より直接的に、お客様とつながるブランドをつくりたい

▲プレステージスキンケア事業部 マーケティングマネージャー 石井 雪

ロート製薬の目薬や化粧品といった商品は、普段ドラッグストアやスーパーなどの小売店を通してお客様に届けるビジネスを中心としています。それ以外にもロート通販限定のスキンケアブランドも展開していますが、新たに20代から30代のお客様とも直接つながることができないか?と考えたのがきっかけです。

私の所属しているプレステージスキンケア事業部には「エピステーム」というハイブランドも持っており、百貨店カウンターで自ブランドの美容部員を通して、自分たちで直接商品を届けるということを行っていますが、それとも異なる方法で、新しいお客様に直接商品を届けたいと思っていました。

大量生産・大量消費といったこれまでのやり方やすでにあるブランド力だけに頼らず、まずはスモールスタートでもいいから、お客様一人ひとりとつながれるブランドに挑戦してみたかったのです。

ターゲットを30代前後の有職女性と設定してから、社内のターゲットとなる女性にとにかくたくさん話を聞きました。

中でもこの人だ!と思った人には何度もかなり深いところまで、普段の生活や価値観についてヒアリングしたところ、仕事と育児を両立している方だったので「とにかく時間がない!でもオールインワンで済ませてしまったときには罪悪感を持つ」「時短は嫌だ、でも効率的にきちんとスキンケアがしたい」という言葉が出てきたのです。

この言葉を聞いたときにピンときて、どんな人にどんな風に使っていただきたいかをより研ぎ澄ませていきました。

仕事が忙しいため自分にかけてあげられる時間がとても少ないけれど、それでも綺麗でいたいと思う気持ちもあるのが乙女ゴコロというもの。

本当は手間と時間をかけて自分の肌をケアしたほうが綺麗になれることはわかっているからこそ、時短・簡便をうたった商品ではなんだか手を抜いている気がする……そんな方に向けて「手を抜くのではなく、最低限の手間できちんと綺麗になれるスキンケア」を提案していきたいね、という話を企画メンバーとしていました。 

忙しいけど手抜きはイヤ。わがままな乙女ゴコロに応えるSKIOのこだわり

▲商品パッケージもこだわるSKIO

近年、「無理してまで何かを頑張るのはどうなんだろう?」という考え方や「エフォートレス」という言葉が流行っています。自分らしくエコに参加するとか、賢く選んで手を抜いていないのにきちんと時間は短縮している、といったような価値観や行動が広まっています。

そんな時代の中で、お客様自身の価値観と共鳴できる化粧品との出会いが、お客様にとって理想的なライフスタイルの提案にもつながるのではないかと考えています。

私たちはそんな化粧品を提供することで、お客様に寄り添い応援していきたい、という想いからSKIOのコンセプト「無理なく、無駄なく、美しく。」ができあがりました。

とにかくブランドをつくる上では、お客様との接点があるすべてのポイント(選ぶ・買う・使う・捨てる・継続する)に一貫性を持たせて、SKIOオリジナルの顧客体験を提供したいと考えました。このコンセプトが決まってからは意思決定の軸となり、迷うことなく詳細が決まっていったと思います。

コンセプトにある「無理なく、無駄なく、美しく。」の「無理なく」とは、スキンケアにかける時間や手間に無理がないということです。世にあるスキンケアアイテムといえば、化粧水、乳液、美容液、マスク、クリーム……と、本当にたくさんのものが存在します。

それらを時間の制限も疲れもある中ですべてやり切るのは難しいですよね。背伸びをして、無理してすべてやるのではなく、最低限のステップでも綺麗になれるように、という想いでSKIOは化粧水の役割も兼ね備えた導入美容液「セラム」と「ゲル」の2ステップでスキンケアが完了できるようになっています。

また、「無駄なく」は、パッケージに無駄がないということです。一般的にオンラインで届く商品というのは、容器があってパッケージとなる紙箱があって、それを守るための緩衝材があって、さらに段ボールに入って届きますよね。ゴミの容量も増えているし、それを分別して捨てるのも面倒だし、これこそ無駄な要素ではないかと考えました。

商品を守るための緩衝材は必要ですが、段ボールは削減できるのではないかという話から、商品パッケージと緩衝材を一体化させ、さらに段ボールの代わりにプチプチが内側についた袋で発送することで、無駄を削減しています。

当初想定の6倍!徹底的にお客様を考えるマーケティング

▲世界観を体感いただけるSKIOのオンラインショップ

2020年7月に無事に発売開始し、楽天での初日の売上予想が目標の6倍、デイリーランキングでは4冠を達成できました。

2億品目あるという楽天総合ランキングでも発売初日で3位を獲得することができ、ただただびっくりしました。新ブランドの立ち上げは、そう簡単にいくものではないと思っていたからです。

実際口コミ件数は多くいただいており、「毛穴」とか「つるつるする」といったような声が多いです。SKIOこだわりの3ステップで、新たなスキンケアステップを試してくださっているお客様もいらっしゃるようです。

商品企画にあたっては、普段からお客様に支持される商品をつくるため、お客様に憑依するくらいリアルに想像することを心がけています。

どうしても「このブランドはこういうものだ!」と価値観を押し付けてしまうことが、社内においても起こりうるのですが、常にお客様から見たときの価値が何なのか、一歩引いて考えるようにしています。

今回の発売にあたってはオンラインショップという販売形態も挑戦でした。よくD2Cビジネスに関する特集を見かけますが、SKIOも「無理なく、無駄なく、美しく。」というコンセプト自体を購入体験含め全体を通して実感いただきたいという想いがあり、ビジネスモデルに合致していると思います。

コンセプトに共感いただけるお客様とつながり一緒にブランドを育てていくためには、お客様と直接コミュニケーションがとれるSKIOオンラインショップの立ち上げが必要だと考えました。

ロートの商品を総合的に扱う通販サイトではなく、ひとつのブランドのみでオンラインショップを立ち上げるのは初めてでしたので、私たちにとってはこれも挑戦でした。

これからも続く、新たな挑戦──お客様と一緒にブランドを育みたい

本来、毛穴などのコンセプトの化粧品は3月に発売することが業界の常識です。

今年の春は世の中としても激変のタイミングでしたが、社内でも「本当に新ブランドをローンチするのか?」といった議論を何度も行いました。

結果的にこのタイミングだからこそ届いたものもあったと思いますし、逆に通常の世界であれば結果が違ったかもしれず、時代の潮目を見逃さずに提案をすることが重要だなと感じました。

お客様が1日の中でSKIOという化粧品に触れる時間って、実際朝晩の2回だけなんです。

それでも「無理なく、無駄なく、美しく。」というコンセプトの化粧品を使っていただくことによって、少しでも美肌に近づいているな、そんな商品を選んだ自分は良い選択ができたな、自分が理想としている暮らしに少しでも近づけたのではないかな?と感じていただけると嬉しいですね。

これから先はお客様と一緒にブランドを育むことに励んでいきたいと考えています。世の中にはオンラインカウンセリングサービスやAIカウンセリングなども出てきていますが、自分が消費者としての目線で見たときに、本当に使いたいものかどうか?現状で足りないところは何なのか?

また、スキンケアブランドに限らず、ロート製薬という会社も私が入社した当時より売り上げも2倍近くに拡大し、目薬にとどまらない商品を提供しています。よりお客様の生活に密着した、親しみのある企業だと感じていただくために、これまで大切にしてきた本質の部分も伝えていきたいなと思います。