一人ひとりと向き合い、顧客企業のオポチュニティ機会を開拓する
久乗は2022年1月から、シンガポールでAdecco Group のAPAC(アジア太平洋)地域のセールス統括部門(リージョナルセールス)に在籍しています。
久乗 「私は、リージョナルセールスにおいて、リージョナル・クライアントサービス・マネージャーという立場です。リージョナルセールスは上司を含めて8人のチームが、Adecco Groupの約100社あるキーアカウント(重要な顧客企業)をマネジメントしています。
具体的には、グローバルとローカルの橋渡しのような役割で、他の地域での事業展開機会を模索するお客様に対して、ソリューションを提案するのが主な仕事です」
リージョナルセールスがカバーする地域は非常に広範です。
久乗 「リージョナルセールスがカバーするのはAPAC全域。日本をはじめ、シンガポール、香港、オーストラリア、ニュージーランドなど10の地域に及びます。リージョナルセールスの仕事は、ビジネスの新規開拓というよりも『お客様との関係を活かしつつ、Adecco Groupがビジネスを展開していない地域や、新たな領域に機会を見いだす』というイメージ。これをしっかりと実現しつつ営業職として売上げを増やすことが、大きなミッションです」
ミッション達成のために日々尽力する久乗は、業務において「一人ひとりと向き合うこと」を大切にしています。
久乗 「『一人ひとりと向き合う』のは、マネジメントに携わるようになってから特に意識していること。これは、働く方々のモチベーションの向上や、良好な職場環境作りの上でも非常に重要です。
また、そのためには、自らのメンタルを良好に保つ方法を知っておくことも必要。私自身、人と話すのが好きで、実は人と向き合うことでむしろ元気をもらっているのだ、と最近気づきました。周囲の方から『元気だね』と言われることもありますが、これが私の元気の秘訣かもしれません」
CEOを体験するインターンシップの経験が入社のきっかけに
久乗が初めてAdecco Groupと出会うことになったのは、Adecco Groupのグローバル共通のインターンシッププログラム「CEO for One Month」がきっかけでした。
久乗 「私は学生時代に、Adecco Groupが実施するインターンシッププログラム『CEO for One Month』に参加しました。これは、Adecco Group のCEO(最高経営責任者)業務を1カ月間体験できるプログラムなのですが、2015年に、なんと自分が選ばれたのです。Adecco Group Japan代表の川崎 健一郎のもとで、1カ月間CEO業務を体験しました。
さらに、各国のCEO体験者10名の中から選出される形で、スイス本社で1ヵ月間、Adecco GroupのグローバルCEOの業務も体験できました」
プログラム中はCEOや経営メンバーと間近で接し、久乗は大きな感動を覚えたと言います。
久乗 「川崎は、立場的にも非常に忙しいにも関わらず、いつも親身なアドバイスをしてくれましたし、質問にも快く応じてくれました。
当時のグローバルCEOのアラン・ドゥアズのもとでのインターンシップの際には、10カ国から11カ国ほど出張しましたが、一日中ミーティングが続いても、必ず現地の派遣社員の皆さんや社員たちと精力的に交流していたのがとても印象的だったんです。
2人とも、当時私が想像していた以上に社員との距離が近く、誰よりも率先して行動していて、Adecco Groupの社風ともいえる風通しの良さを体現しているのが印象的でした。『経営者はこんなにも実際に行動しているんだ』と実感したことは、学生の私にとって大きな驚きでもありました。そうした経緯もあり、働く上で、そして会社という組織において最も重要なのは『人』なのだという気づきを与えてくれたAdecco Groupへの入社を決意したのです」
2017年に入社後、久乗は香港とシンガポールでキャリアを積んできました。
久乗 「入社後はまず香港で、現地での営業や事業開発を経験しました。香港では、さまざまなことを学びました。たとえばですが、メールの返信1つにしても、メールを送信したら当然返信してくれるだろうと待っているような態度は通用しないんだと思い知らされました。日本との文化の違いに初めは戸惑いましたが、現地の文化を尊重し、自分と異なる考えや価値観を受け入れる姿勢を持つことの大切さを学びました。
2020年2月からはシンガポールにおいて、美術館での請負現場の責任者を務め、シフト管理、イベント管理、トレーニング、採用などを担当しました。フルタイム勤務が60人、パートタイム勤務が100〜200人という規模の人が働く美術館のマネジメントでしたので、現場責任者を初めて務める私にとっては大きなチャンス。そして同時に、大きなチャレンジでもありました。
もちろん大変なことも少なくありませんでしたが、現場でさまざまな経験ができたことは、さまざまな気づきや振り返りがあるとともに、非常に大きな学びとなり、現在の業務にもつながっています」
成功体験を次へ繋げる Adecco Groupならではのインターナルモビリティ
文化の違いや業務上のチャレンジに苦戦しつつも、久乗は着実に成功体験を重ねてきました。
