ずっと「人」に関わってきたからこそ「人の想いに寄り添う」サービスを

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▲Digital Innovation本部Business Analytics課の平木 真

人財サービス業界での豊富な経験を持つ平木は、2021年4月よりDigital Innovation本部Business Analytics課に在籍しています。こちらの部門では、派遣社員として就業を希望する方と就業先との最適なマッチングを実現するためのシステム開発を担っています。

「今、Business Analytics課が抱えている主要タスクの一つが『AI開発』と呼ばれる、業務の向上・改善に貢献できるようなAIを活用したシステムの構築です。AIと言うと、Chat GTPのような最新技術を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、私たちが活用しているのは機械学習モデル。過去のデータに基づき近い将来を予測するようなAIの構築に携わっています」

この「AI開発」を進めていくために、もう一つの重要タスクが、過去データを分析できるよう整える作業です。

 「過去のデータは、営業やサポート担当などさまざまな部署の人たちがそれぞれに入力してきた経緯があるので、そのままでは分析に活用できません。そのため、AIによる分析が行えるように、それらのデータを一つずつチェックします。

ときには現場の担当者に直接確認するなどしながら、分析用のデータに置き換えます。開発といっても洗練された派手な仕事ではなく、地道な作業の繰り返しで成り立っています」

過去のデータがすべて整い、分析が容易にできるようになると、就業を希望する人と就業先となる組織とのマッチングもシステム上でスムーズに行えるようになり、業務の効率化に大きく貢献できるようになります。その上で、人が携わっていくことが大切だと語る平木。

「適切にマッチングをするためには、求職者の希望条件や就業先のニーズを満たすことはもちろんですが、求職者と就業先となる組織の双方の価値観やビジョンまで掘り下げて結び付けていくことが重要です。一人ひとりが生き生きと働けるようになれば、組織・職場の生産性も向上します。

そういったことも含めてシステム開発を行い、最終的なところでは人による判断や調整を行っていくイメージです」

意思決定をするのが「人」であるからこそ、人にいかに寄り添って開発ができるかも大きなポイントです。

「どんなによいシステムだったとしても、使ってもらえなければ意味がありません。実際に使用してみて期待通りの成果が出せるかどうかが非常に重要です。使ってよかったと評価してもらえるように、想像力を発揮しながら、使い手に寄り添うことを大切にしています」

これまでやってきたことへの評価が、これからのキャリアへとつながっていく

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▲20代の平木

営業担当からはじまり、ミドルオフィス・バックオフィス・システム開発のプロジェクトにも参画するなどと、人財サービス業界の中で、平木はさまざまな業務に携わってきました。

「システムを使う立場の人のことを最優先に考えるようになったのは、とくに、最初に担当した営業の仕事の影響が大きいですね。お客様と直接話しをして、ニーズを汲み取り、それに合ったサービスをどう提供するのか、お客様から厳しい言葉をいただきつつも、教えていただいたことは非常に大きな経験でした」

バックオフィス・ミドルオフィスの業務では、営業が受注した案件に対していかに高い品質でサービスを提供できるか、お客様に満足いただけるかを強く意識するようになった平木。

現在も担当し続けているシステム開発業務については、自ら積極的に手を挙げたというより、当時の状況から自然と任されることになったのだと語ります。

「今でこそ、キャリア開発やキャリアカウンセリングなどを行うことが一般的になりつつありますが、私の年代では、そうしたキャリア教育は充実していませんでした。与えられた仕事に真摯に向き合い、積み重ねてきた結果として、今の自分が形成されているんです。

変化が激しい現代ということもあり、キャリアにおいて、『自分のやりたいこと』をもっと意識する必要があるという考え方が強くなっていると思いますが、一方で、意識しすぎたり考えすぎたりすることで、自分の進む方向をイメージしにくくなる人もいるかもしれません。

そういったときは、私のようなキャリアの歩み方もあるのだと知ってほしいです。これからは人生100年時代。私たちの働き方も変わってくるはずです」

たとえキャリアイメージが漠然としていたとしても、目の前の仕事に懸命に取り組んでいくことが評価につながり、そこから自分の未来を切り開く。平木は、後から作られていくキャリアもあるのだと語ります。そんな平木だからこそ、定年後も引き続き働き、さらに69歳となった今も、以前と変わらぬ気持ちで仕事に向かっているのです。

「自分でも定年はあまり意識していなくて、人事部門から『定年ですよ』と言われて、ああそういえばという感じでした。ちょうどそのタイミングで新しい業務を担当していたこともあり、定年だと言われても退職という選択肢は考えませんでしたね。続けているうちに65歳を超え、気づけば今年で69歳です」

