。お客様からの相談で問題が生じたときも、若手社員たちはお客様の期待に応えられるように別のアプローチを考え解決するのだなと感じ、とても感動しました」
働き方改革委員会として、コロナ禍でなかなか開催できなかったイベントも2022年は実行。
加藤 「今年の9月に、去年はできなかったバンテリンドーム ナゴヤでの野球観戦を1年越しに開催しました。10月には昨年より実施している家族参加での藤前干潟清掃活動を実施。
弊社には環境や生物に詳しい社員もいるので、清掃活動をしながら生物の説明を子どもたちに伝えています。和やかな雰囲気の中で行われ、イベントでは社員たちの仕事では気づかない面が垣間見られることも楽しいです」
「私が窓口になります」。困ったときに、すぐに相談できる存在
社内でも良いコミュニケーションが取れている部署として評判の中部支社。アットホームな雰囲気づくりに加藤が一役買っています。
加藤 「コミュニケーションがよく取れる社風にするために私が心がけているのは、相談を受ける窓口を明確に設けること。他社では、悩んだときにどこに相談したら良いかわからないことも多いかと思うのですが、中部支社の場合、正社員だけでなく派遣社員・アルバイトの入社時にも『私が窓口になります』と伝えているんです。
困ったときには私に相談、という認識を持ってくれているおかげか、みんな心身共に健康に働いてくれています」
保健室の先生のように、中部支社社員の心の支えとなっている加藤。対面の機会が少ないからこその工夫もしています。
加藤 「出勤したときにはあいさつはもちろんのこと、隙間時間やエレベーターなどで会ったときにも声をかけ、最近の状況や困っていることはないか聞くようにしています。オンラインでもメールは随時対応。『相談しやすい窓口』という部分は在宅でもなくさないようにしています」
話を聞く上で加藤が大切にしているのは「寄り添う」こと。
加藤 「管理部門では『規定や規則なので』ということも多々あるのですが、相談されることは規定・規則を見直す良い機会でもあります。寄り添うことで解決策を一緒に考え、長く勤務してもらうための環境づくりをしていきたいと思っています。
今後は、スキルアップをしてから大阪に戻り、中部支社で築いた人脈を活かしながら自分も働き続け、そして皆さんが働きやすい環境をこれからもつくっていきたいです」
ずっと働き続けたい──28年働き続ける加藤だからこそ、会社の魅力や働きやすさを実感しています。
加藤 「最近は自然災害による甚大な被害も多いですが、アジア航測は災害復興などの事業で社会に貢献できる会社です。また、人財開発室が発足され『人材』から『人財』という意識に変わり、さらに働きやすい会社に進化しました。私も新しく入社される人を人財として長く働き続けてもらうためにサポートできたらと思っています」
社員が気持ちよく働けるよう、縁の下で支える加藤。壁に衝突したときも諦めず、社員に寄り添いながら一緒に解決策を探し、より良い職場環境を目指していきます。