採用市場におけるクリエイティブバイヤーの仕事とは

article image 1

売り手市場が続く中、競争がますます激しさを増す採用市場。企業が最適な人材と出会うために、企業の魅力や発見性を高めるためのツールを提供しているのが天職市場だ。

松澤 「超人材難の今、従来のように求人媒体や紹介会社を利⽤して『待ちの採⽤』をしていても効果が得られにくくなっています。これからの人材採用においては、自社の『攻めの採⽤』つまり、オウンドメディアリクルーティングが鍵を握っているんです。
求職者に自社を『見つけてもらい』さらに『好きになってもらう』ために、天職市場の提供する WEBサイトやコンテンツのクリエイティブを強化するのが私の仕事です。
外部からサービスやアプリなどを仕入れて、自社のサービスと連携しています。具体的には、動画や WEB面接アプリ、 SNS広告など、企業の採用活動を支援するために活用できるものを日々探しています」

いかに求職者の目に留まるか、いかに内容を伝えられるかを日々パートナーと研究し、新ツールの導入に努めている。

松澤 「最近では、採用動画が主流になってきています。よほど興味がない限り、企業の WEBサイトをじっくり見てもらえる時代ではありません。以前のような、 2~ 3分の動画よりも、 10秒で何を伝えるか、興味を持ってもらえるかが重要です。短い時間で気軽に見てもらえるような動画制作サービスを提供しています。
あとは、 WEB面接や録画面接もかなり普及してきているんです。一次は WEBや録画で対応して、合格者を対面の面接に誘導する企業が増えていますね。当社でも導入していて、これによって一次面接までのタイムラグがなくなるので、応募後、連絡が取れなくなるということが劇的に減ります」

実際にページ冒頭にダイジェスト動画を設置した企業の例では、ページ滞在率が導入前の173%、応募率は120%にアップしたという。とくに若年層に対しては動画の親和性が高いため、ターゲット層へのリーチができるのだ。

そして、松澤が手掛けているのは、こうした新ツールの導入だけではない。WEB制作サポートセンターのディレクターとして、企業の採用サイトやホームページ制作、SNS広告の展開、パンフレット制作など、クリエイティブに関することはすべて統括している。

WEB制作サポートセンターの立ち上げ。時代に合わせたWEBサービス

article image 2

松澤が在籍するWEB制作サポートセンターの立ち上げは2013年。求人サイトtenichiの顧客企業よりホームページ制作の相談を受ける機会が増えて立ち上げに至った 。当時、社内のWEB制作チームは自社サイトの構築が中心で、全国の顧客からの受注を受けられる体制ではなかったため、あらためて松澤を中心に体制構築を行うことに。

松澤 「本格的に WEB制作サービスを提供するとなると、提携企業協力のもと顧客企業を増やしていくことになり、カバーエリアは全国にわたります。それに対応するには相応の人員も必要になりますよね。すでに社長から 100名規模のセンターを見据えて広い場所を提供していただき、サービスも走り始めていて……とにかく無我夢中でした。
半年で 30名ほどを採用し、組織もサービスもブラッシュアップしながら固めていきました。検証改善を繰り返す中でのサービス提供なので、当然修正や、やり直しも多くありましたね。クリエイターにとって、度重なるやり直しはやはりこたえます。
でも、そこはサービスブラッシュアップのためには必要だからとメンバーに無理言って対応してもらって……。そんな状況を一緒に乗り越えてくれたメンバーは今、主力として活躍してくれています」

松澤が厳しい状況をメンバーを鼓舞し、乗り越えてこられた裏側にはある目標があった。松澤は「本当の採用力とは一過性のものではなく、中長期的に自社のサービスや社風などの魅力を表現していくものだ」と考えていたため、まずはベースとなる自社採用サイトをすべての企業において構築することを第一の目標に据えていたのだ。

天職市場の採用サイトは、ただ情報を載せるサイトではなく、自社で運用できる募集・応募管理機能を備えたサイトを目指した。さらにコンテンツ内容、導線、ビジュアルにおいても、従来の求人媒体ではできなかった独自のPRができる構成となるように。

松澤 「コンテンツひとつとっても、業界、職種、企業のカラー、ターゲットが違えば、表現方法は無限にあります。 WEB制作サポートセンターでは、ターゲット別にどういったクリエイティブが効果的か、細かく分析をしました。
こういうターゲットの場合は、色は寒色系よりも暖色系のコンバージョンが高いよねとか、クリック率を上げるには緑でぷるぷるしたボタンが良さそうとか……採用支援を行う当社だからこそできる効果検証を繰り返し行い、応募率の上がる採用サイトを目指していましたね」

