こんにちは!株式会社トゥエンティーフォーセブンの人事担当、栗原です。

あなたは普段、どんな本を読んでいますか?

知識、教養を身につけるため、本を読んだ方が良いとは思うけど……。どんな書籍をどんなタイミングに手にしたらいいのかわからない、どうしたら自分に合ったオモシロイ本と出会えるの?そんなあなたに送るシリーズ第5弾!

今回も、当社でマーケターとして活躍する社員に、マーケティングを学ぶ人にオススメしたい書籍と、その書籍にまつわる話を聞かせてもらいました。

今回お話を聞いたのは、当社でセールスライティングといえば必ず名が上がるマーケター、入社5年目CRM部アシスタントマネージャーの榑井です。

文章を書くプロがオススメする書籍とは?相手の意見や行動を変えるような発信をしたい人にぴったりな本をご紹介します!


CRM部 アシスタントマネージャー:榑井 克也

入社から現在まで担当している業務内容を簡単に教えてください。

榑井 「2018年5月にD2Cのセールスライターとして入社し、2019年に低糖質食品事業の立ち上げ時にマーケティング部内で異動をし、各プロダクトの進捗管理や事業本部長のサポートなどをさせてもらい、組織改変があって現在のCMR部D2Cチームを率いるポジションに戻って来ました」

榑井さん、ぜひオススメの書籍を教えてください。

榑井 「私のオススメ書籍は、『アイデアのちから』です」

■アイデアのちから(著者:チップ・ハース×ダン・ハース/訳:飯岡 美紀):人を動かし、世の中を動かすすごいアイデアの仕組みとは?人の記憶に焼き付くアイデア(SUCCESs)の6つの法則を紹介する一冊。

榑井  「この本は、私がコンテンツや制作物の作成、施策の企画をするときに心がけていることを最初に教えてくれた本です。 初めて読んだのはだいぶ前のことですが、今でも時々手に取ることがあります。

人の記憶に残るアイデアと残らないアイデアの違いは何か?それはアイデア自体の持つ素質によるのか、あるいは育て方によるのか?

この本はアイデアの育て方に着目し、他社へ効果的に伝え、影響力を持たせる方法を取り上げています。

極端に言えば、『あまりおもしろくないアイデアも、伝え方や表現次第で、興味を持たせ、理解を促し、記憶に残り、意見や行動まで変えることができる』、といった内容です」

この書籍をオススメする理由を聞かせてください。

榑井 「前職でセールスライティングを担当することになった際、『商材を売る文章の書き方』というものについて体系的に教わる機会がなかったので、ほぼ独学で試行錯誤していました。

そんな中で手に取ったこの本は、当時自分が経験からなんとなく理解していた内容を整理し、より深く理解することができました。

この本では、優れたアイデアを伝える際に共通するポイントとして、以下の要素が紹介されています。

1.「単純明快である」(Simple)
2.「意外性がある」(Unexpected)
3.「具体的である」(Concrete)
4.「信頼性がある」(Credible)
5.「感情に訴える」(Emotional)
6.「物語性がある」(Story)

これらの要素を踏まえて、セールスライティングの基本的な手法である『AIDA』や『PASONA』などのアプローチと組み合わせるだけで、文章がより効果的で魅力的な形になることがわかりました。

それ以外にも、人にモノを伝える上で参考になる考え方が随所にあるため、オススメの本に選びました」

なるほど、セールスライターにオススメの書籍ということですね?

榑井 「はい、私は主にセールスマーケティングの観点からこの本を読みましたし、セールスライターにはもちろんオススメです。ただ、読んでみてこの本はさまざまな方に役立つと思うようになりました。

■どうしても通したい企画をプレゼンしたい(他人を説得して賛同を得たい)
■SNSでバズる発信をしたい(多くの人に注目されたい)
■今月こそは社員に申請の締め切りを守らせたい(約束を守ってもらいたい)
など、他人の行動を変えたいと思う場面で役立つ法則を教えてくれています。

この本を読んで理解した上で、情報を発信したりアクションを起こしたりすることで結果が変わってくるかも知れません」

そう考えるとこのコンテンツを読んでくれている方、ほぼ全員にオススメと言っても良さそうですね。ところで、榑井さんは小さいころから読書が好きでしたか?

榑井 「そうですね、小さいころから割と読書は好きでしたね。『ズッコケ3人組』シリーズを小学生のときによく読んでいた記憶があります(笑)。

学生時代は物語や小説を読むことが多かったですが、社会人になってからは圧倒的にノンフィクション、ビジネス書、自己啓発本のようなものを好んで手に取っていますね。

とくに、Kindleが登場して大きくてかさばるハードカバーの新刊が手のひらサイズになって電車で読めるようになったことには感動しました!そのため、通勤時間はほとんどKindleでの読書時間に費やしています」

最近は子どもをはじめ若い人が読書をしないと言われていますがどう思いますか?

榑井 「確かに最近ではそう言われていますね。動画やまとめサイトなどで簡単に答えが得られる時代ですし、他の娯楽も多様化していますから、そうした影響があるのかも知れません。

でも本を読むことで自分のペースで考えながらストーリーを進めるという体験は、他の娯楽では得られないものですし、読書のおもしろさはぜひ多くの人に知ってほしいと思います。

また、長文が苦手でビジネスメールや契約書の読解に苦労するという話もよく聞きます。積極的に活字に触れて読解力やコミュニケーション能力を磨いていけるといいですよね」

ビジネスマンとして、もしくは人として成長をしたい、そんな人はどんな書籍を読めばいいでしょう。何か一つアドバイスを!

榑井 「偉そうなことは言えませんが、どこかで目にした本の読み方で『なるほど!』と思ったことがありまして、

“ビジネス書の古典、名著は基礎・知っているべきもの。優秀な人はみんな読んでいると思ってもいいので、これらを読むだけでは他の人との差別化はできない。

教養書は自由演技であり、自分の好みに沿って読むもの。古典、名著とあわせて読むことでその人らしさが出て周囲との差別化につながる。”

ビジネスで活かすだけの読書であれば、すでに名著と言われるものを読むだけでも充分だと思います。しかし、自分らしい武器や他の人との差別化を図りたいのであれば、教養書も読みながら幅広い知識をインプットすることが重要です。この二軸の読書を意識してみると得るものがあるかもしれませんね」

ビジネス書以外で榑井さんが好きな書籍があれば教えてください!

榑井 「社会人になってからも何度も読んでしまうのは塩野 七生さんの『ローマ人の物語』です。この歴史小説は全15巻でかなり長編ですが、通して読むだけではなくとくに好きなシーンは何度も繰り返し読んじゃうんですよ!

この作品で何よりも魅力を感じるのは、古代ローマ人の価値観や精神性です。彼ら、彼女らは信義誠実さを重んじ、失敗や敗者に対しての寛容な姿勢をもっていました。問題が起きればその問題を引き起こした当時者を責めるより、問題が生じる構造を変えることに注力するという。

この物語は2000年以上前の人々の話ですが、私はいつもこう在りたいと読むたびに感じています(笑)」

読書とは楽しみながら学ぶことができるものであるとあらためて理解しました。榑井さん、お話ありがとうございました!

今回は「人はいったいなぜ読書をするのか」、「読書をする素晴らしさとは」を考える機会にもなったような気がします。

【マーケターが読むべき5つの書籍】と題した連載の最後に相応しい話が聞けたのではないでしょうか。

この連載がどんな本を読もうか悩む、あなたの参考になっていれば幸いです。

※ 記載内容は2023年6月時点のものです