現場を重んじる「泥臭さ」に惹かれて。学生時代の経験が入社のきっかけに

▲台風で土砂崩れにあった山に植樹する垣原(高校時代)

垣原が所属する公共アセットマネジメント課は、空間情報技術を活用し、「情報管理(ヒト)」、「施設管理(モノ)」、「経営管理(カネ)」の観点から地方自治体の公共施設等のマネジメントを総合的に支援する部署です。

公共施設等とは市町村が所有する学校、公民館などの公共施設や道路、橋りょう等の土木構造物、公営企業の施設(上下道、下水道等)、プラント系施設(廃棄物処理場等)等を含む包括的な概念を指します。

垣原 「公共施設等は高度経済成長期に一斉に整備されたものが多く、一斉に老朽化が進行しています。笹子トンネル天井板崩落事故のような事故が二度と起こらないよう、公共施設等のマネジメントを支援するのが私たちのミッションです。

限りある財源で全ての施設を刷新することは不可能なので、施設の位置、築年数、用途等を管理するシステムの導入提案など、施設を長く賢く使うためのマネジメント計画の策定を支援しています」

垣原が行う業務は、国からの要請で自治体全体の資産を管理する「公共施設等総合管理計画」と、個別の建物などの資産を管理する「公共施設等個別施設計画」の二軸です。

垣原 「昨年は個別施設計画の業務が多く、出張して一級建築士と対象の施設を巡り施設の健全性評価を行いました。そして建物の所管課に建築物としてのハード面、その建物で行う公共サービス等のソフト面について、将来のヴィジョンのヒアリングも実施していました。時には約100施設のヒアリングを行うために、3日間役場や役所にお伺いすることもありましたね」

そもそも垣原がまちづくりに興味を持ったのは高校生のとき。山奥にある全寮制高校に通い、所属した水田山林班で森林保全活動や稲作を経験したからでした。そこで出身地との違いを感じたと語ります。

垣原 「都会と山中での生活は全くの別物で、都会生活は地球環境の視点から限界があることを感じていました。しかし都会の発展を止めることが難しいことも理解していたので、自然と都会の共生が私のテーマとなり、環境系の大学へ進学を決めたんです。直接環境を保護する活動ではなく、あえてまちづくりという面から環境保全を組み込みたいと思いましたね」


大学では地理情報システム(GIS)を用いて研究するゼミに所属。アジア航測へと惹かれた理由は、ゼミの指導教員からのユニークな一言でした。

垣原 「指導教員に卒業生の就職先について尋ねると、『アジア航測が一番泥臭い』という返答でした。泥臭いというのは、実際に足を運んで現場を確認する現場主義を重んじるという意味であると理解しました。

私はパソコンを使って遠隔で机上の作業を行うだけでなく、現場に赴き理解を深めた上でコンサルティングを行いたかったので、その泥臭さに魅力を感じましたね」

コロナ禍でのOJT、そして垣原のマインドを変えた上司の言葉

▲Esriコミュニティフォーラムのマップギャラリーに出展(大学4年生のとき)

泥臭さに惹かれて入社したものの、配属された課では文字通りの「泥臭さ」はそこまで感じなかった垣原。ただ、現場を大切にするという社内風土や、出張など現地に赴くことは想像通りだったと言います。

垣原 「毎週山登りを行う部署に配属された同期もいて、私の所属している課は想像よりも泥臭くはなかった、というのが今の印象です。とはいえ、入社時のまちづくりに携わりたいという希望が叶い、現在の部署に配属されたのだと思っています」

2020年に入社している垣原ですが、その年は、新型コロナウイルス感染症が流行り始めた年でした。そのため、垣原は例年通りの研修を受けることはなく、入社3日で現場に配属されます。

誰もが経験したことのない状況下で試行錯誤し、先輩社員から指導を受けながら日々業務にあたりました。

垣原 「例年であれば約2カ月間の研修、さまざまな部署での経験を積んで本配属というのが基本的な流れです。しかし私たちはコロナ禍で通勤も叶わない状況だったため、入社3日でそれぞれの課に配属され、OJTで仕事を覚えました。当時は右も左もわからない中での在宅勤務で、やり取りがオンラインだったこともあり、コミュニケーションが難しくて大変でしたね」

職場の雰囲気はとても和やかで、上司も優しいと断言する垣原。しかし、垣原には、一度だけ叱咤激励を受けた出来事があります。それは、成長につながる分岐点でもありました。

その出来事が起こったのは、昨年の9月、垣原が協力会社の人と二人で現場に行っていたときです。当時は、垣原も入社して半年が経ち、一人でも現場へ行くことを任せられるようになった頃でした。

そこで現場へ足を運ぶと、垣原はお客様から担当業務とは別に、「こういったことはできますか?」と新たなご相談を受けます。それは当社では今まで経験のない新規業務だったため、垣原は社内へ持ち帰って関係部署に相談をしました。

しかし、垣原は「実績がない」という返事を聞いて、すぐに「できません」と断ってしまいます。このことで、上司から叱咤激励を受けることになったのです。

垣原 「当時は指示された仕事を実行することだけに満足していた部分があり、仕事を獲得するのは営業職の仕事で、技術職は営業職が獲得した仕事を行うというマインドでした。しかし上司から厳しく指導を受けたことで、当社にとって経験がなくてもマッチすれば新規業務として開拓していくことも技術職の重要な仕事だということに気づいたのです。