経験値だけに頼るのではなく、新たな学びや視点を取り入れていくことが大切

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▲チームメンバーとのオンラインミーティング

定年になるころに新しい部署に異動し、その後も新しいプロジェクトに参画。新しい環境への異動や業務が舞い込む中、平木には新たな仕事を楽しむ気持ちが常にありました。

「自分がまだ20代だったころ、60代70代の大先輩たちと仕事で関わる機会が多くあり、いくつになっても自分らしく働く姿を目の当たりにしてきたことが大きいかもしれません。働けるうちは働くのが当たり前と言うか、自分にやる気さえあればいくつになっても仕事はできるし、どんな仕事でもできる、ということを先輩たちが身をもって示してくれました。ですから、年齢のことはあまり意識していません。

そうはいっても、体力の衰えには抗えないので、以前と比べると息が切れたり足が思うように上がらなかったりすることもあります。そんなときにはやはり年齢を感じますし、今後、年齢を重ねるとともに起こり得る事態を受け入れないといけないことも出てくるとは思います。そんなときでも、たとえば『もう少しトレーニングしたらなんとかなりそうだ』『なんとかやれる方法を考えてみよう』と、自分で折り合いをつけるようにしていますね」

自分の性格は好奇心旺盛で新しいもの好きだと語る平木が、新たに挑戦したのが、社内プログラムであるデータサイエンティスト認定制度の受講でした。データサイエンティスト認定制度は、DX推進に必要な「市民データサイエンティスト」を育成するために、2021年から開始されたプログラムです。平木はE-learningや実践研修、グループワークなど、合計140時間以上の学びを経て、社内資格を取得しました。

「以前いた部署の業務の関係で、統計学や分析について多少知識があったこともあり、受講に関して苦に思うことはありませんでした。いくつになってもまだまだ知らないことはたくさんあります。新たなことを知ることで、自分の世界がもっと広がる。それだけで、ワクワクした楽しい気持ちになります」

また、講座を受講したことにより、自身の考え方に変化があったと言います。

「偏見というわけではないのですが、それまでは自分の経験値を元に判断してしまう傾向がありました。しかし、『本当にそうなのか?』と疑問を持ち、きちんとデータを見て検証しようと考えるようになりましたね。データを確認してそこから仮説を導き出す、そんなアプローチを取るようになったのです」

今後、社内のデータ分析環境が新しく切り替わることもあり、今のうちにデータサイエンティストとして独り立ちできるスキルをマスターしたいと平木は考えています。

「現在の部署のメンバーは、私よりもデータサイエンスの業務経験が長く、分析のコツやデータの見方などもよく知っています。一方で、営業現場やバックオフィスの業務については知らないことが実は多い。話を聞いてみればわかるようなことでも、そもそもどう聞いてよいかがわからないと言われたりします。そんなとき、これまでの経験を活かしてサポートできることがうれしいです」

好奇心や前向きさを持ち続けることが、自身の成長へとつながっていく

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これまでの自身のキャリアをあらためて振り返り、いろいろな面でめぐまれていたと思うと平木は語ります。

「一つ言えるとしたら、目の前にあるチャンスをきちんとつかめるよう、何事にもチャレンジしてみようという前向きさだけは忘れない方がいい。担当する仕事が変わったり、この歳になって新しい業務に取り組んだりする際には、この分野ではまだ自分は新入社員みたいなものだからだと開き直っています。

本音をいえば、いい歳して恥をかきたくないという思いもありますが、はじめはわからなくても当たり前なわけで、失敗したって大丈夫。深刻に考え過ぎずに、とりあえず『やってみよう』という気持ちで、まず一歩を踏み出すことが大切だと思います」

自分自身の人生だからこそ、自分で「やってみよう」と思ったことをやっていけばいいと考えている平木。たとえば、ずっと苦手意識があって手を出せずにいたけれど本当は学びたいと思っていることにチャレンジしてもいいと話します。

「興味のあることや、やってみたいと思うことをまずは試してみてください。『試す』のは、本当に小さなことで構いません。まずは行動してみようということです。今は無料の教材などもたくさんありますし、学びや何かをはじめるための環境は昔に比べて整っていると思います。ほんの小さな一歩が世界を大きく広げてくれますから、ぜひトライしてみて欲しいですね」

年齢にとらわれることなく、前向きに一歩を踏み出し続ける平木は、その歩みが新たな世界へとつながっていくことを知っています。これからも、平木の挑戦はまだまだ続いていくことでしょう。

※ 記載内容は2023年6月時点のものです