これが最高です! と言えるパートナーでありたい

article image 3
▲制作した採用サイトの一例

実際に天職市場の採用サイトを導入した企業は、飲食、介護、サービス、ホテル、物流、製造など多岐にわたる。全国幅広い業種の企業に利用されている理由は、その実用性の高さにある。テンリクという自社の求人サービスと連携させることで、求人情報専門の検索エンジンIndeed経由で求職者を集められるのだ。

松澤 「とある運送会社様では、半年間で応募者 2名の状態から、 3カ月で 42名の応募と劇的に向上させることができたんです。施策としては、応募者の不安を払拭できるようなコンテンツを採用サイトに入れることはもちろん、原稿作成のフォローも行いました。
求人内容を一緒に見直したり、 indeedの検索で引っ掛かりやすいキーワードを埋め込んだり。支店長様からは『使い方次第でこんなに変わるなんて驚きました』という声もいただき、とても嬉しかったですね。
Indeedに関しては、 CMで有名になるずっと前からパートナーとして運用実績があって、代理店の中でも最も優れた『ゴールドパートナー』に認定されています。 Indeedは、私ではないんですがシステム系のバイヤーが仕入れたしくみで、求職者から『見つけてもらう』ための施策です。それをどう画面上で見せていくかは私の課題でした」

いくら高度な技術があっても、デザインやユーザービリティが低ければ応募にはつながらない。採用マーケットの課題とテクノロジーを組み合わせ、コンテンツとして表現することが松澤の使命なのだ。

利用企業にとっては、こうしたシステム的な利用メリットと合わせて、もうひとつのメリットがある。それは、自社の採用サイト制作にあたって自社の魅力や採用ターゲットを見直し、説明会で伝える内容も連動させるなど、「採用」という課題に対して今一度向き合う機会となることだ。

松澤 「私たちも顧客企業の採用に全力で寄与したいと思っているので、メンバーに何度も伝えているのは、納品の際などは『確認してください』でなく、『これが最高です!』と言って提出しようということです。
お客様の要望に沿って制作や修正には対応するのですが、要望をくみ取った上で専門家としてデザイン的に、機能的に、システム的に最善を尽くしてでき上がったのがこれです! と自信を持って伝えることを大切にしています」

完成して終わりではない。クライアントサクセスの強化

article image 4

ゼロからWEB制作サポートセンターをつくり、実績を上げてきた松澤。第一段階として、企業が自社サイトを使って採用していくオウンドメディアリクルーティングのベースはある程度できたと語る。

松澤 「 WEB制作サポートセンターを立ち上げた 2013年ごろは、まだまだ求人媒体に頼りきりの企業が多く、自社の情報を積み上げて資産化するのには程遠い状況でした。
ここ数年で、だいぶベースは整ってきていると感じていて、今はその次の課題に取り組んでいます。『制作した採用サイトをクライアントサクセスチームと協力して、どうやってさらに採用成果を上げられるサイトに改修していくか』が課題になっています」

クライアントの状況をさまざまなデータを駆使して分析し、その結果をもとに採用成功に向けた課題解決提案を行うのが、クライアントサクセスチームだ。WEB制作サポートセンターでは、分析結果をもとに、サイトのコンテンツ見直しや、導線改修などを行う。

そして今年からは制作体制のオフショア展開を始め、さらにクライアントサクセスに注力していく意向だ。

松澤 「将来的には、コーディングについては海外と国内のオフィスの二軸で動かしていく予定で、海外についても今年から始動しています。私たち日本のメンバーは、よりお客様に価値を提供できる提携サービスを開発したり、クライアントサクセスとの改善提案に取り組んだりしていきます。
天職市場の魅力であり醍醐味は、クライアントが気づいていない自社の魅力をクリエイティブにおこしていく、本当のパートナーとして寄り添っていけるところにある。私自身も、クリエイティブバイヤーとして変化の激しい市場を見据えて、常に新たなツールを発見して導入していきたいですね」

自社の魅力や強みをどう見せるかという表現の工夫の積み重ねが、採用力の積み上げとなり自社の資産となる。それぞれの企業が自力で採用できる未来、そして企業・求職者双方にとっての「天職づくり」のために──松澤はクリエイティブディレクターとして、バイヤーとして、これからも採用市場の仕掛け人として活躍していく。