Adecco Group Japanに新風を──CEO業務に邁進する高校生最後の夏
Adecco Groupが若者のキャリア支援を目的に、世界約40の国と地域で展開するグローバルインターンシッププログラム「CEO for One Month」。2022年日本代表として、Adecco Group JapanのCEO業務を体験した澤田 悠太さんは、早稲田実業高校に通う現役の高校3年生。プログラム開始以来、日本法人初となる高校生CEOです。
澤田さん「正直なところ、自分が日本代表に選ばれたと伝えられた瞬間は『まさか』とびっくりしました。他の候補者とは、ワークショップや最終選考となるLocal Boot Campのファイナルイベントの際に、直接話す機会がありました。年齢や国籍も異なり、さまざまなアイデアや価値観を持ち、いろいろなことに積極的に挑戦している人ばかりだったので刺激を受けっぱなしでした。
CEO for One Monthに選出されるまでのプロセス自体に価値を感じていたので、『たとえ選出されなかったとしても、自分の中でファイナリストに残れたこと自体が誇りになる』と考えたほどです。結果を聞いて1日ぐらい経ってから、やっと選ばれた実感が湧いてきて、嬉しさがこみ上げると同時に『さあどうしようか』と思いました」
CEO for One Monthは、約40の国と地域で展開し、各国で選ばれた1名が1カ月間、それぞれの国のCEOのもとで、CEO業務を体験します。さらに各国でのインターンシップ後、参加者の中から選ばれた10名が、最終選考となるBoot Camp Tripに参加し、最終的に選出された1名が、「Global CEO for One Month」として、スイス・チューリッヒの本社でAdecco Group CEOのもとでグループCEO業務を体験します。
日本代表の澤田さんはAdecco Group Japan 代表の川崎 健一郎のもと、事業戦略の立案、経営会議や各事業本部とのミーティング、社内イベントへの参加、CEOや役員・本部長との1on1など、多岐に渡るCEO業務を体験しながら、グローバル共通の課題に取り組むなど多忙な1カ月を過ごしました。
澤田さん 「僕自身、Adecco Group JapanのCEOとしてできることに力を尽くしたいという想いで、このプログラムに臨んでいます。川崎さんから、『あなたのパッションに共感して日本代表に選出した』といってもらえたこともあり、自分のビジョンをAdecco Group Japanにおいて実現させるために精一杯取り組みたいという想いがありました」
人生をかけて想いを実現する起業家。その領域に一歩近づくためのインターンシップ
澤田さんがCEO for One Monthに応募するきっかけは、夢である起業家を目指すために経験を重ねようと、インターンを探したことが始まりでした。中学生のころから経営や自己啓発などさまざまな分野に興味を持っていた澤田さんにとって、起業家は「人生をかけてやりたいと思うことを最も実現しやすい職業」でした。
澤田さん 「僕は中学生のころからAIについて独学で学んできました。当初は高校生でもAIやプログラミングのスキルを示すことのできるIT業界のインターンを探していたのですが、CEO for One Monthの存在を知り、CEO業務の体験ができるという点に強く惹かれました。
応募要項に『高校生可』と記されているインターンはそもそもあまりないので、CEO for One Monthに応募する際にも『高校生でも参加できますか?』と問い合わせた記憶があります。自分で履歴書も作り、応募しました」
応募にあたり、「ビジョンを持つ若者を増やし、一人ひとりがやりたいことに集中できる環境を整備することを目的にした事業を手掛けたい」という展望をアピールしました。
澤田さん 「僕が将来、起業を目指す上で、『働く人たちのやりたいことやビジョンを明確にする』というコンセプトがあります。一人ひとりが抱いているビジョンに集中できる環境があることこそが理想的だと思っているので。
でも、そのためには『皆がやりたいこと=ビジョン』を持てる環境が整っていないと前提として成り立ちません。そこで、学生が、若いうちから自分のやりたいことを見つけるための新規事業を提案しました」
新規事業を考案するためのポイントをつかむため、Adecco Group Japanの役員や本部長の皆さんに積極的にアポイントメントを取り、助言を求めました。
澤田さん 「インターンシップ期間中のスケジュールはほとんど自分で組み立てており、『自ら主体的に動かないとカレンダーが真っ白になってしまうんじゃないか』と感じました。川崎さんをはじめ、さまざまな社員の皆さんとの意見交換を通じて、ビジネスパーソンとして、さらにはCEOとしての視座を得る貴重な機会になっていると確信しています。
Cの付くポジションの人(Cheif)とのミーティングの連続ですが、緊張するというよりは『やらなかったら自分は何しにきたんだ』と思って、自ら積極的に動いたという感じですね」
アイデア具現化への道のりと経営者の視座。100%以上を学び取る1カ月
「若者のビジョン形成と実現を可能にする環境を整備したい」という澤田さんの当初の提案には、賛同する声が寄せられました。自分の想いが形になるかもしれないという期待感を新たにし、目を輝かせながら澤田さんはこう語ります。
澤田さん 「最終的には、クライアントや利用者である学生など、それぞれのニーズを実際にヒアリングさせてもらったり、社内アンケートをとったり、社員と直接話すことで、生の声を聴くことが重要だという思いに至りました。机上の空論に終わらせず、実際に活用することができ、さらにメリットの得られる事業を提案したいと考えました」
プログラムの中で特に印象深いのはCEOの川崎 健一郎と週に1回行った1on1。さらに、川崎の出席する経営会議などにも参加し、実際のCEO業務を間近で感じ取る機会もありました。
澤田さん 「川崎さんは初日のミーティングのときからとてもわかりやすく事業について説明してくれました。経営会議などの場でも、それぞれの役割を持ついろいろな部署の情報を詳しく知っていて、どの部署の担当者にも的確なコメントをされる姿を目の当たりにすると『本当にすごいな』と圧倒されます」
川崎のCEOとしての姿を間近で感じながら、起業家を目指す上で吸収しておきたい経営者の目線や感覚、コミュニケーションの取り方といった要素に存分に触れられる環境には充実感を抱くと、熱く語る澤田さんの姿は印象的でした。
若者に働きかけ続ける連続起業家を目標に、まずはアメリカでの起業を目指す
澤田さん 「投資家が集まって世界にサービスを届ける基盤の整ったアメリカでの起業を希望しており、『高校を卒業したらアメリカに行こう』とかねてより考えていました。CEO for One Monthとして考えた、若者のビジョン形成や実現へのサポートに対する課題感については、将来起業してからも変わらず持ち続けていくのではないかと、感じています」
CEO for One Monthについては、ずばり「アントレプレナーシップを学び取れる場」だと断言します。
澤田さん 「正直、こうしたいろいろな機会が与えられ、自分の主体性がこんなにも発揮できるインターンシップは他にないのではないかと思います。自分のビジョンを発揮する場としても最適ですし、この1カ月間に培ったものは、すごく貴重な経験になると確信しています。
既に、各国代表のメンバーともLinkedIn(リンクドイン)でつながったり、オンラインイベントなどを通して交流したりする機会もあり、よい刺激になっています。今後も継続して親交を深めていきたいです」
澤田さんがつかんだ、「高校生CEO」というチャンス。「目標を持たない人もいっぱいいる」と感じている同世代やこれからの将来を担う若者に対して、「ライフビジョンを持つ価値に気づいてもらう」ためのアプローチを仕掛けるアントレプレナーを目指し、澤田さんは世界に羽ばたく準備を着々と進めています。