測量コンサルタントのプロとして、民間企業・国の課題解決に向け奔走
アジア航測は、航空写真測量など最先端の技術を駆使して、安全・安心で豊かな社会を支える空間情報コンサルティング企業です。田村は大阪支店営業一課に所属し、官公庁や民間企業への営業を担当しています。
田村 「現在は主に国土交通省(国交省)の対応をしています。仕事内容は、情報収集のための外回りや、技術者が技術提案書を作成するための資料収集、入札時に提出する申請書類の作成、入札で行う見積書の作成など多岐に渡ります」
自然災害が多発する日本において多いのが、防災に関する相談。現在、国では道路斜面に関する防災に取り組んでおり、災害が起きるリスクがある場所の抽出が求められます。このような要望に対して、「アジア航測として、課題解決に向けてどう取り組んでいけるのか」を提案していくのが田村の仕事です。
田村 「提案には2パターンあります。ひとつは、国交省が発注する前の段階で、課題に対してどうコンサルティングしていけるのかということ。そしてもうひとつが、国交省から公示・発注後に具体的にどうするのかということです。ひとつめの提案書を私たち営業が作成し、ふたつめの提案書は主に技術者が作成します」
現在は官公庁をメインに営業している田村ですが、入社時は主に民間の電力会社を担当していました。社内異動で取引先相手や営業内容の変更はあったものの、営業活動をする上で大切にしていることは変わりません。
田村 「とにかくヒアリングを大切にしていますね。お客様が困っている課題に対し、『どうアプローチすると解決できるのか』というのを常に考えて営業しています。
もちろん、全てのお客様が親しく話してくれるわけではありません。円滑なコミュニケーションを取るために資料を提供したり、専門知識のある技術者とつないで情報交換をしたりして、関係を深めていくこともありますよ」
田村が日々心がけているのは、「自分もお客様もストレスがないように」。相手の課題解決に向けて、最善の方法を模索し提案しています。
元高校教師。土木業界への憧れを胸に、異業種へ挑戦
実は、高校教師として5年間働いていたというめずらしい経歴の持ち主である田村。教職から建築系の企業に転職して営業のノウハウを身につけ、その後アジア航測へ入社しました。
田村 「実家が土木設計事務所だったこともあって土木関係の仕事に憧れがあり、教職から転職を決めました。前職では建築系の営業として、『営業としてどうすればお客様に寄り添え、信頼してもらえるか』を学ぶことができましたね」
前職の厳しく超多忙だった営業時代、”君ならどこでも通用する”とお墨つきをもらえたのが大きな自信になりました。ただ、5年先、10年先の将来を考えたとき、長期的に働ける会社で働きたいという想いが募り、転職を決意。転職アドバイザーからもらったリストにあったアジア航測の名前に目が留まり、父親に相談したのです。すると「うちの会社もアジア航測のお世話になったことがある」と聞き、興味を持ちました。選考を受けることを決め、進んでいくうちに、社員の人柄に魅力を感じ入社を決めたといいます。
田村「選考では、学生時代に打ち込んでいたボートのことや、教員時代の話まで聞いてくれたんです。経歴だけでなく、『人』を見ようとしているのを感じ、ぜひここで働きたいと思いました」
アジア航測でも通用するように頑張りたい――熱い想いで入社した田村でしたが、入社直後は苦労もありました。入社して初めての担当は電力の営業。電力は重要なインフラのひとつではありますが、「ニッチな領域ゆえに、仕事にするにはどうすればいいのか戸惑った」といいます。
田村 「電力設備を作るとき・維持更新するとき・建て替えるときなど、それぞれのタイミングで図面が必要になります。どんな図面を作っていて、どういう情報が載っていて、その情報を載せるためには何が必要なのかなど、勉強することが非常に多かったですね。
また、同じ電力会社の事務所でも使う図面の種類が違うこともよくあり、覚えていかないといけません。もちろん、図面の販売だけではなく、同時並行で他の仕事もありましたし。インプットだけでなくアウトプットしていかないといけない状態だったのが、最初に苦労した点ですね」
新人が苦労するとき、「先輩社員に聞く」という方法が思い浮かぶと思います。しかし、上司から言われたのは意外な言葉でした。
