「人」にフォーカスした理念に惹かれ、一度は諦めかけていたネット業界へ

新卒時には厚労省管轄法人へ入所したという異色の職歴を持つ山本純は、2013年に株式会社アドウェイズ(以下、アドウェイズ)に入社。それまで紆余曲折あった過程で自身が考えたこと、感じたことが現在の働き方にも大きな影響を与えていると語ります。

山本 「私は新卒で医療業界へ入り、そのあとはベンチャー系の企業でネット広告事業に携わっていました。ですが、その事業が解散し、会社都合での退職ということになってしまったんです。ネット業界はこれほど不安定なのかと思い、出版業界に転職したものの、ネット関連の仕事に比べるとなかなか自分には合わないな、と感じてしまいました。ネットのおもしろさがずっと印象に残っていたので、もう一度携わりたいと思って再度転職。『結果的に戻ってきた』という感じでしたね」

そうして次の企業へと入社した山本ですが、ちょうど30歳をすぎたころだったこともあり、この先どうしようかと悩みを抱えていました。そんな時期に出会ったのがアドウェイズでした。

山本 「ネット系の企業は未来を作るとか新しいことをしようというビジョンを掲げているところが多いですよね。そういったビジョンもとても魅力的なのですが、その中でアドウェイズに入社を決めたのは、ネット系の企業としては珍しい『人』にフォーカスした「人儲け」という、おもしろい経営理念を掲げていたからです」

入社後、国内営業支援部署に配属された山本は、2018年に人事グループへと異動することになりました。

山本 「当時、私がマネジメントしていた部署には出産や育児、介護などのライフイベントを迎える女性が多かったんです。ですが、家庭と仕事の二択の間で思い悩む方が多かった。

私自身は、何かをやるために何かを諦めるのではなく、やりたいならばどちらもやればいいという考えなので、その人がやりたいことを実現したい、そのことに自分の言動がつながったら嬉しい、と思っていました。ですから、人事への異動はまさにそのタイミング、といった感じでしたね」

この異動は、入社時に魅力を感じた「人儲け」=悩みを持つ社員へ「本当の意味で成長できる環境を提供する」ことへの、山本自身の新たなチャレンジにもつながったのです。

様々な部門を経験し人事部門へ──本当にやりたかった「人へのサポート」

2010年に新卒入社して以降、法務・人事・開発の部署を経て、さまざまな経験を積んできた美馬梨沙。アドウェイズへの入社を決めたのは、「ここで働きたい!」という直感だったといいます。

美馬 「人に直接影響を与えたい、という思いを軸に就職活動をおこなっていました。様々な企業を調べる中でアドウェイズに出会い、面接を通して社員の方々と話していくうちに『ここで働きたい!』という気持ちが強くなりました。その直感を信じて入社を決意し、京都から東京へ上京することになるのですが、不思議と不安は感じていませんでした」

入社後は管理部門に配属となり、その後多くの業務に携わることになります。その中で、新卒研修サポートを担当したことが強く印象に残っているといいます。

美馬 「新卒社員が入社してすぐに研修に入ると、何も知見のないところからお客様に対峙することも多く、緊張や不安も増しますし、どうしてもスキルの面だけでなくメンタル面のサポートが必要です。そのサポートをしっかり行うために私自身がきちんと人の話を聞き、気持ちを汲み取れないといけないと、その時に強く思いました。そこで、産業カウンセラーの資格を取ったんです。資格を取得したことは、現在の人事の仕事にも大いにつながっていると実感しています」

新卒研修サポートをするにあたって、相手の悩みに対してどう向き合ったらいいのか自信を持てなくなったこともあったという美馬。しかし、経験を重ねていくうちに受け止め方や伝え方がわかってくるにつれ、自信を持ってサポートができるようになったと語ります。

その後、美馬は開発部門に異動し、産休取得を経験。そのこともまた、現在の人事部へ異動するきっかけのひとつになったといいます。

美馬 「開発部門にいた頃は、先輩から引き継いだメンター制度を運営していました。それを営業部門などに広げていくタイミングで私の妊娠がわかって、産休に入ることになったんです。当時担当していた仕事は内容的に『人に向き合う』ことが多く、私自身とてもやりがいを感じていたため、それを果たし切れないままに休むことになり、心残りがありました」

その後、復帰した美馬は、産休前にやっていた仕事の続きをやりたいと手を挙げます。すると「それをぜひ人事でやってほしい」と言われ、異動が決まったのです。

キャリアで悩む社員の良き伴走者に─主体性を大事にする工夫とは

いろいろな部署での経験を経て人事部へ異動したという共通点がある山本と美馬。そんなふたりは、キャリアカウンセラーとして臨んでいる人事部での仕事についてこのように語っています。