久乗 「美術館のオペレーションで私が目指したのは『フラットで働きやすい環境作り』。スタッフに対しては、指図するというよりも『何かあったときにバックアップやフォローする立場』として、普段は美術館で働く人たちが安心感をもって働いてもらえるように意識し、行動するよう努めてきました。また、一緒に働くからこそ、できるだけ同じ目線で話ができるように、相手と同じ言葉を使いたいと考え、現地で話されているシンガポール訛りの英語(シングリッシュ)やマレー語を覚えたりもしました。
異動が決まった際に『あなたがいたから、ここで働こうと決めた』といったようにいろんな声を美術館のスタッフからもらい、達成感とともに『やっていて良かったな』と改めて実感しました」
久乗は、これまでの経験で得たものは非常に大きかったと感じています。
久乗 「香港で現地の営業を経験したからこそ、現在のリージョナルセールスの仕事でやり取りする際に、現地の営業社員の立場や気持ち、そして業務を円滑に進めるポイントも理解できます。さらには、シンガポールの美術館でオペレーションを経験したからこそ、現在、お客様に対してオペレーションを含めた細部にわたるソリューションの提案ができるのです。それを日々実感しています。
これまでの経験があるからこそ、オールラウンダーとしてリージョナルサービスの業務に就けたのだと思っています」
Adecco Groupには、さまざまな経験を積み成長するチャンスがある、と久乗は語ります。
久乗 「上司に『こういうことがしたい』という自分の意志を伝えると、上司は私の考えを理解し覚えていてくれます。そして、機会があったときには実際に声をかけてくれる──このように柔軟に、社員の希望によりインターナルモビリティが実践されている会社だと実感しています。
私の場合は香港で、APACのヘッドとコーヒーを飲みながら気軽な形で面談をする機会があったのですが、その際『APACを管轄する部署で働きたい』と伝えていたところ、しばらくして『ポジションがあるけど応募してみる?』と提案してもらい、とんとん拍子に話が進みました。
未経験でもポテンシャルなど総合的に判断してくれるので、いろいろな国で新しいことにもチャレンジできる環境があります」
人事のプロフェッショナルとして──グローバルなポジションで活躍を目指したい
久乗は、自らの強みを活かして今後も成長したいと貪欲に将来をとらえています。
久乗 「私の強みは『物おじせず、どこにでも飛び込める』ところです。CEO for One Monthをはじめ、シンガポールの美術館でも、現地スタッフばかりの中、外国人マネージャーの立場で飛び込みました。
不安な反面、期待されているからこそ与えられたポジションですから、そのような機会に『やります』と物おじせず飛び込む行動力は大切にしています」
そんな久乗が目指すのは「人事のプロフェッショナル」。
久乗 「美術館のプロジェクトを通じて、経営戦略と同じくらい『人事戦略が大事だ』と肌で感じました。たとえば、離職率が高い場合、ただ人を補充して終わり、ではなく原因を探る必要があります。給料、人事制度の曖昧さによる不満、トレーニング不足などさまざまな可能性を考え、原因と対策を提示して改善に努め、エンゲージメントを高めていくことがとても大切です。いわば社内における人事的なコンサルティングがきちんとできる人間になりたいですね。
人事は『人を採用する』というイメージが強いかもしれませんが、海外ではメンタルヘルスやウェルビーイングも重要視されており、その向上に大きく携わるケースが増えています。そんな人事のプロフェッショナルを目指して、経営戦略をしっかり理解したり財務諸表についての理解を深めたりすることなどにもチャレンジしていきたいです」
久乗は将来、グローバルのポジションで活躍したいと考えています。
久乗 「香港では現場の経験を積み、そしてシンガポールではAPACのリージョナルとしての経験を積んでいるので、いつかグローバルを担当するような業務も経験したいと考えています。Adecco Groupには国を跨いでの異動も可能な豊富なポジションがあり、スキルを磨くことで、活躍の場が広がりますから。いつかニューヨークやヨーロッパなど、憧れの場所に住み、仕事を経験することができたら素敵ですね」
グローバルなチャンスが多数あるAdecco Groupの環境で、久乗のビジョンも広がります。
久乗 「日本では新卒一括採用が主流となっており、その人の適性に応じて仕事を割り振りますが、海外では、ポジションに応じて人が必要になります。だからこそ、自分のスキルを磨いてさまざまな仕事を経験したいと考えます。今後は人事のプロフェッショナルを目指し、将来は企業の中で、企業の経営戦略に連動した人事戦略を策定し、実践していけるようになりたいです。採用のみならず、リテンションや組織開発、企業カルチャーの醸成も含め、組織全体を活性化させ良くしていく。そんな組織のウェルビーイングを実現していくことに強い興味を抱いています。
現在は、リージョナルという少し俯瞰的な立場から、スイス本社との連携を含め、Adecco Group全体の動きを知り、多くを学んでいます。また、ファイナンスや法務部門と連携する機会も増えており、そこでも多くの学びがあります。
現在の仕事はプロジェクトの規模が大きく、大変な部分もあります。しかし、各国の営業社員の皆さんに『プロジェクトを持ってきてくれてありがとう』と言われると、頑張って良かったなと、心底やりがいを感じます」
リージョナルセールスとしてベストを尽くしつつ、グローバルのポジションや人事のプロフェッショナルという自身のキャリアをも見据えてまい進する久乗。目標を一つひとつクリアしながら、今日も成長を続けています。