この経験は私の固定概念を変えられた、とても印象的な出来事です。今では現場でヒアリングを行うにあたってお客様に最善の提案をしながら、新規業務の開拓も同時並行で進められるよう努力しています」

信頼できる先輩社員から社会人として必要なことを学ぶ

垣原の得意な仕事は「何かをデザインすること」。業務に関連してお客様に役立つデザインを実現できた時が仕事の喜びに繋がっています。

垣原 「私が提案してデザインしたモノが世に出たときはとても嬉しいです。例えば計画策定の業務に関連して、自治体が開催する市民を対象とした講演会のポスター作成ですね。ほかにも計画書や研修動画などこだわってデザインしたものが、実際に活用されると喜びを感じます。

ただ、学生の時から見た目の美しさに気を取られて中身を疎かにしてしまうことがあり、自信満々に提案して採用されなかったことも多々ありました。それも私の足りない部分として勉強できたので、良い経験です」

入社して1年が経ち、垣原が今の職場に対して感じているのは、先輩社員から学ぶことが多い職場であること。具体的な仕事の進め方から目指したい姿まで、社会人として大切なことを学びながら成長しています。

垣原 「資料作成の時は先輩に査読してもらい、添削を見るととても勉強になります。私が意図したかったことの表現方法をアドバイスいただいたり、わかりにくかった点を明確化していただいたり、添削を通して学びを深めています」

仕事に対しての姿勢も先輩から影響を受けています。

垣原 「ある先輩に仕事のやりがいについて質問すると、『頼られたら嬉しいから全力で応える。それがモチベーションになって頑張っている』と答えてくれました。

何か問題や悩みを抱えているお客様から『ぜひ御社の技術で解決してほしい』、『○○さんにお願いしたい』と言われることは、とても大きなモチベーションに繋がります。今の私は覚えることが多々あるので長い道のりが必要ですが、『垣原さんに頼みたい』とお客様に言ってもらえるように努力したいです」

垣原が大切にしていることは相手を思いやり、尊重すること。これは仕事だけではなく、垣原の人生においての信念でもあります。

垣原 「私はキリスト教の家庭で育ったクリスチャンなので、聖書を土台にすることを一番大切にしています。例えば自分の意見を強く押し通してしまいそうな場面で、相手の良いところを見つけて尊重することもそうです。聖書が、行き詰まった時に私の軸になっています。

また、仕事面では誰が見てもわかりやすい指示や資料作成を心がけています。部署内で仕事を依頼する時、お客様にご説明する時に、自分だけが把握するのではなく、相手に理解してもらえるよう気をつけています」

お客様の悩みに寄り添って全力で応えられる技術者を目指して

▲大学2年生の夏休みに台湾の東海岸を単独で自転車旅行

入社して2年目となる2021年現在も続くコロナの影響。しかし、オンラインを駆使しながら部署を超えて同期や先輩社員との交流も行なっています。

垣原 「コロナ禍なので例年よりも社内交流は少ないものの、私は社員寮に入っており、同じ社員寮のメンバーとはたまに交流します。ただ集まることはできないため、Zoomでランチ会を行いました。

外出が可能な時に、別の課の社員と山登りへ行ったこともあります。本格的な登山が趣味の社員が多いので私が言う山登りは散歩レベルと言われてしまいましたが、とても良い思い出です。

ほかの会社に勤務している友人は、人間関係に悩んでいる人がほとんどです。しかし私の場合入社して1年半、人間関係に悩むことは全くありませんでした。配属された課を超えて、良い人間関係に恵まれたと感じています」 

休日はアクティブに過ごすことが多いという垣原。アウトドアでリフレッシュして、仕事への活力を養っています。

垣原 「土曜日はアウトドアを楽しみ、日曜日は教会に行くのが私の休日の過ごし方です。アウトドアはテニスをしたり、サイクリングをしたり。先日は奮発して購入した自転車で、往復約50kmのサイクリングを楽しみました」

「業務内外に関わらず人の輪を広げたい」という想いから、テニスなどのアウトドアではほかの部署の社員と一緒に楽しむことも。

垣原 「ヨコの繋がりの化学反応で、みなさんと一緒に面白い仕事を成したいです。日々の業務だけでは関わる社員は限られてしまうのですが、プライベートで多くの社員と繋がることで、将来的に面白い仕事ができると思っています」

今後、垣原が目指したいのは「お客様の悩みに寄り添って全力で応えられる技術者」。先輩社員の背中を追い、なりたい社会人像に一歩ずつ近づいています。

垣原 「尊敬する先輩がとても輝いていて、私も先輩のように頼られる仕事がしたいです。また、お客様のニーズを深く理解し、自分で仕事を獲得することも目標にしています。

学生時代は自分の望む研究に没頭することが正だったのですが、仕事はお客様のニーズに応えることが最優先です。相手が求めていることを意識した仕事ができるよう、精進していきます」

現場の声に耳を傾け、先輩のアドバイスをひとつずつ受け止めながら、温かみのある環境で仕事に励んでいる垣原。頼られる一人の技術者になる日まで、成長の扉を開き続けます。