山本 「キャリアカウンセラーの資格を取得する前は、相手がどう受け取るかをよく考えずに発言してしまうことが少なくありませんでした。あるときから、それだと『押し付け』になってしまい、さらに『再現性がないな』と気づいて。そこで、自分の思いや考えを言うだけでなく、相手の視点に立って物事を考えるようにしたんです。このことはマネジメント業務でも大いに役立っていますね。

また、私はプライベートでNPOのLGBTQ+ユースのキャリア形成支援サポートをしています。LGBTQ+の立場だと、自分のセクシャリティを隠しながら就職活動をしたり、キャリアを積んだりしなければならない状況も多く、つらさなどから途中で挫折してしまう人も少なくないように感じます。そんな方々のやりたいことを実現するためのお手伝いをするという経験は、アドウェイズでのキャリアカウンセラーの仕事にも活かせていると思います」

美馬 「私の場合、キャリアカウンセラーの資格を取得してから、とにかく面談をする機会が増えました。面談では、私自身が一定のフラットな状態でないと、相談相手がどのように考えているのか、どうしたいのかという本質的なヒアリングができないんです。ですから、私生活も含めて自分自身のメンタルケアも入念に行っています」

ふたりがキャリアカウンセラーとして行っている「面談」とは、相談者のサポートをするための下準備段階でとくに重要なプロセスのひとつです。ふたりは、面談の前後のプロセスについてこのように語ります。

山本 「面談に至るまでのプロセスは本当にさまざまで、本人から直接依頼がくるケースが多いです」

美馬 「面談回数は個人によってケースバイケース。期間に関しても本人の状況によって1週間後にしようか、1カ月後にしようか、などと相談しながら決めている感じですね」

山本   「こちら側から相談をさせてくださいということはあまりなく、あくまでも主体は相談者。キャリアカウンセラーは相談者のゴールが見えるところまで、寄り添って一緒に伴走することが一番大切な役割だと考えています」

「なんでも話せる人事」として社員のキャリア形成や悩みをサポートしたい

新型コロナウイルス感染症拡大による影響は、ふたりの働き方にも大きな変化を生じさせました。コロナ禍においてふたりは何を感じ、どのような取り組みをしているのでしょうか。

美馬 「面談の仕方はまったく変わっていないです。ただ、相談内容に関しては、『人に会う機会が減り少し寂しい』といった内容やご家族と同居している社員から『リモートワークは便利だけど、家族がいるのでオンオフのバランスが難しい』といった話をよく聞きます」

山本 「私の印象では、コロナ禍で自分自身について考える時間が増え、悩みを抱える方が増えたな、と感じています」

アドウェイズには、働き方を考える社員に対し、「自分らしく働く方法」をサポートするアドウェイズ独自の制度「MyWAYS」があります。実際にこの制度を利用した経験のある美馬は、そのメリットや活用方法について次のように語ります。

美馬 「MyWAYSは在宅勤務や時短勤務など、複数の項目から社員一人ひとりの必要性に応じて制度をカスタマイズし利用することができます。結婚や出産、介護など、さまざまなライフスタイルの変化に対応する目的での利用を想定していて、実際に私も娘の成長に合わせながらこの制度を利用しています。私の場合、娘の保育園のお迎えの時間に合わせて勤務の時間を調整するなどしています」

キャリアカウンセラーとして働くふたりは、今後の展望や仕事に対する想いについて、このように語ります。

山本 「社員一人ひとりが自分の持つ力を発揮しながら自立・自律したキャリア形成を行えるようにフォローアップしていくことが、キャリアカウンセラーの使命だと思っています。今後もそのことを軸に、しっかり業務を行っていきたいです」

美馬 「社員の皆さんには、キャリアカウンセラーを『話しやすい人事の人』ぐらいに捉えてほしいな、と思っています。そして、それを前提に私自身必要なときに社員の悩みに向きあえる人であり続けたいな、と」

山本 「キャリアに関する悩みは、自分だけでは自分の思い込みや考えの中にはまってしまうものも多いんです。思いつめる前に相談してほしいですね」

社内のキャリアカウンセラーの職務は、その存在にスポットライトがあたることはまれかもしれません。しかし、ふたりの存在は、アドウェイズの多くの社員の成長やキャリア形成において、不可欠となっているのです。