田村 「上司からは、『お客様に教えてもらいなさい』と言われました。実際に必要な情報はお客様がたくさん持っています。そこで、飛び込み営業でお客様に役立つ資料を持って行き、共通の趣味の話をするなど仲良くなるための工夫をしました。関係を築きながら自分も勉強していることを熱心に伝えて、お客様に教えていただきましたね」
お客様の声をもとに課題を解決し、提案していく喜び
日々お客様とやり取りをしながら成長を続ける田村。飛び込み営業先で出会ったお客様を通じて、他企業との契約につながったという経験もあるほど、深い信頼関係を築きあげていきました。その中でもとくに印象に残っている出来事は、お客様との日常会話がきっかけとなり、新しい事業ができたことだと語ります。
田村 「鉄塔には送電線が複数通っていて、中にはかなり高圧の電流が流れています。鉄塔の補修工事をするときには、一度電気を止める必要があるのです。もちろん、電気を止めると電線の先に電気が届かなくなってしまうので、必ず別のところから電気を流しています。しかし、鉄道など毎日稼働している電線は、どうしても電気が止められず測定に苦労することもありました。
そんなある日、お客様から『最新のレーザーがあるけれど、何かに使えないか』とお話をいただいたんです。日常会話の中で『地上から鉄塔を測れたら便利だよね』と話が派生していき、地上から据え置き型レーザーを使って鉄塔を測るということを、業界で初めて成し遂げました。今では、他の事業者さんでもこの手法が広く使われています」
「資格を必要としない営業は、誰にでもできるものだと思われがちですが、実は嫌がられないためのノウハウやテクニックがあり、新入社員に伝えています」と語る田村。しかし、営業は決して楽しいことばかりではないはず。それでも魅力を感じるのはどういう部分なのか単刀直入に聞いてみると、田村の人柄が伝わる返事が戻ってきました。
田村 「課題解決ができたとき、お客様は一番嬉しい顔をされるんです。良い仕事ができたときは技術者もいい顔になるので、両者の笑顔が見られるというのがこの営業のいいところだと思います」
お客様の課題を解決して笑顔を引き出せ、そのうえ業界にも貢献できる。営業という仕事は田村にとってまさに天職なのです。
アジア航測で働けることが誇り。信頼を背に、未来へ突き進む
さまざまな仕事を経験してきた田村ですが、アジア航測で働くことに日々魅力を感じているといいます。
田村 「アジア航測には、測量コンサルタントや建設コンサルタントの中でもネームバリューや歴史があります。脈々と信頼を受け継いできている会社なので『アジア航測の田村です』といったときに、受け入れてもらいやすいのです。技術者や営業など、これまでアジア航測で働いてきた方が、信頼を積んできた証ですよね。
また、以前アジア航測で働いていた方の話などを聞くこともあります。『義理堅い人だった』などの評価を耳にすると、『自分もそういう人間として立ち振る舞わないといけない』と重みを感じますね。これは、アジア航測で働いている一番の誇りです」
先代達の功績・信頼が積み重なっているアジア航測。どんな人が向いているのでしょうか。
田村 「前向きな人、そして良い人が向いていると思います。測量コンサルタントはニッチな分野であり、日々技術が進歩している。学ぶ心構えを持ち続け、困っているお客様を助けたいと思い、技術者とお客様とつなぐことが求められます。ここまでの領域ができる人は、おそらく人柄が良い。だからこそ、アジア航測には本当に良い人が多いのだと思います」
アジア航測で働けることに誇りを感じ、その上「働いている人は良い人が多い」と躊躇なく話す田村の様子から、アジア航測への想いが伝わってきます。今回社内異動によって担当の領域が変わりましたが、「取り扱うものや営業先が変わっただけ」と笑う田村。その瞳には、「自分に責任を与えてくれた人に応えたい」という感謝とやる気が満ち溢れています。
田村 「上司を見ていると、ポジションが上がるにつれて仕事や責任が変わっていくのが分かります。私も将来的には、責任を背負える役職につける人になっていきたいです」
鉄塔が好きだという田村。鉄塔は動きながらもそこにどっしり構えてやるべきことをやっている。常に目の前の事柄に真摯に取り組み、成長し続ける田村は、あたかも鉄塔のようです。周囲の人々・経験への感謝の気持ちを忘れず、懐深く構え、皆を牽引していく存在へと飛躍していくでしょう。